リノベーション(リフォーム)をする中で癒しを求めてLDKであったり玄関あるいは寝室などにアクアテラリウムを取り入れたいという要望が多くなっているように思います。このような要望に対し大抵の場合、間取り考えながら60cmあるいは、90cmといった大きさの水槽を置くスペースを確保し、コンセント(照明)計画をする。

その先は、クライアント様が水草や砂・石などを配置し完成させていく。

しかし、ここで紹介するのは空間の中にアクアテラリウムを溶け込ませたいという要望。最初にこのことを聞いた時、「ん・・?」という感じでおっしゃっている意味がいまいち理解できませんでした。何度か打ち合わせを重ねることによってクライアント様がおっしゃっていることが分かりました。

水槽を置き、その中でアクアテラリウムを作るのではなく、内装の素材(木製・モルタル・塗装など)と同じ素材で水槽を作りその中で滝があるアクアテラリウムを設けたい。
通常であればアクアテラリウムはクライアント様が考えることなのですが、滝をどのように演出するかということもプランと一緒に考えてほしいと言われすごく悩みました。

アクアテラリウムというものを知ろう!

アクアテラリウムって?
これまでに雑誌やメディアなどで聞いたり見たりすることがあるかと思います。

アクアリウム・・・水中の風景を再現したもの
テラリウム・・・陸地(森林)の風景を再現したもの

アクアテラリウムはこの水中(アクアリウム)と陸地(テラリウム)を一緒に再現したもののことです。

どのように再現するかは人それぞれ。陸地をメインに作る人もいれば、水中メインでつくる人もいます。また、石や森林などの演出の仕方も人それぞれです。

陸地(滝や渓流)の風景を創るなら。完成されたものからイメージを作っていこう。石や植物を使い勾配をつけながら自然を再現。滝の場合はどの位置から水を落とすかを考える。

水中をメインに創るなら!非常にクオリティが高いですが、完成のイメージ作りには最高です。

やはり壮大でありのままの自然を参考にしたい!という方は以下を参考にしてください。

これからつくるという方は上の画像を参考にしてもいいですし、実際に自然の中に入り参考になる風景の写真を取りに行くのもいいでしょう。かっこいい流木や石を見つけることができるかも!

水草を入れるなら温度も重要

水草を入れるなら水温の温度が重要になってきます。このためサーモスタットが必要になる。しかし、水草を入れるとなると、注意しないといけないことがあります。

それは、太陽の光が当たる場所に水槽があるかということ。

水槽ならば移動することができますが、このリフォーム計画では完全固定。

なので一度、位置を決めてしまうと水槽の位置を移動することができません。

水草が入った水槽を太陽の光があたるところに置くと、汚れやコケなどが一気に広がってしまい見栄えは悪くなってしまいます。ということでココで紹介するのは水草類は置かないことに決定。

また、自然(陸地)を演出する観葉植物などを置く場合には寒さ・暑さに強いのを使うのがいいでしょう。冬の寒い時期、常に暖房が入っているならいいですが、暖房を切り2~3日放っておくと弱い観葉植物であれば枯れていくことがあります。

モルタルで滝のあるアクアテラリウムを作る

リノベーション(リフォーム)を計画しているクラアイント様の要望の中には、これまでに関わったことのないことも多く、その度に必死で勉強し感覚を掴んでいるのですが、このアクアテラリウムもまさに、自分でデザインし自然を演出するなどしたことがないため色々な本などを読み感覚をなんとか自分の中に落とし込みました。

要望は、滝があり川もある。この滝と川をメインに自然を演出していく。ただ、自然を演出するだけではなく、そのものがインテリアとなるようにと。簡単に解釈すると自然とインテリアをくっつけるということ。

どうしようかと迷ってもラチがあかないので、どの位置から水が落ちてそこからどのように水を流し川を演出するか。メジャーで大体の寸法をとりスケッチの中に落とし込む。この作業を繰り返しイメージが絵として出来上がりました。

アイデアは出ても、滝を演出するためにどのような素材を使えば良いのかさっぱり分かりません。思いついたのは、建築業界らしい発想でモルタル。セメントと砂と水でできますし値段も手頃です。

ただ、モルタルだけで作ると大変なので骨組みは断熱材(スタイルフォーム)を使いスタイロフォームの廻りにモルタルを付け滝を作ることにしました。

リフォームプランはすでに出来ており赤色の壁と青色の壁がある玄関。その中に滝のあるアクアテラリウムを馴染ませる。

モルタルは素地とし観葉植物の緑が組み合わされることで自然を再現したモノができるだろうと考えました。

最も苦戦したのはアイデアを形にする作業。
モルタルで作るのがこんなに難しいのか・・。完成するのか・・。

先を考えるとめまいがしそうになるので目先の作業に集中。

モルタルでつくる場合、乾いてからでなkれば次の作業に移れない事が多く、そのため時間を費やしました。

この滝の他にも進めなければいけない案件が溜まっていたため、作業をしては他の案件を進める。

リフォーム工事自体は約40日程度で終わり後は作成中の滝を作るだけ。アイデアなどはすでにクライアント様に了解を得ており楽しみにしているのが伝わってきていました。

ここでコケるわけにはいかないので、プレッシャーを感じながらなんとか完成させました。


この段階で個人的に満足できませんでした。もっとボリュームがほしい。
色々と考えた結果、現場で使うアルミを使うことにしました。これにはクライアント様は反対。

しかし、私は諦めきれず出来上がった後、必ずいい物に仕上がるということでアルミの素材を使ってさらに滝のボリュームをアップさせることにしました。

期間は3週間ほどかかり、出来たのをじっくり見るとフランク・ゲーリーが手がけた作品に似ているなと思いました。

私自身としては、この滝のあるアクアテラリウムに満足。後日クライアント様の玄関に設置したらすごく喜んでもらいました。

モルタルで滝を演出したアクアテラリウム

以下が、モルタルとスタイロフォームによって出来た滝のあるアクアテラリウムの写真です。これからチャレンジしてみようという方は参考にしてください。

玄関前のリフォームで作った滝のあるアクアテラリウムです。モルタルで四角形の池を造りその中に山をイメージした造作物を作りました。山をイメージした造作物は断熱材であるスタイロフォーム(発泡スチロールのようなもの)を好みの大きさにカット。カットしたスタイロフォームをボンドでくっつけていきました。大体の大きさになるまでカットしボンドくっつけるの繰り返しを行います。大きさを記入したイメージパースを書いておけば、作りやすいです。スタイロフォームの上からモルタルをくっつけ形を整えながら造作物を完成させていきます。

下の写真は正面から撮っています。シルバーのアルミは風をイメージしています。

発泡スチロールを四角形に切り取った後、赤の塗料で塗り、このアクアテラリウムのアクセントとしてなじませています。接着は、瞬間接着剤で付けたあとモルタルで固めています。

朝日が昇った時の玄関の様子。水の波紋がきれいで癒されるとクライアント様が言っていました。