現代の和風デザインに大きな影響を与えた人物で有名なのが千利休や古田織部(ふるたおりべ)、小堀遠州(こぼりえんしゅう)といった茶人達。彼らのデザインやコーディネートは、茶室など建物の空間だけでなく庭園や茶道具・料理にお菓子などその範囲はすごく幅広い。

等量分割は、和風デザインとも関連性が強い。中でも三五の比は建築物や庭園、生花など応用すれば色々と活用できリノベーションやリフォームのデザインや間取り計画にも取り入れることができます。

間取りや壁面のデザイン計画に役立つ和風デザインの秩序【等量分割】

日本庭園の石や池などの配置、畳・襖などの寸法には等量分割が多く使われています。

壁面のどの位置に窓を設けるかなど昔の日本建築では、この等量分割によって割り振られています。

有名なのが写真や絵画。カメラ又は、用紙のどの位置を中心に絵を描くかは、この等量分割を基本にしています。

この等量分割が分かりやすい動画があるのでご覧下さい(特にカメラに興味がある方は要チェック)
等量分割について

和風デザインの秩序「等量分割」とフィボナッチ数列

等量分割【1:1、1:2、2:3、3:5(三五の比)、5:8(五八の比)】

このように等量分割は比によってできています。

この等量分割と共通している数列があります。

それは、フィボナッチ数列。

1、1、2、3、5、8、13、21、34と続く数列はフィボナッチ数列と言われ、隣り合う数字の比である等量分割(1:1、1:2、2:3、3:5)と共通しています。

中世イタリアの数学者フィボナッチは花や葉っぱなどを観察することで一定パターンがあることに気づき、自然界でこの数列にあてはまるものを多く発見したと言われています。すごく不思議ですよね。

自然の美しさやバランスの良さを手本にすることで、自然の秩序を再現できる。

江戸初期の茶人である小堀遠州はあらゆるところで三五の比を用いてデザインしていることが分かっています。

この三五の比(1:1.666)や五八の比(1:1.6)は、黄金比に非常に近い比率です。

美的感覚に優れた人が惹きつけられるデザインというのは世界共通しているようですね。

純和風建築として代表的な桂離宮は、黄金比を含め遠近法やビスタライン(眺望ライン)、大胆な軸線の構成など西洋建築技法が多く取り入れられていることは有名です。

等量分割で壁面をデザイン

私は、間取りを含めてデザインする時、最初から等量分割や三五の比を使っていません。

最初は感覚を頼っています。現状の間取りやクライアント様の要望などをまとめ感覚で間取りを考えています。そして家具の配置と有効寸法を踏まえて間取りを具体的にしていきます。(間取りを考える上で重要になってくるのは、家具の大きさと設置後の有効寸法をしっかりと押さえることです。)

等量分割は壁面のデザインを考える時に使うことが多いです。

例えばテーブルの大きさであったり壁面収納の割付など。クライアント様の中には絵を展示する方もいらっしゃいます。そういう方には壁面収納や机などの配置と合わせて絵の展示場所も決めるのですが、こういう時は必ず等量分割や三五の比を使っています。(新築の場合は窓の位置や大きさを決める時に使うことが多い)

もし飾り棚をどの場所に取り付けようか迷っているなら壁面の大きさを紙に書いてみよう。縮尺は1/100。つまり1mの長さが1cmとなります。

壁の大きさが横幅4mで天井高2.4m(2m40cm)の場合、1/100の縮尺で図面を書くなら、横幅4cmで天井高2cm4mmとなります。この4cmx2cm4mmの中でどこに飾り棚を設けるかを書き表すことで全体のイメージが頭に浮かびやすくなります。

では、等量分割を図面で表す方法について詳しく説明していきます。最初に壁面の大きさを図面にします。

ここでは横幅4m20cmで高さ2m25cmの壁面を例にして等量分割していきます。
最初にコーナーを結びます。 次に中心を通る縦線と横線を入れる。 中心にある垂直の線と上と下の横に引いた線の交点を頂点にコーナーに向かって線を引きます。
赤丸で囲った交点が4つ。この4つを結び横・縦線を引きます。 さらに、赤丸で囲った交点が4つ。この4つを結び縦線を引きます。 さらに、赤丸で囲った交点が4つ。この4つを結び横線を引きます。
このように交点を結ぶことでさらに細かく分割してくことができます。

壁面のどこに、棚をもってくるかを考えます。(だいたいでいいです。)

線で分割しながら棚板のレイアウトを具体的にしていきます。線を引くことで基準が生まれます。基準が生まれることで秩序がうまれます。この秩序が美を作り出します。

感覚は重要です。しかし、最初から最後まで感覚で通すより、感覚の中に基準を生み、秩序を創りだすことで美のある空間が仕上がっていきます。

リノベーションやリフォームによって和風デザインを取り入た間取りやデザインを考える時に気をつけたいことがあります。

西洋でよく取り入れられている技法で左右対象(シンメトリー)というのがあります。この左右対象(シンメトリー)を和風の空間に取り入れてしまうと違和感のあるデザインになってしまうため注意が必要です。

和風デザインは左右非対称で軽やかな印象を与えるのが特徴であるです。

それに対して、シンメトリーは左右対称に重厚感があるクラシックな印象が特徴的です。

最近では日本はもちろんのこと。海外でも和風モダンなデザインを取り入れた建物が見られます。リノベーション(リフォーム)によって和風デザインをうまく演出させるためには基本的なスタイルはしっかりと押さえておきましょう。