クライアント様は学生時代にドイツに留学していたモダンな空間にリフォームしたいということで8社に相談し提案を依頼したましたが提案内容に満足できず当サイト(リノベーション・リフォーム見積お役立ち隊)に問い合わせ。

部分的にタイルを使い洋風に偏らずモダンで和風の内装に仕上げてほしい。

以下、戸建て住宅のリノベーションプランと見積の内訳についてまとめていきます。
【参考事例】では内装の画像や工事計画の詳しい進行状況などクライアント様から許可いただいきまとめています。

詳しくは⇒参考事例

ココでは、【参考事例】のように画像など公開の許可をいただけませんでしたが、プランや見積金額など許可をいただいた内容をまとめています。

リノベーションの概要とプラン

戸建て木造(在来工法)築11年
家族構成 夫婦と子供一人
要望
  • 1階と2階のつながりがほしい
  • 1階に収納スペースがほしい
  • 部分的にタイルを使い洋風に偏らずモダンで和風の内装に仕上げてほしい
  • キッチンの内装をこだわっている
工事にかかった期間 68日
リノベーション費用 約1213万円

リノベーションプランを考える

要望の中で特に費用がかかる内容をどのように解釈しプランとして固めていくかが予算内で要望に応えられるかの重要なカギとなります。

この案件では、【1階と2階のつながりがほしい】この要望が最もお金がかかる工事となります。この要望を重視しすぎると予算が尽きて他の要望が叶えられなくなってしまうことがある。

逆に一般的なプランであれば要望に答えられずに終わってしまう。

【1階と2階のつながりがほしい】この要望をどのように解釈しプランに落とし込んでいくかに悩みました。2階の部屋数は減らしたくはないと言っていたので吹き抜けを作るのは難しい。

具体的にどのようにしたいか雑誌の切り抜きなどあれば、参考になるかもしれませんが、ないのでなんとかクライアント様の要望を引き出さないといけない。

そこで考えたのが階段です。

階段は1階と2階を繋げる重要な役割を持っており、階段の配置によって1階と2階のつながりを持たせることができると考えました。うまくまとめることができれば、吹き抜けと違って2階の部屋をつぶすこともない。

そこで階段の位置を変更するプランを考えようとしましたが、現状の図面がないため2階の梁や根太がどの向きにどのように配置されているのか分からない。

このため、手が止まりそうになりますが、こういう時は純粋に【1階と2階を繋げる】というコンセプト重視でプランを仕上げるようにしました。

考えたのは、家族が集まるLDKと階段をセットにする。
この場合

  • LDKの中に階段を設ける
  • 間取り的にLDKと階段は切り離しているけど完全に壁で仕切らない

の2つのプランが考えられ、私は間取り的にLDKと階段を切り離す中で1階と2階をつなげるプランを考えることにしラフプラン作成後にプランとプランの意図をクライアント様にお伝えしました。

プランと考え方がクライアント様に気に入っていただき、方向性が決まりました。

一回目のラフプランを甘く考える設計者は多いですが、ココで決まる要素が多いため1回目は常に緊張感を持って取り組んでいます。その結果、方向性が掴めてホっとしました。

階段とリビング(ダイニング)との関連図

階段とリビング(ダイニング)との間仕切り壁を一部開放することによって1階と2階をつなげるようにしました。

生活空間の間取りの変更

階段の配置を変更する工事によって予算(1200万円)の大半を消耗してしまうだろうと考え水回り(トイレ・キッチン・浴室・洗面脱衣室)は大きな移動はせず、配置の変更と設備機器・内装を新しくするプランを作成。

LDKは予算の関係からスケルトン状態にし1ルームのL型の空間。柱間のスパンが広いため構造補強のため梁の抱き合わせと部分的に筋交いを入れました。

3箇所、梁の抱き合わせによって天井仕上げから梁が飛び出てしまいましたが、モダンなデザインを崩さないよう梁にオイルステンを塗り空間になじませました。

見積と減額

予算は1200万円。クライアント様からお話を伺いプランを考え最初に5社から概算見積を取りました。結果、一番安い見積金額で1360万円で高い金額は1530万円。

概算見積は正式見積とは違って細かく内訳を拾い出しせずに一式でまとめているため1360万円と1530万円の開きを明確に把握することはできませんでしたが木工事で差が大きくでているところを見ると、階段の移動で各施工会社の考えが大きく異なっていると金額を見て思いました。

クライアント様の手元に概算見積が揃うと次に見積書や提案内容・施工会社さんの会社の事(リフォーム件数やアフターケア)など知りたい事・疑問に思うことについて当サイトを通してやり取りをします。

(この段階では施工会社はクライアント様の住所や名前はまだ知りません。)
最終的に工事を依頼する施工会社を1社に絞ることになるのですが、見積金額だけでなく施工会社さんとのやり取りも工事を依頼するか重要な判断材料となるため、遠慮せずに聞いてください。
概算見積時では5社でしたが3社に絞りこみ。次に正式見積へと進むのですが、ある程度減額させないと予算内に費用を落とすことはできない。

概算見積では、不明な事が多いため施工会社さんは高めに金額を設定し見積をだします。とは言っても、予算からして160万円~330万円の開きがあり、不明な事をハッキリさせたところで予算内にすることは非常に難しい。

そこで当初はL型のLDKの中に和室が計画されていましたが2階にも和室があることで1階の和室を止めました。そしてキッチンと浴室で色々付けたオプションを必要なものだけ残し後は止めました。

正式見積へと進むのですが、その前に現地調査。絞り込んだ3社の施工会社の担当者をクライアント様の自宅に呼び、

  • プラン通り工事を進めることができるか
  • プランと現場に寸法に食い違いはないか

など施工会社さんが確認します。

現地調査は別々の日時で行っていただきます。

つまり3社の場合は1社につき2時間ほど時間をつくっていただき合計6時間は時間をつくって頂くことになります。1日で現調を全部済ませる必要はありません。

上記にも記載していますが、施工会社さんとのやり取りは、1社に絞り込む重要な判断基準となります。遠慮せずに分からない事や知りたいことは聞き、受け答えや内容・相性は合いそうかなどしっかりと見ておいてください。

結果、正式見積では1230万円~1250万円にまで下がりました。クライアント様の考えでは3社とも見積金額や会社の信頼性などから◎と判断しましたが1社に絞り込まないといけません。

  • 質問した時の回答が分かりやすかったか
  • 会話していて相性はあいそうか

など「人」で判断していくことになります。

正式見積提出時に施工会社は、クライアント様に見積の内訳の説明を図面と合わせて行います。

この段階で伝えたはずなのに見積には反映されていないなど「抜けがないか」を最終確認。また内訳で分かりにくいことがあれば遠慮せずに質問しハッキリさせていきます。

契約後の工事は追加工事となりさらに費用がかかるためしっかりと確認しておきましょう。

では次に当工事の見積の内訳。

戸建て住宅のリノベーション見積費用と内訳

以下、リノベーション見積費用約1213万円の戸建て住宅のプランと内訳についてまとめていきます。

戸建て住宅だけでなくマンションのリノベーションやリフォームを検討している方は参考にしてください。

解体・撤去工事

間取りの変更箇所や内装を新しくする部屋を解体・撤去。

敷地に余裕があり、トラックを横付けすることができたため、解体後の撤去が可能。もし現場からトラックまでが遠く離れている場合には作業効率が悪くなるためその分の金額が高くなります。

解体・撤去の見積費用 約572,000円

木工事

壁・扉などの下地や構造部の補強。
階段の位置を変更するため、階段や床の下地(根太や梁)の組み換えに金額が大きくなりました。

木工事の見積費用 約3,610,000円

住設工事

システムキッチン・ユニットバス・洗面化粧台・便器の費用(取り付け費も含む)

住設工事の見積費用 約2,634,000円

電気工事

電気配線とスイッチ・コンセント・照明器具などの費用(取り付け費も含む)

電気工事の見積費用 約683,000円

給排水工事

給水・排水の配管工事

給排水工事の見積費用 約679,000円

左官・タイル工事

玄関の床とLDK内の壁(一部)

左官・タイル工事の見積費用 約716,000円

内装工事

床・壁・天井の仕上げ

内装工事の見積費用 約814,000円

外壁塗装工事

外壁塗装工事の見積費用 約678,000円

外構工事

アプローチ(門扉などは流用)

外構工事の見積費用 約583,000円

諸経費

諸経費の見積費用 約767,000円

トータル見積費用

トータル見積費用(税抜き) 約11,736,000円

まとめ

当案件では、階段の配置変更に大きく金額が動きました。

築11年とそれほど古くなく耐震補強はする必要がない建物でしたが、耐震補強工事が必要な場合はさらに費用がかかることになります。

どのリノベーション(リフォーム)工事にも共通していることは、どこにお金とかけたいか。妥協したくないのはどこか。というところを絞り込むことが非常に重要になってくると考えています。

限らた予算の中でのリノベーション(リフォーム)工事ですからね。

当物件では、階段の配置によって1階と2階をつなげることに重点を置いています。案件によっては在来工法の浴室は絶対に妥協したくないということもありました。

内装を新しくしたい。住みやすくしたい。といったご要望の中に、譲れないのはどこかを考えるのも大切な作業です。