現在では、新築マンションを購入するより、中古マンションを購入する人が増えています。
 
どうして新築よりも中古マンションが選ばれるの?

中古マンションを選ぶ利点をまとめているので、参考にしてください。

1.立地がよく価格が安い

立地はマンションを購入する時に非常に重要なポイントになります。

例えば、駅に近いか。ショッピングに便利なところであるか?

新築マンションは大々的に宣伝されますので、すごく目立ちます。

新しい内装もあって魅力的に思う人も多いでしょう。

ここで、ちょっと街中を見直してみてください。
 
意外といい場所に中古マンションって建っていませんか?
マンション販売会社は、他の販売会社よりも立地条件の良い土地を探します。
 
立地条件が良い土地は、よく売れますからね。

当然、立地条件のよい土地は、早い者勝ちです。
早くその土地を押さえた販売会社は、その土地を所有する権利を得ることができ、マンションを建てることができます。
中古マンションが意外と立地条件が良いところにあるのは、このためです。

中古マンションの魅力は、立地が優れていること以外に「価格」が挙げられます。

安いからといって構造上に問題があるかというとそういうわけではありません。

新築の場合には、多くの人に知ってもらうために、莫大な広告費(宣伝費)やモデルルームの建設といった経費がかかります。
 
この経費は、購入価格に上乗せされます。

つまり完成した時が一番、高いのです。

そして年々、この価格は下がっていきます。

10年もすれば、半額近くになっていることがあります。
新築マンションを購入する人は、建物本来の価値ではなく新しさにお金を払っているようなものです。

ただ、ここで気を付けないといけないことがあります。
それは、管理組合です。
 
立地がよい中古マンションを見つけた!さっそく購入へ!

と手続きを進める前に、そのマンションをよく見ておきましょう。

1-1管理組合が中古マンションの価値を決める

管理組合は、敷地や建物の資産価値を守るための業務を担っています。
また、マンションに住む人達が快適な生活を送るための業務も行っています。
 
具体的には、管理費であったり、出納、会計報告などの事務処理。

エントランスなど共用部分の日常的な清掃や、設備の保守点検、維持管理。建物や設備の補修、長期修繕計画をたてたり、日常生活におけるルールや、近隣住民とのコミュニケーションに関する業務などです。
マンションライフが快適に営まれているかは管理組合がいかに機能しているかによります。

購入を検討しているマンションのチェックポイント

  • エントランスや階段は清掃されているか?
  • ゴミ置き場・駐車場・駐輪場の清掃
  • 外壁に亀裂や塗膜が剥がれていないか?
  • バルコニーの手すりは錆びていないか?

書類の確認(管理規約)

管理規約というのは、マンション生活を円滑にするため管理組合の組織・運営に関する規則のこと。
 
規約には、専有部分・共用部分・敷地の範囲であったり、共用持分の割合の範囲や、基礎的な事項、管理組合の運営、会計、事務に関する事項が記載されています。
 

また、管理上の利害の調整や義務に違反した場合の措置についても記載されています。

上記で記載しているように管理規約といのは、建物を管理するためのルールであります。このルールの中にリノベーション・リフォームについて制限している場合があります。
例えば

床や壁の仕上げの等級や、工事音などの理由から工事を禁止しているなど
中古マンションを購入前にリノベーションできるか管理規約により確認しておきましょう。

設備の保守点検や、維持管理、設備の補修、修繕計画においても確認しておきます。

これは、管理規約が営まれているかを確認するためで、「将来を見据えて管理されているか」について参考になります。
「マンションは管理を買え」と言われるように、建物の状態や規約をしっかりと確認しておくことです。

2.資産価値を高められる

欧米では、資産価値を高めるためにリフォームやリノベーションすることはよくあることで、日本でも中古マンションでもリノベーションすることによって、新築以上の快適な住まいが実現するだけでなく資産価値をグンと上げることができます。

多くの人がローンの期間がマンションの寿命と考えています。
 
築20年の中古マンションであれば、残り40年ということになります。

一般的に新築の場合は、35年ローンが組まれ、35年が建物の寿命だと考えているひとが多いようですが、現在の財務省が定める減価償却期間は60年。管理次第では60年以上持つという見方もあります。
しかも新築物件から比べれば、購入価格は、半額以下かもっと低いことも考えられます。

仮に、築20年の中古マンションを購入しリノベーション・リフォームしたとします。
 
10年住み、仕事の関係から売ることになりました。
法定耐用年数から、残り30年は持つことになりますし、他の部屋に比べて、部屋の中が綺麗でこだわりある空間の演出から、価格が他の部屋より高くしても買い手はつきやすくなります。
 

賃貸とするにしても、他の部屋よりも、こだわりある空間へと作り替えているため、借りたいと思う人が多くなるはずです。
中古マンションを購入しリフォームやリノベーションする人が多いのは、このような魅力も備わっているからなのです。

3.自由設計

新聞に織り込まれている新築マンションのチラシをよく見かけるかと思います。

一般的に、マンションはいかにたくさん販売するかを考慮し、経済性優先で計画されているため、㎡数にかかわらず部屋数重視の画一的なプランが多い。

限られたスペースの中で部屋数を重視すれば、狭く感じられ家族構成によっての自由が利きません。
 

「間取りが選べる」と謳っている販売会社もありますが、基本的にいくつかのパターンから選ぶだけで自由とは程遠い。

しかし、スケルトンリフォームをすることによって、自由に空間を構成していくことができます。
 

スケルトンリフォームというのは、間取りなど全てをなくし、箱の状態に一旦、戻しそこから手を加える手法です。

この手法は、ヨーロッパ発祥の「スケルトン・インフェル」に基づくもので
スケルトン・・構造躯体
インフィル・・住戸の内装
を意味しています。
 

つまり、建物の構造躯体と、住戸内の内装を別々に考えることで各住居内を個性ある空間へと作り変えることができる。
これによって、3LDKや4LDKといった凝り固まった考えから抜け出し、自分の思い通りの住まいを作り出すことができるのです。

3-1インテリアに合わせた空間を作れる

考え方は人それぞれですが、リフォームやリノベーション計画を進めるにあたって、何かしらの基準を設けることで、プランが浮かびやすくなるものです。
 
その基準の一つがインテリア。
例えば

  • ソファ
  • ダイニングテーブル
  • オシャなキッチン
  • 造作棚
など。
新築マンションの場合は間取りや壁の仕上げなどから、インテリアを合わせていく形になります。
しかし、中古マンションをリノベーションし新たな住まいを作り出す場合、インテリアを中心に、各部屋をデザインしていくことができます。

また、
「このソファのデザインにマッチした空間にしてほしい」

とプランを考えている人に伝えることができます。
リノベーション計画を進めるのにインテリアは、重要な基準になります。

3-2住設備が選べる

システムバスやキッチン・洗面台といった住設備を自由に決められるというのも大きなメリットの一つです。
 

設備の大きさや色合いに合わせて、好みのデザインに仕上げることができます。

※注意
 
住設備の配置について
 
キッチンや、洗面台、浴室は、配管の関係上、現状の位置から移動させるのは、おすすめできません。
というのも、給水は特に問題ないのですが、排水が必要とされる勾配が取れないことがあります。
 

勾配が取れないと水が流れにくくなります。

4.管理状況や住人が前もって分かる

新築マンションの場合は、これから住人さんが入居します。
また、管理組合もこれから営われます。
 
快適に過ごせるかは、管理組合がしっかりとしているか。また入居者によります。

新築物件の場合は、事前にこれらを知ることはできません。
良いふうに傾けばいいですが、悪い風に傾ことも考えられます。

その点、中古マンションの場合は、管理組合はできあがっています。

管理組合がしっかりと動いていれば、よい環境のもとで生活を送ることができます。

また、どのような人が住んでいるかも知ることができます。

このためある程度までは事前に知ることができます。もちろんプライバシーに関わることまで聞くわけにはいきませんが、上下階・隣に住んでいる人がどのような人かは、教えてくれるでしょう。

5.構造や内部の確認

マンションの構造も確認しておく必要があります。
判断する基準の一つが1981年に定められた「新耐震基準」であるかどうかです。

現在の建物はこの「新耐震基準」に沿って建てられています。

ただ、1981年以降の建物であっても油断はできません。

2005年の構造偽造問題が関わっている可能性が考えられるからです。

この構造偽造問題以降は管理組合で耐震強度の確認をしているところも増えています。
 

中古マンションを購入する際には、管理組合に耐震強度の調査についてや、アスベストについて聞くと教えてくれます。
答えを渋るところは怪しいと思っておきましょう。

中古物件を実際に見に行くことで部屋の中も確認することができます。
ここで、

  • 窓を開けてみて風通しの良さ
  • 日当たり
  • 上の階の足音
  • 隣の話し声が聞こえるか
  • 眺望
  • プライバシーの確保

などしっかりと見ておきましょう。
 

新築物件では、モデルルーム以外は図面で想像するしかできませんが、中古マンションでは、内部を一通り確認することができます。

6.ご自身でマンションチェック!

ここからは、中古マンションの魅力や注意点ではなく、購入前のマンションをチェックするポイントについてまとめいるので、参考にしてくださいね。

6-1図面を確認してみよう

図面といっても専門的に見るのではなく、構造を見ます。
 
コーナー部或いは、部屋の隅に柱があればラーメン構造。
なければ壁式構造。
 
ラーメン構造と壁式構造の特徴

ラーメン構造
  • 比較的、新しく建てられたマンションに使われています。
  • ラーメン構造の場合、リノベーションすることで大空間を作ることができます。
  • ラーメン構造は、柱部分が壁から飛び出ているため、家具や机など配置に悩むことがある。
壁式構造
  • 低層もしくは、古いマンションが多い(築20以上)。
  • 壁式構造は、耐力壁によって建物を支えています。
    このため、耐力壁は撤去することができません。
リフォームやリノベーション計画をたてる際に、ラーメン構造か壁式構造かは重要なポイントになりますので、確認しておくこと。

6-2マンションを見に行った時に壁や天井・床をノックしてみる

マンションを見に行った時に、壁や天井・床を扉をノックするようにトントンと叩いてみてください。
 
この時、コンコンと響く音がすれば、撤去できる壁・天井・床となります。

ゴツゴツと音が響かず鈍い音がする場合はコンクリートです。

壁式構造の場合は、全ての壁がコンクリートではありませんが、一部の壁がコンクリートでできています。
図面でもコンクリートでできた壁とそうでない壁を見分けることはできます。
 

コンクリート壁にコンセントが埋設されている場合は、コンセントの移設は無理です。

床は、直接コンクリート(スラブ)の上にフローリングを貼っている場合があります。
基本的に、スラブの上に床束を設け、その上にフローリングを貼る場合が多い。
 

コンクリート(スラブ)に直接フローリングを貼っている場合は、配線計画を考えないといけません。

ローコストマンションの場合、天井がコンクリート(スラブ)の場合があります。
 
通常は、配線や配管・ダクトのためコンクリート(スラブ)の下に天井となる板を設けています。
 

天井がコンクリートの場合は、照明器具の移設は難しい。

6-3インターホンやリモコン

インターホンや給湯器などのリモコンの設置部分がコンクリートであれば移設はできません。

6-4写真を撮っておこう

マンションの内部を見に行った時には、写真を撮っておきましょう。
各部屋・分電盤・給湯器・リモコン(インターホン)・エアコン・バルコニーなど。
 
写真の枚数は、なるべく多めに撮っておきましょう。
 
部屋を撮影する場合は対角線上の2枚以上。
現在、設置しているキッチンや浴槽・洗面台・トイレ。

上記に記載していますように、分電盤や給湯器も忘れずに。

またエアコンの穴も見ておきましょう。

エアコンは室外機が必要です。部屋内部に取り付けるエアコンと室外機をつなぐ配管の穴がどこに設けられているかも見ておくといいですよ。

6-5採光や音も確認

【5.構造や内部の確認】でも記載しているように、採光や足音・眺望なども確認しておくこと。

マンションの図面に方位が記載いるかと思います。
東西南北どの位置にLDKがあり、バルコニーがあるかを確認。
 
基本的に南面にバルコニーがあるのが望ましい。(隣に高層のマンション・ビルが建っているかいないかで採光や風通しは変わってきます。)
 

もし、方位磁石をお持ちであれば、マンションを見に行く時に携帯しておくことをおすすめします。

6-6マンションの敷地の確認

【1-1管理組合が中古マンションの価値を決める】でも記載しているように、管理組合が機能しているかは、快適に過ごせるかに直結します。

敷地を確認することは、管理組合が機能しているかどうかの目安になります。
 
以下敷地を確認する際のポイントをまとめています。

6-6ー1駐車場・駐輪場が整備されている

  • 駐車場にタバコの吸殻やゴミが落ちている。
  • 駐輪場で自転車が乱雑に置かれている。または、明らかに使われていない古い自転車が放置されている
といったことが目立つ場合は、管理が機能していない。

6-6ー2掲示板の張り紙

エントランスには、掲示板が設けられています。
 
この掲示板には住人に対してのお知らせが記載されています。
張り紙が貼られていない掲示板よりも、たくさんの張り紙が貼られている掲示板のほうが管理されていると言えます。
 
張り紙の日付なども確認しておくといいですよ。

(半年前さらには1年前の張り紙が貼られているマンションはNG)

6-6ー3監視カメラ

防犯対策において積極的であるかの目安になります。

出入り口やエレベーター前などを確認

6-7管理組合に問い合わせしておきたいこと

マンションの内装を変える場合には、リノベーション・リフォームする内容を管理組合に知らせなければいけません。

リフォームする範囲は、マンションの規約や構造によって変わります。
古いマンションであればフローリングはダメでカーペットのみというケースもあります。
 
リフォームやリノベーション計画を進める前に必ず、管理規約を確認しておきましょう。
 

リフォーム工事以外で管理組合に問い合わせしておきたいことを以下にまとめています。

6-7-1耐震基準

耐震偽造問題以降、それぞれのマンションでは耐震強度について敏感です。

耐震強度を調べ直したり、補強工事を行っているマンションも多い。耐震強度がハッキリしない管理組合は、管理がしっかり機能していないと言えます。

6-7-2以前のオーナーが管理費を滞納していないか

修繕積立金や、管理費を以前のオーナーが滞納していないか確認しておきましょう。

6-7-3電圧

古いマンションの場合、40アンペア程度の電圧しかない場合があります。
 
電子レンジやエアコンなど電気を使う設備を設けるにあたって、60~70アンペアはほしい。

ブレーカーが頻繁に落ちることのないよう電圧についても調べておきましょう。

まとめ

中古マンションは、リフォームやリノベーションすることによって、住まいを自由に設計することができます。
 
また、既に建っていることから、色々なこと(入居者や管理されてるかなど)を事前に知ることができます。
 
新築マンションに比べて安い価格で購入することができることを含め魅力的な要素がたくさん詰まっています。