【リフォームで狭いLDKを広くしたい!】そのプランに収納スペースはありますか?

マンションの内装を大きく変えたいということでリノベーションを希望された方なのですが、要望の中に狭いLDKを広くしたいというのがありました。

私は、リビングやキッチン・廊下・寝室など空間の構成やデザインなど数日かけてじっくりと練り上げました。

そのプランに対して、クライアント様の意見を聞くため図面などをご自宅に送付。
OKの返事をいただいたので、次にそのプランを複数の施工会社(工務店やリフォーム会社など)に送付し、概算見積やプランに対する意見などを求めました。

(当サイトでは、クライアント様が心理的な不安などを減らし、ご自身のペースで納得しながら工事計画を進めていただくために、クライアント様の住所や名前を伏せた状態で概算見積や提案を求めるシステムになっています。)

数日後、複数の施工会社に送ったプランに対する概算見積書と提案書・各施工会社の自己PRが記載された書類が届けられその内容を見ました。

その中で最も「なるほど」と感心させられたのが、狭いLDKを広くしたいという要望には注意しないといけないという内容のものです。

リフォームやリノベーションを数多くこなしてきた施工会社は、工事に関してだけでなく、多くのクライアント様と話している分、生活空間に対する知識においてもプロだなと何度も感心させられます。

また、複数の施工会社から役立つ情報を聞き活かすことができるというのが当サイトの強みだと改めて感じさせてくれました。

LDKのみのリフォームや住まいの間取りを大きく変えるリノベーションを考えている多くの方が「狭いLDKを広くしたい」「リビングを広くしたい」と思っており、ただ単に広くするだけの工事だけで済ませてしまうと後悔することになってしまう。

家族が集まるLDK特にリビングを広くしたいと思うのが、共通した要望なのですが・・・。
ではなぜ、後悔することになってしまうのか?

それは、LDKやリビングを広くしたいという気持ちが強く収納スペースを削ったプランになってしまったからです。

収納スペースがないことで広くスッキリしたLDKを確保することができます。最初はきれいであっても生活しているうちに、どんどんものに占領され気づいたら足の踏み場もないほどに。

片付けられる収納スペースがあればまだ良いのですが、そのスペースがない・・となれば選択枝として「捨てる」「タンスなどを購入する」のどちらかになります。

多くの方が、収納家具を購入するという結論になり、結局のところLDKが狭くなっていく。リフォームする際に収納スペースをプランの中に盛り込んでおけば良かったと。
上記で工務店さんの意見を見て「なるほど」と思ったのは、収納スペースがなく後悔することではなく、「生活しやすい収納スペース」という考え方にあります。

生活しやすい収納スペース

掃除機や季節外れのストーブなど大型の電化製品や家族のアルバム・雑誌といった書籍、乾電池・爪切りエンピツや消しゴムなど家族みんなで使うものはどこにしまっていますか?

基本的に家族ひとりひとりの私物は寝室や子供部屋の収納にしまうのが普通です。

ですが、家族みんなが使うものをしまう場所って意外とない。リビングやダイニングなど空いてる場所にばらばらにしまっていることが多くないですか?

これでは、LDKが狭くなってしまうばかりですし、ばらばらにしまっていると使いたい時にどこにあるか分からず探さないといけない。

探しているうちにまた散らかってしまうという悪循環。
リフォームによってリビングやダイニングを広くするだけでは、このようなことになってしまうので注意しないといけません。

そこで、生活しやすいLDKにするため家族みんなが使う生活道具をまとめた収納スペースを設ける。

このスペースがあるだけでどこに何をしまえばいいのか全員が把握することができ片付いたと喜ばれることが多い収納法です。

収納の中でも難しいと言われているのが衣類。
「衣類を収納するのが難しい?」と疑問に思ってしまいますよね。

衣類の収納というと洗濯やクリーニングした後の衣類と考えてしまいそうですが、そうではなく一度着た服を数日後にまた着る衣類を指しています。

例えば、家に帰ってきた後、コートやスーツ・ジャケット・制服などはどこに置きますか?
リビングのソファやダイニングの椅子に掛けて「後で片付ける」のまま放置。気づいたらコートの上に別のコートなどが重なって着たい時に見つからなかったりシワシワになってしまっていたりすることも多いのではないでしょうか。

「家族みんなで使う収納スペース」には家族で使う生活道具の他に、数日分の衣類を一時的に置くことができるスペースを確保する。

つまり、仕事や学校から帰ってきた後、スーツや制服など一時的にしまい部屋着に着替える。
家族ひとりひとり個人が収納する場所を決め、3着・4着と置く数も決めておき、それ以上になったら自分の部屋に戻すか入れ替えるサイクルを作るとリビングやダイニングが衣類でどっさりということがなくなります。

またリビングやダイニングで読む雑誌や小説・趣味の道具などもここにしまうことができます。

生活しやすい収納スペースについて

生活しやすい収納スペースの間取りをいくつか紹介しておきます。

◆廊下からアクセスするWIC(ウォークインクローゼット)
cl-1
廊下からアクセスするタイプの独立したウォークインクローゼット。
画面上の左側に家族の衣類を置く棚やハンガーパイプを取り付けています。棚は自由に高さを設定できるよう可動棚とする。

右側を掃除機であったりトイレットペーパーや洗剤など主婦だけが使うものではなく、家族全員が無理なくムダなく物の出し入れができるようにする。
cl-2

◆LDK内にあるWIC

cl-3

◆CL

cl-4

家族の衣類や趣味の道具などを置くスペースは以下のように考えよう!
ハンガーパイプに普段着やスーツ・制服など掛け、その下部には棚を配置していく。

cl-5

棚に引き出しの箱をつけることもできます。表面に色をつけることでインテリアにもなります。

cl-6

仕切りの幅はだいたい40cm~50cm程度ですが、家具ショップやホームセンターなど市販で売られているカゴを使うのであれな、そのカゴの横幅・高さ・奥行を施工会社に伝えておきましょう。

cl-7

このように具体的にプランを考えると家族会議も具体的になる。
例えば

「お父さんは、スーツをソファーに置くことが多いけど、お兄ちゃんは自分の部屋で制服から部屋着で着替えているよ」
お母さん
「じゃ~【生活しやすい収納スペース】にお兄ちゃん用のスペースが必要か聞いてみないとね。」

「私は、ほしいな。夏場はあまり使わないかもしれないけど冬場は、絶対必要。」

お兄ちゃんが学校から帰ってきたのでお母さんがお兄ちゃんに質問
「お兄ちゃんは「生活しやすい収納スペース」にお兄ちゃん用のスペースほしい?」
お兄ちゃん
「ん~特にいらないかな。でも風呂から上がった後、近くに下着を置くスペースはほしいな。」
といった具合に収納プランを具体的にしていくことで家族全員が自分たちの生活スタイルを具体的にイメージし、そのイメージに対して「何があれば良い」かがハッキリと見えやすくなります。
上記のたとえで言えば、お父さん・お母さん・娘さんは【生活しやすい収納スペース】がほしい。お兄ちゃんはいらないけど洗面脱衣室に下着を置くスペースがほしい。となると洗面脱衣室にお父さん・お母さん・娘さんの下着を置くスペースがあればいいのかを考える。

これから、LDKを広げるリフォームを検討している方、マンションや戸建て住宅のリノベーションを考えている方は収納プランをハッキリさせることで家族みんなが自分の生活スタイルを具体的にイメージし芋づる式に収納プランやLDK・寝室などの間取りが固まっていきます。

まとめ

上記に記載した「生活しやすい収納スペース」を実際に設けようと思うと、どこかのスペースを削ることになります。
希望としては、LDKを広くしたい。そんな中でダイニングやリビングを削って「収納スペース」にするのは抵抗があるかと思いますが、収納スペースを雑に考えてしまうと、後で後悔することになってしまいます。

これから、リフォームやリノベーションを考えている方は、後になって後悔しないよう現在の収納の状況を基準にし、将来を見越してどの程度、収納スペースがあればいいかについじっくり考えてみてください。

ココで紹介した収納法のポイントは、掃除機などの家電製品や家族みんなが使うもの、トイレットペーパー・洗剤などストックするスペースでありまた、一時的に衣類を置くスペースを確保することでLDkが散らからず生活しやすくすることにあります。
間取りに気を取られがちですが、暮らしやすい空間を作るためには収納スペースの確保も欠かせないということを知っておいてください。