マンションの内装を大きく変えたいということでリノベーションを希望された方なのですが、要望の中に狭いLDKを広くしたいというのがありました。
そのプランに対して、クライアント様の意見を聞くため図面などをご自宅に送付。
OKの返事をいただいたので、次にそのプランを複数の施工会社(工務店やリフォーム会社など)に送付し、概算見積やプランに対する意見などを求めました。
数日後、複数の施工会社に送ったプランに対する概算見積書と提案書・各施工会社の自己PRが記載された書類が届けられその内容を見ました。
リフォームやリノベーションを数多くこなしてきた施工会社は、工事に関してだけでなく、多くのクライアント様と話している分、生活空間に対する知識においてもプロだなと何度も感心させられます。
LDKのみのリフォームや住まいの間取りを大きく変えるリノベーションを考えている多くの方が「狭いLDKを広くしたい」「リビングを広くしたい」と思っており、ただ単に広くするだけの工事だけで済ませてしまうと後悔することになってしまう。
ではなぜ、後悔することになってしまうのか?
それは、LDKやリビングを広くしたいという気持ちが強く収納スペースを削ったプランになってしまったからです。
片付けられる収納スペースがあればまだ良いのですが、そのスペースがない・・となれば選択枝として「捨てる」「タンスなどを購入する」のどちらかになります。
生活しやすい収納スペース
基本的に家族ひとりひとりの私物は寝室や子供部屋の収納にしまうのが普通です。
これでは、LDKが狭くなってしまうばかりですし、ばらばらにしまっていると使いたい時にどこにあるか分からず探さないといけない。
リフォームによってリビングやダイニングを広くするだけでは、このようなことになってしまうので注意しないといけません。
そこで、生活しやすいLDKにするため家族みんなが使う生活道具をまとめた収納スペースを設ける。
収納の中でも難しいと言われているのが衣類。
「衣類を収納するのが難しい?」と疑問に思ってしまいますよね。
例えば、家に帰ってきた後、コートやスーツ・ジャケット・制服などはどこに置きますか?
リビングのソファやダイニングの椅子に掛けて「後で片付ける」のまま放置。気づいたらコートの上に別のコートなどが重なって着たい時に見つからなかったりシワシワになってしまっていたりすることも多いのではないでしょうか。
つまり、仕事や学校から帰ってきた後、スーツや制服など一時的にしまい部屋着に着替える。
家族ひとりひとり個人が収納する場所を決め、3着・4着と置く数も決めておき、それ以上になったら自分の部屋に戻すか入れ替えるサイクルを作るとリビングやダイニングが衣類でどっさりということがなくなります。
生活しやすい収納スペースについて
◆廊下からアクセスするWIC(ウォークインクローゼット)
廊下からアクセスするタイプの独立したウォークインクローゼット。
画面上の左側に家族の衣類を置く棚やハンガーパイプを取り付けています。棚は自由に高さを設定できるよう可動棚とする。
◆LDK内にあるWIC
◆CL
家族の衣類や趣味の道具などを置くスペースは以下のように考えよう!
ハンガーパイプに普段着やスーツ・制服など掛け、その下部には棚を配置していく。
棚に引き出しの箱をつけることもできます。表面に色をつけることでインテリアにもなります。
仕切りの幅はだいたい40cm~50cm程度ですが、家具ショップやホームセンターなど市販で売られているカゴを使うのであれな、そのカゴの横幅・高さ・奥行を施工会社に伝えておきましょう。
このように具体的にプランを考えると家族会議も具体的になる。
例えば
娘
「お父さんは、スーツをソファーに置くことが多いけど、お兄ちゃんは自分の部屋で制服から部屋着で着替えているよ」
お母さん
「じゃ~【生活しやすい収納スペース】にお兄ちゃん用のスペースが必要か聞いてみないとね。」
娘
お兄ちゃんが学校から帰ってきたのでお母さんがお兄ちゃんに質問
「お兄ちゃんは「生活しやすい収納スペース」にお兄ちゃん用のスペースほしい?」
お兄ちゃん
「ん~特にいらないかな。でも風呂から上がった後、近くに下着を置くスペースはほしいな。」
といった具合に収納プランを具体的にしていくことで家族全員が自分たちの生活スタイルを具体的にイメージし、そのイメージに対して「何があれば良い」かがハッキリと見えやすくなります。
上記のたとえで言えば、お父さん・お母さん・娘さんは【生活しやすい収納スペース】がほしい。お兄ちゃんはいらないけど洗面脱衣室に下着を置くスペースがほしい。となると洗面脱衣室にお父さん・お母さん・娘さんの下着を置くスペースがあればいいのかを考える。
まとめ
上記に記載した「生活しやすい収納スペース」を実際に設けようと思うと、どこかのスペースを削ることになります。
希望としては、LDKを広くしたい。そんな中でダイニングやリビングを削って「収納スペース」にするのは抵抗があるかと思いますが、収納スペースを雑に考えてしまうと、後で後悔することになってしまいます。
ココで紹介した収納法のポイントは、掃除機などの家電製品や家族みんなが使うもの、トイレットペーパー・洗剤などストックするスペースでありまた、一時的に衣類を置くスペースを確保することでLDkが散らからず生活しやすくすることにあります。
間取りに気を取られがちですが、暮らしやすい空間を作るためには収納スペースの確保も欠かせないということを知っておいてください。