ピットリビングにリフォームするメリット・デメリット

住宅やマンションにしてもリビングはフラットな床にソファ・テーブル・TVボード(壁面収納)という組み合わせが一般的ですよね。

部屋の大きさ形状によって配置やデザインなどは変わるでしょうがリビングのあり方はだいたいどの住まいも共通しています。

一方で変わったプランもあります。

そのプランというのが、床を掘り下げくつろぐ場を造るピットを活用したリビングです。

このページではピットリビングにリフォームするメリット・デメリットについて深堀していきます。

ピットリビングを取り入れた住空間の特徴

https://www.bh-chumonjyutaku.com/

ミキッテンダー

私がこのピットのある空間を初めて見たのは建築家である宮脇さんの作品です。

床を掘り下げ、住み手が工夫することによって色々な使い方ができるしデザイン的な見せ方にしても、アレンジできる。

従来のソファのように決まった使い方がない。

住む人によってピットのある空間は使い方だけでなく表情も大きく変わってくる。

座るための椅子(ソファ)がなくても、生活できるため狭いLDKに取り入れることで有効に空間を活用することもできます。

シーゲッテル

ピットを活用した方の感想は、こたつや共同浴場の湯船の中にいる感覚がする。

また、家族の存在を身近に感じられる暖かい空間を作り出せる。

ソファがなくてもくつろげるしアレンジを楽しめる。といった内容が多いです。

壁を造るわけではなく、ただ単に床を掘り下げるとい簡単な作りなのですが、人に面白い感覚を与えるというのも特徴の一つです。

しかし人によっては、NGということもあります。

理由は床の段差にあります。

このことについては、後程デメリットで詳しくお伝えします。

結論からすると、ピット式のリビングは生活を楽しみたい方に向いていると思います。

使い方は自由で決まりがなく個人の発想によって色々な使い方やデザインを変えることができるからです。

リフォームによってリビングピットを取り入れるなら

リノベーションやリフォーム工事をしてLDKにピットを取り入れるにあたって2つの方法があります。

  1. 床レベルを変える
  2. 造作

言葉だけではあまり伝わらないと思いますので、「床レベルを変える」「造作」それぞれの考え方についてまとめていきます。

床レベルを変える

(建築家宮脇氏の作品から)
掘り下げた床に色とりどりのクッションを置き床の段差を腰掛けとして利用できますし、ピットの中で横たわることができます。

また、壁面収納と関連性を持たせることでTVの設置を含め機能性を持たせることができます。

リノベーションやリフォームによって写真のように床に段差を付ける場合、考え方として

  • 床をあげる
  • 床を下げる

どちらかの工事が必要になってきます。

ここで注意しないといけないのが、天井高です。床レバルを下げる場合には特に問題はありません。

しかし、床レベルを上げるとなると天井高が変わってきます。

建築基準法での居室の天井高は2m10cm以上とされていますが、圧迫感を感じるでしょう。

最低でも2m20cmは確保したいところです。

もし床レベルを高くすることで天井高が2m20cmを切る場合、次に紹介する造作での対応をおすすめします。

造作でリビングにピットを取り入れる

このリビングでは床レベルを変えるのではなく壁面にそって造作によるベンチタイプのソファを設けています。

このようにすることで、床レベルを変えて天井高が低くなることなくリビングにピットを取り入れることができます。

また、ベンチ式のソファの段差を背もたれとして座ることができ、このタイプも住む人によって色々な使い方ができたりデザインにアレンジすることができます。

ピットリビングのメリット

以下にピットリビングのメリットについて詳しく解説しています。

視覚的にリビング空間を仕切ることができる

一般的に視覚的に空間を仕切る場合、壁やパーテーションを設けることが有効ですが、広がりのない窮屈なLDになってしまいます。

ピットリビングにすることによって、段差に合わせてソファなど家具を設置すると視覚的に空間を仕切ることができます。

段差に合わせてソファなど家具を設置するからです。

そのため、LDKがワンフロアであってもメリハリのある空間を創り出すことができます。

インテリアを変えるなどデザインを楽しむことができる

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ピットリビングとダイニングを段差で切り分けることで、アクセントカラーの壁、床(マット)の素材を変えるなどデザインを変えることができます。

またDIYで段差に収納棚を設けるなど工夫するとインテリアを楽しむ事だってできます。

段差を上手く活用して収納にするなど機能性アップを図ることもできます。

模様替えが簡単にできる

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LDKがワンフロアであれば、全体のデザインや動線計画を考えながら模様替えをしないといけません。

ところが、ピットリビングの場合、デザインや動線計画はある程度、決まっています。

そのため、部屋の模様替えが簡単です。

ピットリビングのデメリット

以下にピットリビングのデメリットについて詳しく解説しています。

子供やお年寄りには住みにくくなることがある

段差が転ぶ原因になることがあります。

特に、小さいお子さんや、お年寄りには段差が逆に住みにくくなったりします。

今では、バリアフリーリフォームを取り入れてるご家庭が増えています。

もし、安全性を最重要視するのでしたら、ピットリビングは止めたほうが無難です。

掃除がしにくい

段差があることで掃除がしにくくなることが多いです。

特に、ロボット掃除機を取り入れてる場合には、段差の上り下りができないため、その都度人が持ち運びしないといけません。

リビングピットにリフォーム出来ない場合がある

現状の床下の懐に余裕がなければ、ピットリビングにすることができません。

全体的に床レベルを上げるのであれば、可能ですが、その場合スケルトンリフォームなみの規模になります。

戸建てであれば、比較的ピットリビングにしやすいです。

マンションの場合は、スラブ(コンクリートの床)よりも下げることができないので、難しい場合が多いです。

まとめ:ピットリビングについて

ピットリビングは住まいてをワクワクさせる反面、段差がデメリットになることもあります。

取り入れる際には、ご家族でよく話し合って決めることが大切です。

リフォームするにあたって、戸建て住宅の場合は、床下がある程度確保されてるのでピットリビングを取り入れやすいでしょう。

一方、マンションの場合は、床下の懐がないケースが多いため、ピットリビングを取り入れることが難しい場合があります。

マンションの場合、スケルトンリフォームをお考えなら、一から床レベルを考えることができますので取り入れやすいです。

ピットリビングと似ているスキップフロアについては「スキップフロアのあるLDKにリフォーム!間取りと要注意ポイント」で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。