施主支給を考えているけど、大丈夫かな・・?
施主支給は、支給する製品によりますがリフォーム(リノベーション)費用を抑えることが可能です。
ただ、保証の事など後々、トラブルになってしまうことがあります。
このページでは、施主支給することで、
- どういうトラブルになりやすいか
- 対策
について具体的にまとめています。
また、失敗例もまとめていますので、施主支給を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
施主支給とは?
例えば、古くなったキッチンや洗面台、トイレ、浴室をリフォームして新しい製品を購入し設置するとします。
本来であれば、リフォーム会社がキッチンや洗面台、便器などを発注し、納入されれば設置していきます。
施主支給は、お客様ご自身がインターネットなどでキッチンや洗面台などを購入し、取り付けはリフォーム会社が行うことになります。
施主支給の魅力
- メーカーでは取り寄せできない製品
海外モノは、メーカーでは取り寄せできません。 - メーカー価格よりも安くで仕入れられる
施主支給で安くなる製品(品番)は限られています。
そのため、お客様がほしいキッチンの品番が必ずしも安くで仕入れられるわけではありません。
例えば、海外のキッチンを希望する場合、取扱店というものがあります。
POGGENPOHL(ポーゲンポール)というドイツのキッチンメーカーの場合は、アクタスという家具メーカーが設置することになります。(詳しくは「海外のおすすめ輸入キッチンメーカーと要確認の5つのポイント」でお伝えしています。)
- キッチンだけの交換の場合:アクタスに依頼
- キッチンの交換+リフォームも含む場合:リフォーム会社とアクタスとお客様が協力しあって進めていきます。
施主支給を嫌がるリフォーム会社が多い理由
リフォーム会社が施主支給を嫌がるのは、2つの理由があるからです。
1.施工後の不具合やキズ
不具合
不具合が生じる場合
- もともとキッチンなどの製品自体に欠陥があった
- 工事に欠陥がある
保証や責任があいまいだと、キッチンや洗面台・トイレなど施工後に不具合が生じた場合、工事のやり直しや製品(部品・パーツ)の交換といった費用は、お客様負担となります。
キズ
施工後にキズや欠陥が見つかった場合、現場に到着する前の段階での事なのか、リフォーム後に生じたのか明確することができません。
対策
施主支給品は、製品の保証や、リフォーム後の責任の線引きが明確ではない場合が多いです。
そのため、設備機器を施主支給品を希望される場合は、
- お客さま自身もその製品知識を持っておくこと。
- リフォーム会社さんや、販売元と打ち合わせをし、責任についてしっかりと明確にする
必要があります。
搬入や納品のタイミング
リフォーム会社が発注となると、取付時期を先読みし納品する時期を決めることができます。
しかし、施主支給となると納品のタイミングがズレこむことがある上に製品は、玄関先までで、現場内には持ってきてくれないことがあります。
対策
搬入時期や設置場所までの搬入について、リフォーム会社や販売元と協議しておく必要があります。
リフォームで施主支給しやすいもの
製品によって、施主支給しやすいものと、そうでないものがあります。
施主支給しやすい製品
- 照明器具
- カーテン
お客さまご自身で取り付けられる製品は、施主支給しやすいです。
施主支給しにくい製品
大掛かりな工事を必要とする
- キッチン
- ユニットバス
- 洗面台
といったものは、取付に要する工事がからんでくるため施主支給しにくい。
キッチンや洗面台・トイレ等の施主支給した際の保証問題
リフォームやリノベーション工事をした後、何かしら不具合が生じると、リフォーム会社会社や、各メーカーが対応するのが一般的です。
通販で販売して会社は一般的に責任を取らないので、クレームなどで問い合わせしても対応してくれないところが多いです。
住宅設備を通販で販売している会社の中には、保証付きのところもありますが、そうでないところもあります。。
このような保証の問題もあるため施主支給する場合には、お客様だけで購入を決めるのではなくリフォーム会社にも相談することをおすすめします。
リフォームで施主支給した失敗例
以下、リフォーム会社・お客様から聞いた施主支給失敗例。
発注ミス
キッチンや洗面台など設備機器は、品番が違うだけで、計画していた製品とは違うものが届くことがあります。
例えば、壁の位置や作業性からコンロの位置は右側タイプを選んだのに、一文字の品番を間違えることで、左側にコンロがあるキッチンが届いてしまいます。
色にしても同様で、キッチンや洗面台など壁の仕上がりに合わせた色で発注したはずが、全く異なる色のキッチンや、洗面化粧台が届くということもあります。
リフォームやリノベーションをして環境を一新するはずが、これでは後悔しか残らない・・・。
こうなった場合、返品し再度新しいキッチンや洗面台を発注し直さないといけません。
良心的な会社であれば、返品送料と交換手数料のみで済む場合もありますが、そうでない場合は、違約金など発生することも考えられます。
このような、発注ミスをした場合のことも考えないといけません。
費用を重視した結果、計画通りにいかなかった例
間取り変更と共にキッチンの取り替えが伴うリフォーム工事を予定し、A社の施工会社に現地調査の上、見積書を作成。
この時、キッチンは施主支給とすることや、工事の流れから納入時期、壁の仕上がりの取り合い部や床との取り合い部の調整など細かく打ち合わせしました。
予算上の問題から、もう少し工事費用を下げて欲しいとリフォーム会社にお願いしましたが、「工費をこれ以上落とすことはできない」と言われてしまいました。
お客様は、別のB社の施工会社に、A社でやり取りした図面や見積書を渡し、見積を依頼しましたが、A社が作成した見積書と図面を見せれば分かるだろうとお思い、施主支給のキッチンであること・納入時期・壁や床との取り合い部の調整など詳しくは、打ち合わせをしませんでした。
出てきた見積書はA社の見積書よりも安い。
お客様はB社と契約しリフォーム工事を依頼しました。
しかし、床、壁との取り合い部・給排水管の接続など、仕上がりを含めて工事は、全てが中途半端の状態。
というのも、現場調査をし、お客様と詳細の打ち合わせを重ねたA社でしかしか知らない事は、当然、B社は把握できません。
結果的に、工費はA社の見積価格よりも大きく高くついてしまいました。
お客様自身で設備機器の知識があり、Aが作成した図面や見積書を見せるのではなく、B社にも現地調査の上、図面や見積書を作成してもらい詳細の打ち合わせをしていれば、費用を無駄にかけずに済んだかもしれません。
リフォームやリノベーションは買って取り付けるという単純なものではないため、施主支給という手段をとるのであればケースバイケースとなることになります。
まとめ:キッチンや洗面台など施主支給は注意しないといけない
施主支給品は、お客様にとって費用を安くするというメリットがあります。
ただ、支給品にキズがついていたり、正常に動かなかったりすることもあり、そういう時の責任問題をどう納めるかが非常に困難です。
ただ、施主支給しやすい商品もあります。
例えば、照明器具などお客様自身で取り付けることができるものです。
一方で、施主支給でトラブルになりやすいのは、お客様以外の手で取り付ける必要があるキッチンや洗面台などです。
もし、キッチンなどを施主支給する際は、万が一に備えて設備機器の取り扱いについてメーカーや運搬業者と十分に話し合いする必要があります。
参考に施主支給せずにLDKのリフォームをした場合の金額について「キッチンリフォーム費用の相場【I型⇒対面式ペニンシュラにして内装も一新】」を参考にしてください。