一日の疲れを癒す場である浴室。浴室リフォームを検討している方の多くがこだわりを持っています。
浴室をリフォームするにあたって2種類の施工方法があり、ここではこの2種類の施工方法にピントを絞っていきます。
浴室のリフォームは2種類に分けられるのですか?
そうですね。ハーフユニットも入れると3種類になりますが、ここでは、在来工法の浴室とユニットバスについてお伝えしていきます。
TOTOやリクシルなどショールームでよく見かけるのはユニットバスで需要が多い。対して在来工法はデザインや素材の質感を求める人に受けが良い。
在来工法の浴室の特徴
在来工法では、防水下地をした土台の上に浴槽を設置。壁や床は、防水下地の上にタイル等を貼って仕上げていきます。壁と床との取り合い部や、浴槽と床との取り合い部はコーキングやセメントで密閉するため湿気が内側に入らない。 |
在来工法は湿式工法とも呼ばれ、昔ながらの工法で、高さ1mくらいまでコンクリートブロックやコンクリートで防水下地を作りその上にタイルなどを貼って仕上げていきます。
在来工法の浴室は工期がかかる
複数の工程が必要であるため工期がかかります。工事日数は10日~20日程度。ユニットバスはパーツを組み立てて終わりであるのに対して在来工法の工程はというと
- 高さ1mくらいまでコンクリートブロックまたはコンクリートを打設
- 浴槽のベースを作り排水管の調整
- 浴槽を据え排水の最終調整
- 洗い場部分の下地調整(埋め込みと転圧)洗い場の排水はここで調整
- 床のコンクリートを打設
- 天井裏の電気配線や換気扇などつける場合は配管し天井を貼る
- 壁下地をこさえて防腐処理をほどこし、アスファルトルーフィングを貼って防水処理をします。
- タイル割りを決めて壁⇒床の順番でタイルを貼り仕上げていきます。
- 浴槽際などシーリングを行ったあと照明や水栓金具をつけて終了です。
流れとしては、おおざっぱにまとめていますがこのようになります。
在来工法は、ユニットバスのように一気に取り掛かることはできません。コンクリート打設した後は、時間をおき一つ一つの工程をしっかりと踏まえて作っていくため工期がかかる。
防水性が劣る
ユニットバスよりも防水性が劣ります。徹底した防水処理を行わないと漏水の原因になってしまいます。
2階以上の階に在来工法の浴室を設けるのが難しいのは、防水処理が難しいからです。
在来工法の浴室へリフォームする場合は、実績があるリフォーム会社にお願いすることです。
もし、戸建て住宅で2階以上の階に浴室を設ける場合には、防水性に優れたユニットバスがおすすめです。
デザインや素材の質感を求めるならハーフユニットタイプ。
TOTOのハーフユニットバス
素材に関する知識が必要
タイル貼りが主流ですが冬は冷たい。床材としておすすめなのは、コルクタイルがいいです。タイルのように冷たくない上に弾力性もあり保温性もあります。
壁・床はタイル貼りとして浴槽部分を檜というのも趣があります。
ただ、手入れがちょっと大変で、入浴以外は乾燥させなければいけません。直射日光による乾燥は表面にひび割れが発生しやすくなり紫外線による劣化もあります。日陰で風通しがいいのがベスト。
このように快適性を求めるためには、素材に関する知識が必要。設計者と話し合いながら決めていきましょう。
浴室デザインにこだわることができる
ガラス張り。ヒノキ仕上げ。きれいなタイル仕上げなどお客様の好みに合わせた浴室を造ることができます。
自宅で檜風呂とかいいな~!
そうですね。デザインや仕上げを自由に選べるというのが在来工法の最大の特徴であり良いところです。
在来工法のメリットとデメリット
在来工法のメリット
メリットは、全て自由に考えることができるところ。浴槽や窓の位置、壁・床の素材など自由に組み合わせることができ個性を取り入れた世界にひとつだけのお風呂を作ることができます。
また、ユニットバスは窓の位置が決まっていますが、在来工法の場合は自由に決めることができるため、コーナーに設けることもできます。
ちょっとした坪庭を浴室の隣に設け、大きな窓や外に出られるよう扉を付けることで外への広がりを持たすというリフォームもOK。デザインや素材の自由度が高いだけでなくお風呂の楽しみを増やすこともできます。
デメリット
ユニットバスに比べて工期が長くなること。リフォーム費用が高くなる。防水下地に亀裂が生じ水漏れを起こす可能性が出てくる。タイル仕上げの場合は目地やタイルが剥がれることがありメンテナンスが必要になる。
ユニットバスの特徴
土台の上に一枚の防水パンを置き浴槽を設置。浴室で使った水は防水パンより下に漏れることはありませんが、浴槽との隙間から湿気が入り、浴槽の内側でカビが発生しやすくなる。 |
在来工法は、「現場で浴室を作る」のに対し、ユニットバスは「工場によって生産されたパネルを組み立てる」ことで浴室を作ります。
このユニットバスの特徴は
- どのような職人さんが組み立てても同じクオリティを保つこと
- 工場で生産されたパネルを組み立てるだけなので工期が短縮
- コストを抑えられる
- パネルによって形成されているため防水性に優れている
- 実物を確認できるためイメージしやすい
どのような職人さんが組み立てても同じクオリティを保つこと
プラモデルを想像してください。加工や塗装によって完成されたパネルを組み立てるだけ。給排水管の接続やコーキングなど経験を要する工事はありますが、部分的です。このため職人さんの腕に関わらず同じ精度の浴室を作ることができます。
(対して上記の在来工法の浴室は、職人さんの腕によってクオリティは大きく変わってきます。)
工期が短縮
コストを抑えられる
コストに関しては、ユニットバスのグレードなどによっては在来工法のほうが安くなることもありますが、手間を考えるとやはりユニットバスのほうがコストを抑えることができます。
(基本的に手間がかかる工事は金額が高くなります。)
漏水がないよう加工されたパネルによって形成されているため防水性に優れている
ユニットバスは工場で生産されたパネルを組み立てることで完成させていくのですが、各メーカーではパネルをどのように加工すれば防水性に優れるかということを実験・研究しています。その結果、完成したユニットバスであるため防水性に優れています。
実物を確認できるためイメージしやすい
TOTOやLIXILなどのメーカーのモデルルームではユニットバスの完成品を展示しているので住まいのリノベーション(リフォーム)を考えている方はイメージしやすい。
ユニットバスのメリットとデメリット
メリット
「どのような職人さんが組み立てても同じクオリティを保つこと」「工期短縮」「コストを抑えられる」「漏水がないよう加工されたパネルによって形成されているため防水性に優れている」の4点の他に、モデルルームで展示されているため完成がイメージしやすい。またオプションなど付け足しやすいというのもメリットの一つです。
対してデメリットは決められたプランの中でしか選べないため自由にプランすることができない。また、タイルや木など材質の質感が劣ります。また、ユニットバスは漏水対策は優れていてもカビ対策には劣ります。
まとめ
素材やデザインにこだわりある人は在来工法の浴室。
機能性や防水性・快適性をもとめるならユニットバス。
ということか~。
費用に関しては、手間を考えるとユニットバスのほうがコストを抑えることはできますが、自由に材料を組み合わせることができる在来工法も安く押さえることは可能です。
あなたの「予算」と「こだわり」決まっている場合、リフォーム会社もしくは設計事務所にその「予算」と「こだわり」を伝えるといいでしょう。現状の状態をは把握した上でベストなプランを考えてくれるはずです。
浴室やトイレなどバリアフリーリフォーム工事を行うことで補助金や税金の優遇を受けられることがあります。
バリアフリーリフォーム:段差の解消、浴室の改良、通路の幅を広げるなどの工事。
補助金や税金の優遇に関しては
見積費用:水廻りのバリアフリーリフォームと内装を一新
でまとめているので役立ててください。