木造住宅をリフォーム(リノベーション)【できること・できないこと】

木造住宅には、大きく分けると2つの工法があります。

  • 「柱と梁」によって構成されている在来工法
  • 壁・床の面構造によって構成されるツーバイフォー工法

工法によってリフォーム(リノベーション)ができる・できないがある。

ミキッテンダー

木造住宅をリノベーション(リフォーム)しようとお考えの際には、どのような構造でできているのかをまずは、確認しましょう。

木造在来工法の住宅でリフォームできること・できないこと

木造住宅のほとんどがこの在来工法でできており、軸組工法とも呼ばれています。
柱・梁・筋交いといった軸でできているのが特徴。

この在来工法の中には、「真壁」「大壁」の2種類があります。

真壁

真壁の特徴は壁面に柱がむきだしになっており、柱と柱の間は土壁。

ケンチッキー

この真壁工法は、築年数が古いケースが多く地震に弱いという弱点があり、耐震性能を高めるリフォームが必要です。真壁は柱の間に筋交いが入っていないため、横方向による力に弱い。そのため耐震リフォームから進めなくてはいけない。

築年数別リフォームの優先順位

築年数に応じてリフォームの優先順位は変わってきます。
木造住宅の築年数別リフォームの目安【耐震性・断熱性が気になる方は必見】
で詳しくまとめているのでご覧ください。

大壁

大壁工法は、柱をボード(構造用合板)で覆い隠すため、柱が表面に現れません。
そして、この大壁の特徴は、柱と柱の間に筋交いを設けること。

筋交いを設けることによって横揺れに強いつまり、地震に強い住宅ができあがります。

管柱を抜く

在来工法では、柱を抜くことで大空間を作ることができます。
※柱を抜くことによって上からの荷重の負担に耐えられなくなる可能性が大きくなります。そこで、梁補強によって上からの荷重を支える。

カラーフッテル

柱を抜いたら梁の補強が必要と覚えておきましょう!

通し柱は抜けない

管柱 :1階までの柱 通し柱:1階から2階までの1本の長い柱 この通し柱は、抜くことができません。

壁を壊して間取りの変更

木造在来工法では、壁を壊すことはできます。しかし、耐震壁(柱+筋交い+構造用合板)は壊すことができません。

シーゲッテル

耐震壁は、横揺れに対抗するための重要な壁なのです!

階段の移動

間取り変更に伴って階段を移動させることができます。梁の位置によって階段を動かせる場所は限られてきます。

バリアフリーリフォーム

  • 廊下を広くする
  • 和風トイレを洋風トイレにする
  • ユニットバスと洗面室の床レベルを合わせる
  • 床の段差をなくす

など大がかりなバリアフリーリフォームをすることはできます。(廊下を広げる・間取り変更をするは可能ですが、耐震壁は壊すことはできません。)

リフォーム費用を安くする

耐震リフォーム・バリアフリーリフォームをすることで費用を安くことができます。
詳しくは
リフォーム費用を安くする方法【予算超えの対策と注意点】
をご覧ください。

サッシの移動

外壁の窓を新設あるいは移設することはできます。しかし、耐力壁である壁にサッシを新設(移設)することはできません。(サッシの新設・移設に伴って外壁や内壁の補修費用がかかってきます。)

水廻り設備機器の移動

排水の水勾配によりますが、キッチン・バス・洗面台といった水廻り設備を移動すえうリフォームはできる。

追加工事について

キッチンや浴室など水廻りのリフォームを行う時は、追加工事にかかる費用を考えておきましょう。湿気などによって土台・柱などの構造材が傷んでいる可能性が高い。構造材が傷んでいると、補強が必要です。
リフォーム会社に「追加工事が発生する可能性がありますか?」と問うことで答えてくれます。

以上が木造在来工法の住宅でリフォームできること・できないことです。
在来工法は、リノベーション(リフォーム)の観点から見ると自由度の高い工法です。耐震壁があればオールスケルトンリフォームも可能です。

ツーバイフォー住宅でリフォームできること・できないこと

北米に用いられ日本では1970年頃から導入された工法です。
ツーバーフォー工法の特徴は床・壁など面構造でできています。開口部などは、構造計算によるものなので、在来工法のように間取りを変更することはできません。
ツーバーフォー工法は主にハウスメーカーが活用している工法で、ツーバーフォーの構造計算を理解している会社にリフォームを依頼することで間取りの変更などが可能になります。

ミキッテンダー

ツーバイフォー住宅では、構造計算なしには、リノベーション(リフォーム)することはできません。構造計算によって安全と確かめることができれば、間取りの変更・サッシの新設(移設)バリアフリーリフォームが可能になります。

まとめ

木造住宅には、大きく分けると在来工法とツーバーフォー工法の2種類の工法があるんだね。

・在来工法の住宅は、耐震壁や通し柱を残すことで自由にリフォームすることができる
・ツーバイフォー工法では、構造計算なしには、間取り変更・サッシの新設(移設)などはできない。