鉄骨は木材に比べて強度が高く、耐震性においても優れているため、鉄骨造の戸建て住宅をリノベーション(リフォーム)することで、大きい住空間を作ることができ、工場で生産・加工しているため、品質が安定しているのも特徴の一つです。
ただ、構造によって制限されることもあります。
鉄骨造には2つの構造に分けられます。
- ブレース構造
- ラーメン構造
では、この2つの構造について詳しく見ていきましょう。
1.ブレース構造
ブレースというのは筋交いのことで、柱と柱の間を対角線上に取り付けられた補強部材。
筋交いって木造でも耐震補強のため工法としてありますよね。
そうですね。目的は同じです。軽量鉄骨の住宅では、ほとんどがブレース構造を採用。
柱と柱の間に交わされたブレース(筋交い)は耐震壁と呼ばれ、地震や風など水平方向に加わる力に耐える役割があります。
このため、ブレース(筋交い)はリフォームする時に撤去することはできません。撤去することによって建物の強度が弱くなってしまうからです。
全ての壁面にブレースが組まれているというわけではなく、バランスよく要所に設置されています。図面上に記載されていないことがあり、リノベーション(リフォーム)により壁を撤去するとブレースが現れ現場関係者を困らせることがあります。
もし、空間を広くするなどの理由で壁を解体した時、ブレースが現れたら、計画を変更しないといけないとお考えください。
(壁は撤去しブレースを残した状態で、アーテスティックに見せることができます。
ブレースがあるため、通り抜けることはできませんが、工夫一つでインテリアになり開放感を持たせることができます)
2.ラーメン構造
重量鉄骨の戸建て住宅は、ほとんどがラーメン構造です。
ラーメン構造は、柱と梁を一体化し水平方向による力を負担しています。
ラーメン構造はブレース構造と違いブレース(筋交)はありません。
そのため、平面上で障害となる構造材は、柱のみとなります。ブレース構造の場合と異なり平面プランを大きく変更することが可能。
この構造の特徴は、柱の本数が少なく、その上、大きい空間を作ることができます。しかし、柱1本に負担する荷重は大きくなるため、柱と梁のサイズは、大きくなります。
LGS+プラスターボードの内壁は、壊せますが、ALCの内壁は壊せません。 |
外壁の開口部
窓サッシの新設(移設)は可能?
鉄骨造での窓サッシの新設・移設は可能です。しかし、軽量鉄骨にしても重量鉄骨にしても下地を組んでからサッシ取り付けとなり、補修(外壁・内壁)も含めると費用がかかります。
軽量鉄骨では、外壁材にパネルを採用している住宅が多い。
このパネルを取り付けるのに、下地がいります。この下地を鉄骨で組んでいる場合、窓サッシを取り付けるため組み替える必要があります。
重量鉄骨では、外壁としてALCもしくはアスロックがという材料が用いられていることが多い。
ALC・アスロック共に窓サッシを設ける際には、補強が必要で手間がかかる分、費用もかかってきます。
サッシの新設・移設は、外壁に手を加えるため、補修した後に外壁を仕上げていきます。外壁が塗装仕上げであれば全面塗り替えをおすすめします。(一部だけの塗り替えは、手を加えた部分が目立ちます。)
水廻り設備の移設
排水管の勾配がとれれば、キッチンやバスなど水廻り設備の移設は可能です。
鉄骨造住宅のリフォームをどこに相談すればいい?
日本では、木造住宅が主流。そのため、木造のリフォームならできるという会社がほとんど。鉄骨造・RC造のリフォームが不慣れな会社が多い。
これからリフォーム会社を探すという人は、信頼できる会社の探し方について詳しくまとめているので
相談するリフォーム会社の選び方【初めてでも安心のココから】
を参考にしてください。
相見積とは、複数のリフォーム会社に見積を依頼すること。相見積をすることによって、どのリフォーム会社に工事を依頼したら良いかの判断がしやすくなります。
しかし、相見積を行う上で気をつけたい事やタブーがあります。
相見積りでリフォーム費用を比較する時に重要な8つのポイント
では、そのことについて詳しくまとめています。
まとめ
鉄骨造には軽量と重量があり、主に軽量鉄骨ではブレース構造。
重量鉄骨ではラーメン構造が採用されてることが多い。
ブレース構造の場合、ブレース(筋交い)は撤去できない。