住宅やマンションのリノベーション(リフォーム)を考える際、どのようなプラン(間取り)にするか。それに対し費用はどのくらいかかるか。そしてどの会社に工事を依頼するか。

この3つの重要な問題を解決していくために重要なのが見積です。

見積を取ることによって、どのプランなら予算内に収まるかがわかります。

そして、金額だけでなく見積書に記載されている金額・内容や、内訳の説明、質問に対する回答などから工事の依頼先候補を絞ることができます。

では早速、施工会社に見積依頼へ!と行動に移すのはいい事ですが、1社だけでなく複数社(3~5社)から見積を取るようにしましょう。

複数の会社から見積を取ることを相見積りと言います。

複数社から取り寄せたほうがいいのは、比較することができるからです。比較することで、相場というものが見えてきます。

現在ではインターネットで大体の見積金額を知ることができるため、あなた取り寄せた見積書の金額と比べたり情報を得ることでさらに知識を膨らますことができます。
この相見積りは住まいのリノベーション(リフォーム)をする上で欠かせないもので、実際に行う前にルールについて知っておきたいことがいくつかあります。

まず、重要なのは、各施工会社に相見積りであることを正直に伝えることです。マナーですし最初に伝えることで、断る時あれこれ考えなくてもいいので楽になります。

「LDKのリフォーム工事を計画しています。初めての経験でプランや費用のことなど全く分からないため、複数社にプランニングと見積を依頼しているところです。」という感じで最初に相見積りであることを打ち明けましょう。

他にも気をつけたい事や知っておきたいことがあり、そのことについて、まとめているのでマンションや住宅のリノベーション(リフォーム)計画がある方は、これからじっくりと見ていき役立ててください。

相見積りで見積書を比較する時は値引き率だけで判断しないこと

値引きというのは設備機器に多く、よくリフォーム会社の広告やホームページで「一流メーカーのシステムキッチン40~60%大幅値引き」と書かれているのを見たことがあるかと思います。

この値引きの基準となっているのは、各メーカーのカタログに記載されている希望小売価格です。しかし、工務店にしてもリフォーム会社にしてもキッチンや浴室など設備機器を定価のままで売ることはありません。

仮に同じ設備機器であっても工務店やリフォーム会社によって取引する価格は違ってきます。

設備機器の値引きをうたっているリフォーム会社から見積書を取り寄せると「定価より●%(万円)値引き」と記載されていることが多いのですが、これは値引きしていることを顧客にアピールするだけのものです。

そして、値引き率だけを比べても意味がありません。値引きをうたっているリフォーム会社は、工事全体で利益を確保することを考えているからです。
見積書を比べる時には工事内容や各工事の内訳など工事全体を見比べる。設備機器の値引き率や価格だけで判断しないことです。また、設備機器の値引きがある場合には、実物を確認したり性能や大きさ・グレードなど商品が本当にリーズナブルなのかを見るようにしましょう。基本的なことでいいので製品知識を知っておくことと、適正価格を関連しておさえておくといいでしょう。そうすることで、値引きなどに惑わされることなく適正価格かどうかの判断がしやすくなります。
※値引きを理由に、すぐに契約を迫る業者は相手にしてはいけません。

見積内容がバラバラでは費用を比較できない

複数社から見積書を取り寄せれば、比較することができる。確かにその通りですが、内容が一致していなければ比較になりません。

例えば、3社にLDKのリフォーム工事の見積を依頼するとします。クライアント様は要望を各施工会社に伝え、平面プランの作成とその図面に伴った見積書の作成を依頼します。

  • A社・・L(リビング)+DK(ダイニング・キッチン)のプランで壁の仕上げはクロス貼り
  • B社・・LD+Kのプランで壁の仕上げは塗装仕上げ
  • C社・・LDKのプランで壁仕上げは、漆喰塗り

これであれば、比較できるのはプランです。リフォームの工事費用を比較することはできません。

部分的なリフォーム工事であれば、工事金額はそれほど大きく差はでないでしょうが、リノベーションのような全体的な内装工事の場合には、プランによって見積金額は大きく違ってきます。

リノベーション(リフォーム)工事の金額を比較するのであれば、プランを決めそのプランに対して3社に見積依頼しましょう。

そうすることで費用だけでなく工務店やリフォーム会社の技術力や提案力も見えていきます。

安い見積内容を強調し工事金額を下げようとしないこと

小規模なリフォームであれば、それほど見積内容に大きく差は出ることはありません。

しかし、全体的に間取りを変えるリノベーションのような工事であれば、見積の内訳内容に差が大きく出てくることがあります。

3社の施工会社に見積を依頼し出てきたトータル費用は似たり寄ったり。しかし木工事あるいは、給排水工事や内装工事など部分的な工事金額が他の施工会社よりも安いことがある。
例えば3社に見積を依頼します。
A社は、木工事が他の2社(B・C)に比べて安い。しかし3社の工事金額は似たり寄ったり。

ここで、B社とC社にこう言います。「A社は木工事がすごく安い。御社はこの価格で工事することはできませんか?」

工事金額の交渉をする時、他の会社の見積金額を強調し金額調整をするのは、工事に良くない影響をもたらします。また、信頼関係が崩れることがあります。こういう時は金額の交渉を行うのではなく、なぜ安いかの理由をさぐることから始めること。

  • 資材の仕入れが他の会社よりも条件が良いことがあります。
  • あるいは、工事の見落としかもしれません。
理由が分からず金額を出して工事費用を下げようとするのは、施工会社からすれば嫌に感じてしまいます。

もし、このようなことがあればまずは、どうして他の会社に比べてこの会社だけ木工事が安いのか。この理由からあたっていきましょう。そうすることで、しっかりした理由を得ることができ金額交渉のレベルを高くすることができます。施工会社はレベルの高い交渉に焦るかもしれません。あるいはしっかり答えないといけないと思い丁寧に教えてくれるかもしれません。

いずれにせよ、安い金額を強調し工事金額を下げようとするよりまともですし、レベルの高い交渉をすることで施工会社の技術力やリフォーム(リノベーション)工事に対する意識を知ることができます。

著しく高い・安いは何かがある

上記の「安い見積内容を強調し工事金額を下げようとしないこと」に記載している内容に共通していることがあります。

リノベーション(リフォーム)プランが同じであっても見積書を比べて見ていると、工務店やリフォーム会社によって工事金額はそれぞれ違います。

個人的な意見ですが、空間構成やデザインに力をいれている設計事務所からの工事を受注している会社は工事費用が高いです。だからと言って、高い工事金額なら良いというわけではありません。過去の施工実績などを見ながらトータル的に判断してみないと分かりません。
逆に安いに越したことはないという考え方も危ないです。
3~4社から見積を取り寄せ比べてみたり施工会社に質問し得られる回答から、大体ですが「相場」というものが見えてくるかと思います。

その中で極端に安い金額を提示した会社があれば、飛びつきそうになるかもしれませんが、まずはその気持ちを押さえて、どうしてそのような見積金額になったのかを尋ねることです。

尋ねた結果、ハッキリした理由が得られないのであれば、工事金額が一番安い会社であっても工事を依頼する候補から外したほうが良いです。著しく工事金額が安く、安い理由があいまいというのは手抜など何かがあります。

他の工事会社に見積書を見せる

見積を依頼し、出てきた見積書を他の施工会社に見せるのはマナー違反です。間違いなく他の会社は、別会社の見積金額よりも安く金額を設定するのは明らかです。

また、別会社が作成した見積書を見て、その金額や工法などを参考に見積書を作成する会社は、いい加減な会社が多いです。マナー違反をしそれを快く受け取る会社は信頼できるでしょうか?

また、金額や工法・提案などを他のリフォーム会社などに見せてしまうことで、その金額や工法・プランがスタンダードとなり以後の見積では金額や工法・提案などに差がでなくなるので相見積りをし比べる意味がなくなります。

このため見積書の公開は絶対にしてはいけません。

比べる会社は多いほうがいい?

相見積りをする時、比べる会社が多ければそれだけ比較の精度が高まる。このように考える方は少なくありません。目安としては3~5社から絞り込んでいくのがいいのですが、多い方がいいのではと質問を受けることがあります。

確かに比べる会社が多いとそれだけ精度は高くなりますが、それは見積をしっかりと把握し比較することができればの話です。

把握できないのに見積を依頼する会社を多くするとどうなるか?まず見積の内容を把握するのに疲れ、混乱にしてきます。

また、各会社との打ち合わせをすると、さらに見積り内容や打ち合わせ内容がごちゃ混ぜになり何を基準に施工会社を選べな良いのか分からなくなりリノベーション(リフォーム)工事自体が嫌になってきます。

見積内容や打ち合わせ内容がごちゃ混ぜになることで、他の会社に情報が漏れてしまうことにもなります。小規模のリフォームでも7~9社に見積を依頼し、それぞれを把握するのは非常の困難です。

このため、会社の選定は多いほうが良いのではなく見積内容をしっかり把握できる数(3~5社程度)が求められます。

見積の内訳が「一式」でまとめられている

複数社に見積依頼をすると、中には内訳を「一式」でまとめている会社があります。トータルの工事金額を確かめるなら、この一式でまとめられた内訳でも問題はありませんが工事内容を確かめるのであれば細かく内訳を記載してもらうよう頼まなければいけません。

工事が非常に小規模の場合には、「一式」でまとめられることがあります。小規模であっても遠慮することはありません。一式の内訳を明記してくださいと伝えるといいでしょう。
もし一式の内訳を記載してほしいと伝え、あいまいな説明であれば工事範囲をしっかりと把握していないなどで後々もめることにつながることがあります。

相見積りをしているなら、内訳の内容もしっかりと見ておき分からないことは説明を求めましょう。

「一式」などあいまいな説明であれば工事の依頼候補から外すほうが無難です。

相見積りをした結果、選ばれなかった会社への断り方

このページの最初に見積りを取るにあたって正直に相見積りであることを伝えるようにと記載しています。

マナーであることと断る時に理由をあれこれ考えなくて済むからです。

当サイトを活用した方の大半は、断りの連絡をいれることに抵抗を感じ、当サイトから施工会社に断りの電話を入れています。

ただ、中には自分で伝えますという方がいらっしゃいます。その方々から受ける質問が電話で?それともメールで?ここに悩むそうです。

当サイトから施工会社に断りの報告をする時は、電話にしています。しかしクライアント様から施工会社に断りの連絡をする時、メールで十分です。と答えています。

お世話になります。

見積を依頼した●●(クライアント様)です。

この度は、見積書をいただきありがとうございます。
質問に対し分かりやすいご返答など●●会社さんの誠意を感じました。
家族で慎重に話し合った結果、プランニングを重視することになり誠に残念ですが見送らせていただきます。
色々な提案や質問に対する回答をいただきありがとうございました。
また別の機会でご提案をお願いさせていただく際は、声をかけさせていただきますのでよろしくお願い致します。

まとめ

施工会社と連携し住まいのリノベーション(リフォーム)計画を進める出発点は見積にあると考えています。

工事費用が分かるだけでなくやり取りをすることで各施工会社の技術力であったり相性などが見えてきます。

注意したいのは相見積りが単に工事費用を安くするための手段。または、工事費用が安い会社を探すための手段。

ではないことを知ってください。

確かに工事費用は安いに越したことはないでしょう。予算ギリギリなら余計に費用に意識がいきがちになってしまうのは分かります。しかし、相見積りの目的は費用だけという思いで行えば、人間関係や工事計画に対する計画は単純でつまらないものになってしまいます。

あなたやご家族とマッチした施工会社を見つけるための手段であることを忘れずにこれからのリノベーション(リフォーム)計画を進めていきましょう。