マンションや、戸建て住宅、店舗などのリノベーション・リフォームをするにあたって、費用を知る見積書の確認は、計画を進める上で欠かせないもので非常に重要な過程の一つです。
この見積書ですが、内訳の明記が一切なく「一式」でまとめる悪質なリフォーム会社がいます。
何、どのくらいのお金がかかってトータルいくら。
という風に明記するのが良心的なリフォーム会社の見積書です。
このページでは、「一式」でまとめられた見積書であった場合、どのように対処すれば良いかについて具体的にまとめています。
リフォーム工事の見積書に記載された一式という表現
見積書の中には、各工程ごとに見積り金額が記載されています。
見積書は、木工事や内装工事、塗装工事、住宅設備工事などそれぞれの工事の内訳を明記し何にどのくらいの金額がかかったのかの根拠を示す必要があります。
その中で、「一式」という表現は非常に曖昧で、どこからどこまでの工事を意味しているのか分かりません。
もし、見積書に「一式」という表現があった場合には、その見積書を作成したリフォーム会社に「一式と明記されている内容を具体的にしてください」と伝えるようにしましょう。
もし「内訳を記載してください」とリフォーム会社に伝えても、応じてくれない場合は、他のリフォーム会社に見積依頼することをおすすめします。
リフォーム会社(工務店や建設会社)によっては、最初に概算見積を出し、その後に正式見積書を出すという流れのところもあります。
概算見積書の場合は、内訳は詳しく書かれておらず、「一式」でまとめられていることが多いです。
※概算見積の場合はどうして「一式」でまとめられているのか?
理由は、建具(扉など)の材質・壁の仕上げ・フローリングの等級など具体的に決まっていないからです。
見積書の中で「単位」には要チェック
赤枠で囲まれている中で【単位】の所をチェック。
上記の写真では単位の項目には【㎡】と記載されています。
この項目が【式】になっていることがあります。
<以下参考例>
各施工会社の見積書の書式によって若干の違いはありますが項目は以下のようになっています。
この中で
【単位】の項目が「式」となっています。
【品名】の項目には「間仕切り工事」と記載されています。
品 名 | 規 格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 |
間仕切り工事 | 式 | 1 |
この【間仕切り工事】の中には、本来【金属工事】と【クロス工事】の内容が入っています。
そのため、
金属工事でかかる見積価格
クロス工事でかかる見積価格
の内訳がなくてはいけません。
金属工事とクロス工事の内訳を省き【1式】でまとめ【間仕切り工事】とされています。
この【1式でまとめられている間仕切り工事】の中には【金属工事とクロス工事】があり内訳で表すと以下のようになります。
品 名 | 規 格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 |
【金属工事】 | |||||
※間仕切り下地 | 65sT303P | ㎡ | 40 | 2,600 | 104,000 |
間仕切り壁 | 石膏ボード12.5mm | ㎡ | 80 | 1,400 | 112,000 |
【クロス工事】 | |||||
クロス貼り | 1000クラス | m | 120 | 830 | 99,600 |
ソフト巾木 | H=60mm | 枚 | 60 | 400 | 24,000 |
※【間仕切り下地】の項目を確認する場合
65STの部材が40㎡設けられられる。
単価2600円x数量40㎡=104000円の費用がかかることになっています。
内訳を記載してもらうことによって一式では分からなかった工事内容を知ることができます。
内訳を確認できれば、見積金額の差を細かくチェックできるだけでなく、工事の抜けも確認することができます。
工事の見落としがあるか「数量」で確認することができます。
見落としがある場合には、数量に記載されている数字が少ない。
また、品名に記載漏れがある。
相見積をする時、見積金額が違う理由にこの「数量」「品名」にあるケースがあります。
細かくチェックしないといけないのですね。
そうですね。
見積書の確認は、けっこう大変ですがとても大切な過程です。
上記の見積書の記載例の中で分かりにくい用語があるかと思います。
【間仕切り下地】の左隣の項目に【65sT303P】と記載されています。
この65sTというのは「65幅の間仕切り下地」という意味です。
↓参考写真
【65sT303P】の303Pというのは30cm間隔でST(スタッド)を設置しますよという意味です。
このST(スタッド)の表と裏面に石膏ボード(壁材)が貼り付けられていきます。
専門用語で分からないことがあれば、どんどん説明を求めてください。
リフォーム会社の対応が面倒そうに答えたりする場合、そのリフォーム会社は候補から外したほうがいいでしょう。
見積書を確認するだけで色々なことが分かるのですね!
まとめ:見積書の中の一式について
「見積書は単に金額を見るだけ」って思ってる人が多いけど、見積書だけでリフォーム会社の考え方や質なんかも知ることができます。
※見積書の書式や、まとめ方は施工会社によって異なります。
上記で記載している見積書の記載例が全てにおいて共通しているわけではありません。
リフォーム会社に内訳を求めても動いてくれない場合は、「一式表記で内訳のない見積書」を参考にしてください。
事例の他にも、相談窓口(電話番号が記載されています)
こちらが求めても動いてくれない場合は悪質なリフォーム会社である可能性が高くなります。
後で、後悔しないためにも「評判の悪いリフォーム業者の見分け方【手口と対策】」は読んでおくことをおすすめします。
逆に評判の良いリフォーム会社の見つけ方をお伝えしておきます。
どのように探すのかについても具体的にまとめられていますで「評判の良いリフォーム会社を選ぶための3つのポイント」をぜひご覧ください。