リノベーションやリフォーム工事を予定している方が知っておきたいお金について疑問をQ&A形式で解説していきます。

1.現場調査やプランの提案にはお金がかかる?

現場調査やプランの提案も最初のうちは、基礎的な内容を把握するためなので無料が多い。ただし、会社によってことなることが多いので、どこまで無料なのかは、しっかりと確認しておきましょう。耐震診断は、検査内容によっては料金がかかります。

2.50%(大幅)値引きは本当?

元の価格が明確でなければ、値引きと言われても分かりません。リノベーションやリフォーム工事というのは、定価で売られている商品ではありません。チラシや営業マンに大幅値引きと伝えられても実際の値引き率は分かりません。

またキッチンやバスなど設備の場合、メーカーのカタログに記載されている価格は、あくまで希望小売価格で、実際にはそれよりも安くクライアントに提供されていることが多い。

仮にシステムキッチンやユニットバスなどで50%や大幅値引きしていたとしても、他の工事でその分を取り戻しています。複数の会社から見積を取り寄せてみると総額の値段は変わらないことが多い。これは、キッチンなどの設備機器で値段を落としていても他の工事で工事費を多く取っているからです。

値引きという言葉には十分に気をつけてください。

3.リフォーム会社で「オプションになる」とは?

リフォーム会社では、材料や工事に対し料金を表すときに仕様を決めていることが多い。
表示料金に含まれている工事や設備に関しては標準仕様。含まれていない場合は、オプション仕様となります。
尚、パンフレットなどに掲載されている材料や設備が標準仕様とは限らないので注意しないといけません。

4.工事費が高いことがある?

見積を1社だけに任せて、そのまま工事へと進む方がいます。1社だけでは、工事費が高いか安いかの判断ができません。このため、見積を複数から取り判断しましょう。
(※注意:営業マンに「安くします」と言われたり極端に安い見積書は危険です)

5.住宅でのリノベーションやリフォームでは、追加工事を考えないといけないのはなぜ?

戸建て住宅の中で特に木造の場合、キッチンや浴室など水廻りでは湿気などによって、構造材(土台・大引・柱)が傷んでいることが多い。この構造材の傷み具合は、壁や床を解体してみないと分かりません。工事を初めてみないと分からないのがリフォームやリノベーションです。構造材の傷みがひどい場合には部分的にカットして、新たな部材に継ぎ直す必要があります。つまり、追加工事となります。
このため、ある程度追加工自分を見込んで予算を考えておくのがいいでしょう。

6.要望が同じでも工事費に違いが出る

要望が同じでも、プラン(間取りや工事内容をまとめた図面等)が異なると工事費や提案に違いが出てしまいます。
このため複数で工事費や提案内容を比べたい場合は、要望をまとめた図面をもとに見積や提案を依頼するのがベスト。

7.チラシなどでよく見かける「パック料金」って?

パックだから安くお得というわけではなく、目安に過ぎない。
チラシなどで見かけるパック料金は標準的な工事費の目安を示したものです。材料料や工事内容が変わればこの「目安」も大きく変わってきます。
パックだからお得と勘違いしないよう注意してください。また、パック料金だからということで、全部できるものではありません。

8.複数の施工会社の見積を比べて一番安い会社を選ぶのは間違ってる?

内容を確認せずに費用だけを確認しても意味はありません。見積を確認するとき、「総額いくら?」ってことに目が行きがちです。必ず工事の中身を確認してください。見積書は各図面・仕上げ表などの内容をもとに作成します。
※見積書の内容は、作成した施工会社に内容の説明を求めることができます。説明を面倒そうにしたり、したがらない会社は避けたほうが無難です。(分からないことは遠慮せずに質問しましょう。)
ただし、概算見積では工事内容がないため、一式(総額)でまとめられます。

9.見積書に記載されている「別途工事」って?

別途工事は必要な工事では、ありますが見積書には含まれていないという意味です。施工会社にもよりますが、例えばキッチンや浴室などを設置しますが、ガスや水道管の接続は別の会社が行ったり、解体した時の廃材処分が別の会社が行うなど色々なケースが考えられます。契約までに見積書を確認し別途工事に含まれている工事を把握しておく必要があります。
別途工事・思い込み・追加工事などリノベーション・リフォーム費用の確認で注意した事
も合わせてご覧下さい。

10.坪単価の安い方を選んだほうが得

坪単価は価格の目安になりますが、損得は工事の内容次第です。
坪単価というのは、工事費を床面積で割って1坪(3.3㎡)あたりの単価を出したもの。マンションや住宅をまるごとリフォームする場合によく使われています。
【例】
坪単価15万円で床面積30坪の場合、450万円となります。坪単価によって総価格を見比べる場合には確かに比較しやすいですが、工事費用が高いか安いかは、仕上げ表やプランなどを見て工事内容を見比べてみないと、高いのか安いのか本当のところ分かりません。

11.複数の会社の工事内容や見積金額を比べるためには?

現状の不満点、要望、仕上げの材料(設備機器)などプラン(図面)をまとめ、予算を書き出し、複数の施工会社に同じ条件で見積書を作成してもらうことです。
【例】設計事務所にプラン(図面や仕上げ表)を作成してもらい、できた図面などをもとに複数の施工会社に見積書を作成してもらう。
それぞれの施工会社が独自のプランを考え見積書を作成するなど条件が異なれば、プランの比較にはなっても、工事費や工事内容については比べることはできません。

12.工事費を正確に知るためには?

施工会社を呼び、リノベーション(リフォーム)する住宅(マンション)の現場調査をしてもらいます。そして何をしたいか(間取りの変更・キッチン等の設備機器の交換)を伝えてを作成してもらいます。そのプランに対して見積を依頼することで正確な工事費用を知ることができます。

(概算見積では、正確な金額を知ることができません。概算見積は仕上げの品番など細かいことが決まっていないため分かるのはおおよその工事費用です。)

13.見積金額が予算を超えた時の対策

予算を超えた時には調整をしなければいけません。仕上げ材料や設備機器のグレードを下げたり、要望の中で一つ諦めるのが一般的なコスト調整の方法です。リノベーションやリフォームを考えている多くの方が見積が出た段階でコスト調整を行います。あらかじめ、要望に1~3位くらいの順位をつけ優先順位を明確にしておくことで作業がスムーズに進行します。
(※仕上げ材料などのグレードを下げてコストダウンする方法以外に、工事内容によって調整することもできます。このため施行会社とよく話し合いながら調整していきましょう。)
リノベーション・リフォーム工事の費用を安くする3項目
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14.仕上げ材料の値段が違うのはなぜ?

同じように見えても、使用する材料の種類によって大きく異なってきます。例えば銘木から作られた材料は高く一般的に「グレードが高い」ものほど値段も高額になっていきます。
(キッチンや浴室などは機能性によって大きく値段が変わってきます。)

15.なるべく安くリフォーム工事する方法は?

工事費を安く済ませるためには、設備機器や仕上げ材料のグレードを落とすことが一般的。また、「Aの部屋は塗装仕上げ」「Bの部屋はクロス仕上げ」など部屋ごとに仕上げを分けてしまうと、職人さんの数や工程が増えることになるのでコストアップにつながります。また、コストダウンは施行会社とよく話し合いながら進めていくのがいいでしょう。

16.工事費はどこまで値引きすることができる?

最初から値引きを見込んで見積を出す会社もあり「どこまで値引きできるか?」をハッキリさせることはできません。
最初から値引きばかり要求していてはプランが固まりませんし、信頼関係を築くこともできません。値引きは交渉する時期が肝心です。その会社と信頼関係ができ予算をオーバーしている時に交渉するのがよいでしょう。

17.見積書の「一式」記載はダメ?

見積は内訳が明記されているのが原則です。このため、見積書に「一式」と記載されている場合は、その内訳を教えてくださいと質問しましょう。
見積書の確認すべきポイント<リフォーム・リノベーションの費用を知るために>
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18.リフォーム(リノベーション)工事は一回で終わらせたほうが得?

何回かに分けて工事するよりは、一回で終わらせたほうが得です。分かりやすい例として、屋根工事と外壁の塗装工事を予定していた場合、一度に済ませたほうが足場代が一回で済みます。また、ゴミの処分大や養生・職人さんの手配などを考えると、数回に分けてより一回にまとめたほうが良い。(お子さんの成長に合わせてなどの場合は別です。)

19.建築家(設計事務所)にリノベーション(リフォーム)を依頼すると高くなる?

建築家(設計事務所)に依頼すると、一般的に工事費用の6~10%程度の料金がかかってきます。建築家(設計事務所)に依頼すると、設計を行い工務店や建設会社・リフォーム会社などから見積を取り、工事を行う会社を選びます。工事が始まると第三者の立場で工事を管理してくれるのでクライアントからすれば安心です。

20.見積を建築士や経験ある人に見てもらえる?

建築士や専門としている方など必要な場合に、アドバイスを引き受けていくれることがあります。地元の設計事務所や施工会社に見てもらうのは、良いですが「この金額より安くでできる」といった売り込みトークをむやみに聞き入れないほうがいいです。

21.キッチンたバスで機能レベルを下げずに値段を落とすことは可能?

設備機器は機能性の高さによって値段は大きく変わってきます。機能を下げずに値段を落とすためには、キッチンであれば収納扉の仕上げ材やワークトップの材質のグレードを下げる。バスであれば、壁・天井の仕上げ材や浴槽の材質を下げるといった方法があります。見栄えを気にせず機能本位で考えると価格はけっこう下げられます。

22.追加工事が必要と言われたけど金額は聞いたほうがいい?

追加工事が必要と言われた時は、必ず「何に対して追加工事をするのか(工事の必要性)」「見積書の提出」「契約書の交付」を施工会社に伝えてください。追加工事はサービスではなく、費用が発生します。このため見積と契約書はセットです。また、工事の必要性も確認しておいてください。もし、身近に相談できる方がいましたら「この追加工事は必要ですか?」と聞いてみてください。

23.追加工事を前もって知ることはできる?

リノベーション(リフォーム)は現状の建物を解体してみないと分からないことが多いです。特に木造が多いのですが、湿気によって柱や土台など構造材が痛んでいることが多い。工事が始まってから追加工事が必要と知り、予算やプランの調整を慌ててするより、前もって対策しておきたい。
経験豊富な施工会社は、現地調査で構造の劣化具合を予想できます。このため追加工事に必要な費用を知ることができ前もって対策しておくことが可能です。

24.耐震診断は無料でしてもらえる?

環易診断であれば、無料で診断を受け付けている自治体が増えているので建築課に相談してみるといいですよ。しかし、この診断は目視や図面上による診断であるため細かいことは分かりません。もし判定が危険と出たら耐震工事を専門としている会社にお金を払って精密検査をしてもらうべきです。その上で工事をするかどうかを判断しましょう。

25.工事費の支払いは工事が終わってからでいいの?

施工会社の支払条件や、金額にもよります。工事費が多額になってくると契約時・中間・竣工後の3回に分けて支払うことが多い。ローンを組んでいる場合は、支払い時期を融資が降りる時期と合わせておきましょう。また、竣工後の支払いは完了検査が終わってからに決めておくことです。

26.リフォーム済みの中古物件と買ってからリフォームするのとでは、どっちが得?

リフォーム済みより、中古物件を購入してからリフォーム(リノベーション)したほうが、100%個人に合わせて工事ができるので得です。リフォーム済みの場合は、気に入らなければ新たに手を加えないといけませんからね。

27.工事中に変更を求めると金額は高くなる?

一旦、工事したものをやりかえるとなると、工事費は2重になります。また材料を発注してしまっている場合、キャンセル料を取られることがある。

28.自分で買った建具や設備機器(施主支給)を取り付けてもらうと安くなる?

モノ自体は、ネットなどで安く売られているのを購入し取り付けを施工会社に頼んでも安くはならないことが多い。施工会社は安くで仕入れることができますし、手間が余分にかかることから費用が発生することもあります。また、施主支給の場合はお客様と施工会社との間で綿密な打ち合わせが必要になってきます。

29.アフターサービスについて聞いておいたほうがいい?

必ず聞いておいてください。アフターサービスの内容や保証については、工事の依頼先を選ぶ基準の一つにしておいてください。