リフォーム(リノベーション)費用を安く抑えたい!
多くの人が予算などの関係からリフォーム工事費用を安く抑えたいと思っているのですが・・。
リノベーションや、リフォームというのは「この工事を止めれば、これだけ減額されるという」商品の売り買いのような単純なものではありません。
それに、仮に費用を抑えることはできても、我慢してしまって満足度が下がり、リフォームしたものの単に綺麗にしましたで終わる人もいらっしゃいます。
このページでは、リノベーション(リフォーム)の工事費用を安く抑えながら、工事後の生活を満足するために知っておきたいポイントについてまとめています。
どのようにすれば減額できるかの考え方についても詳しくまとめていますので、コストをカットしたい方はぜひ最後までご覧ください。
大きく予算オーバーした時にリフォーム費用を安く抑える方法
予算上の関係から、大きく工事費用を安くしなければいけない。
となった時に、どのように対処していくか?
これは難しい問いだな~。
そうですね。
大きくリフォーム費用を安く抑えるためには
- 仕上げのグレードを下げる
- 要望を絞り込む
の2つから考えていくことになります。
仕上げのグレードを下げてリフォーム費用を安くする
素材や設備機器のグレードを抑えることでコストダウンできます。
簡単な例を挙げると
- フローリングの等級を下げる
- 水廻り設備のグレードを下げる
- 漆喰壁をクロス仕上げに変更
などです。
仕上げのグレードを下げる時に気を付けないといけないことがあります。
例えば
- 床材のグレードを下げることで耐久性が落ち・傷がつきやすい
- キッチンのグレードを下げることでワークトップの汚れや傷がつきやすくなる
といったことが考えられます。
そのため、作業性が多い箇所、人の出入りが多い床などは、安易にグレードを落とさないことをおすすめします。
要望を絞り込んでリフォーム費用を抑える方法
要望を絞り込む(諦める)ことで、リフォーム工事が減る分、金額を大きくカットできます。
ただ、やみくもに要望を絞り込むと後々、後悔することになります。
要望を絞り込む時に大切なことは、優先順位をつけることです。
「ココは絶対に外せない」
と優先順位が高いことは工事し、優先順位が低いことは、
- 現状のまま
- DIYリフォーム
という風に、割り切ることが大切です。
また、優先順位が高いのをリフォームすることで満足度が高まります。
優先順位を考えずにリフォームしてしまうと、単に「きれいにしました」で終わってしまいまうことが多いです。
模造戸建ての場合は、お家の寿命にも関係してくるため、優先すべき所からリフォームしないといけません。
リフォーム工事の優先順位をつける考え方については「リフォームの優先順位を決める3つの目安とは」で詳しくまとめていますので合わせて参考にしてください。
部分的なリフォーム工事で費用を安く抑える
次に玄関やキッチン、内装、外壁など部分的なリフォーム費用の抑え方についてお伝えしていきます。
玄関リフォームの費用を安くする
玄関ドアのリフォーム費用の相場:20万円~50万円
(ドア本体・取り付け費用・諸経費など含む)
玄関ドアの枠ごと変えるリフォームでは、取り換え後の補修工事が必要になり30万円~50万円ほどかかってきます。
費用を安く抑えるためには、現在のドアの上から仕上げるカバー工法がおすすめです。
カバー工法であれば、20万円~30万円程度の費用で済ますことが可能です。
玄関ドアと共に内装や下駄箱も合わせてリフォームするとなると30万円の費用が上乗せされます。
(玄関の内装の広さ・仕上げ材によっては高くなります。)
内装リフォーム(壁・天井)で削れるところ
壁・天井の内装工事の費用は、仕上げ材料によって大きく変わってきます。
以下は、主な内装材で仕上げたリフォーム費用の相場(材料費と施工費を含みます)
仕上げ | ㎡単価(材工共) |
クロス | 1,700円 |
塗装 | 2,500円 |
珪藻土 | 6,000円 |
漆喰 | 8,000円 |
珪藻土や漆喰は調湿性があるため健康に気を使っている方に特に人気の内装材です。
内装リフォームの費用を安く抑えるなら内装材をクロス仕上げにすることです。
さらに安く抑えるならDIYという方法があります。
DIYなら珪藻土や漆喰という選択肢が出てきます。
ただ、汚れますし、コテの使い方などコツを覚えるまでがけっこう大変。
特にLDKのような広い面積であれば一人で仕上げるのはハードルが高いです。
塗装であれば養生さえすればLDKのような広い面積でも塗ることは可能です。
フローリング貼りのリフォームの費用の相場:20㎡に対して15万円~40万円
(材料・施工費・諸経費など含む)
フローリング貼りには2つの工法があります。
増し貼り(カバー工法)
貼替
リフォーム費用を安く抑えるなら、増し貼りです。
現状のフローリングの上に新しいフローリングを貼ります。
貼替は、古いフローリングを剥がして新しいフローリングを貼ります。
撤去・処分費がかかりますし、施工費も貼替のほうが高いです。
フローリングのリフォームについては「フローリングのリフォーム工事【費用の相場と種類】」をご覧ください
増し貼り(カバー工法)は、リフォーム費用を安く抑えられますが、古いフローリングの上に新しいのを重ねて貼るため、後々床下の補強をする時は大変です。
キッチンリフォームで予算オーバーした時の対策
キッチンのリフォーム費用の相場:50万円~250万円
(キッチン本体・取り付け費用・諸経費など含む)
コンロのみを取り換える場合は、さらに安く済ませることができます。
加熱防止付きガスコンロに交換 | 12万円(機器代・取付費・諸経費込み) |
IHクッキングヒーター | 24万円(機器代・配線工事・取付費・諸経費込み) |
キッチンはⅠ型が一番安く、次にI型の対面式。
一番高いのは、Ⅱ型キッチンです。
壁付けI型キッチンを対面式キッチンに変える場合は、床をめくる必要がありますのでリフォーム費用は高くなります。
■アイランドタイプ
リフォーム費用などについては「I型からアイランドキッチンにするリフォーム費用の相場(内装も一新)」をご覧ください。
■ペニンシュラ
リフォーム費用などについては「キッチンリフォーム費用の相場(I型から対面式ペニンシュラにして内装も一新)」をご覧ください。
■注意点
Ⅰ型から対面式キッチンにリフォームする時には、「I型から対面式キッチンにリフォーム【後悔を防ぐ4つの対策】」も合わせてご覧ください。
キッチンのリフォーム費用を安く抑えるためには、グレードを低めにするのもいいですが、一つ古いタイプを選ぶという選択肢もあります。
ミニキッチンは、費用を安く抑えることができますが、作業性が悪くストレスがたまる原因になるので、調理をよくするならミニキッチンはやめておいたほうが無難です。
浴室のリフォーム金額を安くする方法
浴室のリフォーム費用の相場:80万円~150万円
(ユニットバス・取り付け費用・諸経費など含む)
浴室には2つの工法があります。
【在来工法】【ユニットバス】の2つ。
ユニットバスのほうがリフォーム費用を安く抑えることができ、上記の80~150万円はユニットバスの価格です。
在来の浴室は、仕上げ素材にもよりますが、100万円~300万円。
中には1,000万円にまで高くなることがあります。
リフォーム費用については「浴室リフォーム費用の相場【在来工法からユニットバスへ】」も参考にしてください!
トイレのリフォーム価格を安く抑える
トイレのリフォーム費用の相場:15万円~50万円
(便器・取り付け費用・諸経費など含む)
古い便器を新し便器(暖房温水洗浄便座)に取り換えるだけであれば、15万円~20万円程度でできます。
最新式は泡洗浄やタンクレスタイプ。
費用は高くなりますし、タンクレスは手洗いが必要です。
トイレのリフォーム費用については「トイレリフォームの費用の相場【便器交換と手洗いも付けた内装工事】」で内訳なども詳しくまとめています。
洗面所のリフォーム工事金額を安くする方法
洗面所のリフォーム費用の相場:20万円~50万円
(機器代・取り付け費用・諸経費など含む)
洗面室のリフォームは、洗面台の交換とあわせて内装を一新する計画が多いです。
洗面化粧台の取り換えだけなら25万円程度でできます。
洗面台は洗面ボウル・鏡・キャビネットが一体化した既製品とオーダーメイドの2つの選択肢があって、リフォーム費用を安く抑えたいなら、標準的な既製品がおすすめです。
既製品の洗面化粧台の標準タイプは幅75cm。
サイズが大きくなるほど費用は高くなりキャビネットを追加していくとさらに高くなります。
洗面室の内装も一新する場合、40~50万円程度です。
壁面収納の取り付け費用を安く抑える
壁面収納の費用の相場:25万円~60万円
(既成の収納ユニット本体・電気工事・取り付け費用・諸経費など含む)
壁面収納には、オーダーメイドと既成の収納ユニットを設置する方法があり、費用は既製品のほうが安く抑えられます。
オーダーメイドでもシンプルな棚だけのタイプであれば、安くすませることが可能です。
既製品+DIYなら費用を安く抑えれて、おしゃれにすることができます。
引き戸、開き戸など既製品のパーツを組み合わせDIYでシンプルな棚板を取り付けることでおしゃれな部屋ができあがります。
このことについては、「リビングの壁面収納リフォームを8つのポイントから考える」で詳しくまとめているので興味がある方は、ぜひ役立ててください!
水廻りの場合バリアフリーリフォームでコストダウン
介護保険について
- 要介護認定で「要支援」もしくは「要介護」に認定されている
- 福祉施設・病院に入院していない
- リフォームするお住まいの住所が被保険者証の住所と同一で本人が居住している
の3つに当てはまり、和式から洋式便器に変えるなど、バリアフリーリフォームの対象となる工事であれば、費用が介護保険から助成されます。
介護保険についてリフォーム会社に相談してください。
介護保険について知っているリフォーム会社であれば、申請など進め方など具体的に知っています。
費用などについては「バリアフリーリフォームの費用の相場【浴室・洗面室・トイレ】」をご覧ください
プロに聞いてリフォーム工事価格を安くする方法
見積書を作成したリフォーム会社にしか分からない減額方法があり、プロ(リフォーム会社・工務店)に聞くと素人では分からない減額方法を教えてくれます。
例えば、
広い現場の場合:資材や人を送り込むことが出来、一気に仕上げることができ、工事費用は安くなる。
狭い現場の場合:仮置きスペースがなく一日当たりに働ける職人さんの数も限られてくる。
となれば作業効率は悪くなって工事費用は高くなる。
「グレードを抑える」「要望を削り工事を絞り込む」というようにお客様自身が見て分かる事と、【見積を作成したリフォーム会社にしか分からない減額方法】があります。
工事中の変更や追加工事を極力なくす
工事中の変更はコストアップのもとです。
着工間近もしくは工事中にプラン変更となると、材料を発注してしまった後であれば、キャンセル分の費用がかかってくるからです。
また、下請け業者への手配などやり直しが必要な場合、無駄に費用が嵩むことになります。
リフォーム優遇制度を活用して費用を安くする方法
リフォーム優遇制度は、大きく分けると2つあります。
- 補助金
- 税制優遇
補助金は、国や地方公共団体から交付されるもの(対象となる工事・期間は地域によって変わってきます。)
条件を満たすリフォームをすると税金の優遇が受けられる。
(対象となる工事などがあります。)
補助金制度からリフォーム金額を安く抑える
工事費の一部を補助する補助金制度。国や地方公共団体が推進しようとする性能の高い住宅を普及させることなどを目的としています。
お住まいの地域によって対象となる工事、性能基準、対象期間が異なります。
リフォーム補助金については、お住まいの地域の自治体に連絡する。もしくは、ネットで検索する方法があります。
ネットで検索する場合には、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のホームページで確認することができます。
税金の優遇を受けてリフォーム価格を安くする
減税の対象となるリフォームを行うことで、税金の優遇を受けることができます。
対象となる税金の種類は、5つあります。
申請先や減税期間はそれぞれの制度によって異なります。
5つの優遇税制
- 所得税の控除
- 固定資産税の減額
- 贈与税の非課税措置
- 登録免許税の軽減
- 不動産所得税の特例措置
5つの優遇税制については、【P26-39 リフォームの支援制度:減税制度/補助制度/融資制度】で詳しく記載しています。
所得税の控除
省エネリフォーム、耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、長期優良住宅化リフォーム、その他の一定の要件を満たした増改築工事をする場合、要件を満たしていれば税務署への確定申告をすることによって所得税が安くなります。
所得税の減税には3つ。
- 投資型減税・・控除対象限度額を上限として工事費用の数%の所得税額が安くなる
- ローン型減税・・工事費用の数%の所得税が安くなる
- 住宅ローン減税・・ローン型減税と似ていますが、住宅ローン型のほうが限度額が大きく所得税が安くなる期間が長い。
単に期間が長いという理由で決めるのではなく、詳細を把握した上で決めてください。
「何%」所得税が安くなるかについては、上記で記載している【一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のホームページ】で具体的に記載されています。
(年によって内容が変わってきます。)
注意!!
省エネリフォームとバリアフリーリフォームの投資型減税とローン型減税は、併用することはできません。
しかし、耐震リフォームでは併用可能です。
固定資産税
固定資産税は、保有する土地や建物などの固定資産について、1月1日時点の評価額に応じて課せられる税金(地方税)。
省エネ、耐震、バリアフリー、長期優良住宅化のリフォームを計画している方は、定期用要件を満たすリフォームを行った場合、市区町村などに申告すれば、当該家屋にかかる固定資産税の減額を受けられます。
固定資産税の具体的な減額については、【一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のホームページ】でご確認ください。(年によって内容が変わってきます。)
贈与税
贈与税とは、個人が受けた現金などの贈与に応じて課される税金。
新築・大規模な増改築などを行う時には、多額の工事費用が必要になってきます。
満20才以上の人が父母や祖父母から資金を援助してもらうと一定金額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度があります。
申告期間は、贈与を受けた年の翌年3月15日までです。
対象となる工事・非課税については、【一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のホームページ】でご確認ください。(年によって内容が変わってきます。)
リフォーム費用が安い会社に工事を依頼をする
どのようなリフォーム会社に工事を依頼するかによってリフォーム費用は大きく変わってきます。
大きく分けて4つ
- 【大手リフォーム会社】
- 【中堅クラス】
- 【地元密着のリフォーム会社(工務店)】
- 【大手リフォーム会社】
リフォーム費用が安いのは【地元密着のリフォーム会社(工務店)】。
であれば、リフォーム費用が安い【地元密着のリフォーム会社(工務店)】に工事を依頼すればいいのでは?
そうですね。でも、簡単に決めることはできないのです。
理由は、メリット・デメリットがあるからです。
このことについては、ここでお伝えするとすごく長くなってしまうので「リフォーム会社を選ぶポイントを5つに分けメリット・デメリットから考える」をご覧ください。
相見積からリフォーム費用を安くする方法
相見積をすることによって、リフォーム費用を安くすることができます。
相見積をして見積価格を比較することによって費用が安い会社を知ることができるからです。
また、知識が増えることによって値段交渉がしやすくなるといったメリットもあります。
相見積の注意すべきところと良いところ
ただ単に総額だけを比較すると失敗することになります。
例えば、「大手メーカーのシステムキッチンを大幅値下げ」この文句にリフォーム費用を安くしたい方は、思わず飛びつきそうになってしまいます。
こういう場合、決まってどこかで調整しています。
諸経費を高くするとか。
肝心なのは、キッチン本体価格ではなく、リフォーム全体と内訳。
相見積は、内訳も比較できるため、どこ調整しているのか見抜くことができます。
相見積の良いところは、それだけではありません。
リフォーム会社が提示する見積書の正確性を把握することができます。
1社に絞り込んでリフォーム計画を進めると、リフォーム会社が提示する見積書などの正当性が見えにくい。
しかし、複数のリフォーム会社を見ることによって費用の正当性が把握しやすくなります。
相見積はリフォーム費用だけでなく各々の会社考え方や質など幅広く知ることができます。
一方で、注意しないといけないこともあり「相見積りでリフォーム費用を比較する時に重要なポイント」では、相見積の良さを最大限に引き出すポイントについて詳しくまとめています。
まとめ:リフォーム費用を安くする方法について
工事費用を安くすることは、商品の売り買いのような単純なものではありません。
リノベーション(リフォーム)する目的がブレないよう
リノベーションやリフォーム工事をする目的
優先順位
コストダウンしたい金額(又は予算)
をハッキリさせながらリフォーム会社とコストダウン方法について話し合いましょう。