外壁に白い粉が付いてる・・。 これって汚れ?
外壁を手で触ると白い粉が付着する。
初めて見る方は、びっくりすると思います。
汚れと思い、洗い落とそうとする人が多いのですが、ちょっと待った!
洗い流す事で外壁の劣化(チョーキング現象)を促進させる事になるかもしれません。
このページでは、外壁表面に白い粉が付着する原因と対策について詳しくまとめています。
洗い落とすべきか悩んでいる方は、お家を傷つけない為にもぜひ目を通しておいてください。
外壁の白い粉=チョーキング(白亜化)現象
外壁に付着する白い粉は、チョーキング現象といって外壁塗装した後の劣化現象の一つです。
「白亜化現象」「粉が吹く」「塗料の風化」と言ったりもします。
外壁に白い粉が吹く(チョーキング)原因
外壁塗装の時に塗る塗料は
- 顔料(色を出す)
- 合成樹脂(外壁や塗料を守る)
- 添加剤(塗料の機能の調整)
の3つによって作られています。
塗料を外壁に塗装すると、合成樹脂による塗膜を形成し外壁表面を保護します。
合成樹脂は、紫外線や赤外線・雨風から守るバリアのような機能。
この合成樹脂には種類があり
【アクリル】【ウレタン】【シリコン】【フッ素】
といくつかに分けられ、耐久性が高い合成樹脂ほど外壁表面を長く保護してくれます。
とは言え
この合成樹脂は、日光(紫外線や赤外線)や雨風によって、次第に分解されていきます。
合成樹脂が分解されると顔料が粉化して表面に浮き出てくることになります。
外壁表面を手で触って付着する白い粉は、粉化した顔料なんだね。
チョーキング現象は施工不良が原因で起こることも
チョーキングの原因は、合成樹脂の劣化によるもので5~15年という長い期間かけて現象(白い粉が吹くなど)が徐々に表面に現れてきます。
しかし、施工不良の場合は、もっと早くに劣化現象が現れることになり、目安として塗装したあと1~3年後に粉が吹くことがあります。
- 塗料の攪拌(混ぜ)が不十分
- 塗料と混ぜるシンナーなどの量の配分が間違ってる
- 下地処理が不十分
- 下塗り塗料が中塗り・上塗り塗料と合わない
- 高圧洗浄後、乾燥時間(インターバル)を取ってない
- 下塗りや中塗り後、乾燥時間(インターバル)を取ってない
- 雨や湿気が多い時に塗装を行った
このような手抜き工事をした場合、チョーキングなどの施工不良が起こる可能性が高くなります。
■塗装工事をした後、劣化症状が出た場合
施工不良かどうか判別が難しいこともあり、そのような場合には別の塗装会社に見てもらい客観的な意見を聞くことが大切です。
外壁の白い粉(チョーキング現象)を洗い落としても大丈夫?
チョーキング現象により粉っぽくなった外壁を洗い落とそうとするかた多いのですが、根本的な解決になりません。
上記でもお伝えしてますように、白い粉は塗料に含まれる顔料です。
高圧洗浄を使ったり、ブラシで強くこするなどすると保護膜がなくなるだけでなく外壁下地材を傷つけてしまう可能性があります。
なので、チョーキング現象により粉っぽくなった外壁を洗い流す事は【NG】。
それなら、チョーキング現象が現れた後、どのように対策すればいいの?
チョーキング現象が現れた後の対策は1つ。
外壁塗装をして合成樹脂によるバリアを張ることです。
合成樹脂によるバリアを張ることでチョーキングを防ぎ、さらには、雨水の吸い込み・ひび割れ・塗膜剥離・色褪せなどを防ぐことにもなります。
チョーキング現象を放置しない
繰り返しになりますが、チョーキング現象は、日光(紫外線や赤外線)・雨風により合成樹脂が劣化・分解され、顔料が表面に現れ粉状になる現象。
この状態は、日光(紫外線や赤外線)・雨風から外壁を守る機能がほとんどありません。
この状態を放置すると悪化する一方。
塗膜の機能が損なわれ、外壁材は水を吸うようになり、乾いては水を吸ってを繰り返すことでカビや藻・コケが繁殖するだけでなくクラック(ひび割れ)が入りやすくなります。
チョーキングなど劣化現象を放置するとどうなるかについては「外壁塗装をしないとどうなるの?手遅れになる前に要チェック」で詳しく解説していますので気になる方は参考にしてください。
チョーキング現象は、外壁を守るため塗り替えするサインと思っておいてください。
悪徳業者の場合、「お家が崩れる」といったことを言って契約を急がせます。
悪徳業者の口車に乗らないためにも、複数社の意見を聞き、あなたの予算に合わせた塗装計画を考えてくれる会社を見つけることが大切です。
くれぐれも、焦って契約をしないよう注意してください。
編集者の家は塗膜の保護機能が失われていた
編集者の家は築28年。
12社の塗装会社に見積依頼をして意見を聞くと塗膜は劣化しており、診断結果をまとめると
- チョーキング:小
- 水の吸い込み:有
- 外壁のクラック:有
といったことが分かりました。
チョーキングに関しては、外壁を手で触さってもあまり粉が付着することはありませんでした。
塗装会社さん曰く、チョーキング現象が表れにくい塗料があるようで、ウチがその塗料とのこと。
なので、外壁塗膜の劣化症状を測る場合、チョーキング現象のみで判断するのは、やめておいた方がいいです。
塗装会社さんの診断の中で、外壁にスプレーで水をかけて吸い込むかどうかのテストがありました。
水をはじく場合は、塗膜の保護機能が活きており、吸い込むと保護機能が低下するというテスト。
このテストなら素人の方でも分かりやすいので、チョーキング現象以外に外壁塗膜の劣化症状を測るテストとして覚えておくと外壁の状況を判断しやすくなりますよ。
チョーキングの他に「熱膨れ」といった劣化現象が現れており、チョーキングよりも熱膨れのほうが厄介な問題とのことで心配でした。
幸い、熱膨れに効果的な塗料を熟知していた塗装会社がいたので問題なく外壁塗装を済ませることができました。(詳しくは⇒【実録】スタッコ仕上げの外壁に熱膨れ。塗り替えに使う塗料は?)
まとめ:チョーキングが出たら洗わず外壁塗装で対策
- チョーキング現象は塗料を守る合成樹脂が分解することによって起こる。
- 白い粉を洗い流すのはNG。
- チョーキングが現れたら、複数の塗装会社さんに見てもらいプロの意見を聞いてみる
- チョーキングが出にくい塗料がある。
チョーキングは、すぐに塗り替えする必要はありませんが、早いうちに外壁塗装でメンテナンスすることをおすすめします。
すぐにする必要はありませんが、後回しにすると手遅れになる必要もあります。こんことについては「外壁塗装をしないとどうなるの?手遅れになる前に要チェック」で詳しくまとめていますので、外壁塗装をするべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
チョーキングの事で迷ったら一つの目安として
外壁塗装で使われる塗料は、他にも数百種類もあり、その中から自宅にあった塗料を選ぶのは、とても大変・・。
チョーキングを含め外壁の劣化をきちんと把握するのは難しい
- 築年数
- 外壁塗膜の劣化状態
- 外壁の素材
- 日当たり
- 立地条件
など総合的な判断が必要です。
ヌリカエを使えば、17の選択式の質問に答えることで、外壁の劣化具合(診断結果)を知ることができます。
また、助成金を受けられるかの確認もできるので、時間と手間の削減にもつながります。
あくまで見積サービスとなっていいますので、現状の外壁の劣化状態や、外壁塗装の相場、塗料の比較として使ってみると良いですよ。