【実録】スタッコ仕上げの外壁に熱膨れ。塗り替えに使う塗料は?

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編集者の家の外壁は、弾性(ソフト)スタッコ仕上げ

熱膨れっていう劣化現象が現れていたそうです。

何も対策せずに塗り替えすると、3~5年後に「剥がれる」など施工不良が起きる可能性があるみたい・・

私の家は外装リフォーム
・外壁塗装
・屋根カバー工法
を済ませました。

外壁の「膨れあり」には悩まされました。

このページでは、

  • スタッコ仕上げの外壁に熱膨れがおきる原因
  • 具体的な対策方法

について詳しくまとめています。

約30年、建築設計者の立場で外壁塗装を見てきた編集者が熱膨れの具体的な対策について掘り下げています。
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現在、外壁が弾性(ソフト)スタッコ仕上げという方は、塗料選びが非常に重要になってきます

塗料を間違えると施工不良になる可能性もあるのでぜひ最後までご覧ください。

スタッコ仕上げってどういう外壁?

セメント系や合成樹脂エマルション系などの厚塗り塗材を専用の吹き付けガンを使って吹き付け、石造り建築風の凸凹模様をつくります。

20~30年前はスタッコ仕上げが人気。

このスタッコ仕上げには

  • 弾性(ソフト)スタッコ
  • 無機セメント系、硬質の有機スタッコ

があり編集者の家には、弾性スタッコが吹き付けられてました。

2種類のスタッコの違いは後程、お伝えします。

スタッコ仕上げのメリット・デメリット

メリット

見栄えの良さ

  • デザイン性に優れてる
  • 重厚感・高級感を醸し出す
  • ツヤなしで、ドシっとした存在感

人気の理由がこのような見栄えの良さにあります。

デメリット

汚れやすい

ツヤありのツルっとしたい外壁は、汚れが雨で流れ落ちやすいのですが、スタッコ仕上げは凹凸部に汚れが溜まりやすい。

グレー系は、汚れが目立ちにくい色なので、この色を選ぶ人は多いようです。

石造り建築風の凸凹模様が好みの方は、汚れが目立ちにくい色で仕上げることをおすすめします。

ひび割れやすい

弾性塗料は、一般的にひび割れに追従すると認識されており、それは正しいのですが経年劣化により柔軟性が損なわれていきます。

そうなると、塗膜は硬くなり地震などの揺れでひび割れが発生しやすくなります。

編集者の家も、ボードの継ぎ目部でひび割れが起きてました。

熱膨れ

このページの本題です。

恐らく編集者の家を建てたハウスメーカーは、20年~30年前、このような劣化現象が起きるなど想定していなかったのでしょう。

塗り替え時期になって、この熱膨れの件で揉めることがあると聞きます

弾性(ソフト)スタッコの外壁が熱膨れしやすい原因

40年ほど前は、モルタル外壁が主流でした。

近年は、工期短縮や作業性の良さ・コスト対策からサイディングボードがほとんどのお家に使われています。

工場生産される窯業系サイディングボード。
実は、熱を貯めやすい性質があります

そして、この熱が塗膜を膨らます原因

弾性(ソフト)スタッコと硬質の有機スタッコの違い

スタッコ仕上げといっても熱膨れが起きる塗料と、おきない塗料があります

CHECK

熱による軟化が少ない【無機セメント系や、硬質の有機スタッコ】は、熱膨れが起こる可能性が少ない

一方
【弾性(ソフト)スタッコや、弾性(ソフト)リシン、弾性吹付タイル】は、塗膜が柔らかく熱により軟化してあめ状になり、熱により発生した水蒸気ガスにより気泡が生じて膨らみます

編集者の家は、残念ながら弾性スタッコが使われていました

なので、日光があたる壁面を注意してみると、膨らんでいるのが分かります。

日光が当たらない壁面と比べると、すぐに分かりました。

この熱膨れは、表面に熱を貯めやすく断熱性が高い窯業系サイディングボード・ALC・軽量モルタルなどに多くの発生が見られています

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また、弾性スタッコの他、弾性リシン弾性吹付タイルで仕上げられている場合も要注意!

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「ウチも窯業系サイディングボードの上に弾性スタッコで仕上げられてる・・。」
このような場合、どのように対策していけば良いか、次のステップで紹介していきます。

塗り替え前に塗料が弾性(ソフト)スタッコか確かめる

外壁に使われてる塗料が弾性(ソフト)スタッコか、硬質の有機スタッコか確かめる。

塗膜を爪で押してみてください。

塗膜がふにゃっとへこんだら、弾性(ソフト)スタッコです

無機セメント系や硬質の有機スタッコは、カチコチなのでへこみません。

熱膨れしてる弾性(ソフト)スタッコの2つの対策

熱膨れが発生している弾性スタッコげの外壁には、以下の2つの方法で対策します。

  1. 塗膜を全て剥がして再塗装
  2. 上から新たな塗料で塗装

【1】の場合

  • 塗膜を剥す工費
  • 下地処理
  • 剥した塗膜処分

の費用がかかり過ぎる上に、削る時に出る砂埃を考えると現実的ではありません。

【2】の方法が採用されるケースがほとんどです。

流れは「下地処理⇒高圧洗浄⇒下塗り⇒中、上塗り」

部分的に膨れがひどい場合には、その部分を削り取って、パターンを付けて再塗装という流れになります。

ただ、【2】の方法の場合は、塗料選びが大切

塗料を間違えると2~3年後には施工不良を起こす可能性があるからです

弾性(ソフト)スタッコの塗り替えにおすすめの下塗り塗料

アンダーサーフDS(エスケー化研)

特徴
  • 優れたサーフェーサー機能
    旧塗膜表面に発生したひび割れやピンホールなどを補強
  • 優れた付着性
    架橋技術を用いた強靱な塗膜は、旧塗膜に対して優れた付着性を示す。
  • 優れた透湿性
    汎用の下塗材(シーラー)と比較して高い水蒸気透過性があるので、塗膜の膨れを抑制してくれます。

編集者は、10社に見積依頼をしたのですが、この下塗り塗料を提案したのは、たった1社のみ。

私自身、調べてみた結果、アンダーサーフDSは、熱膨れを起こしてる弾性塗料に1番適した下塗り塗料ということが分かりまし

このことについては、「アンダーサーフDS(下塗り塗料)で外壁塗膜の熱膨れ対策?」で詳しくまとめています。

アンダーサーフDSを塗った後が凄い

弾性スタッコの塗膜は柔らかく、指で押すとグニュっとへこみます。

でもアンダーサーフDSを塗装した後、コンクリートのようにカチコチに固まってしまいました

カチコチに固めることで、熱膨れしない設計になっているんですね。

弾性(ソフト)スタッコの塗り替えにおすすめの中、上塗り塗料

透湿性がある塗料

透湿性というのは、塗膜内部の湿気や熱を外に排出する性能のこと

透湿性がない塗料で塗り替えしてしまうと、塗膜内部の湿気や熱の逃げ場がなくなり、最終的に風船のように膨らんで破裂し剥がれていきます

何も知らずに塗装してしまうと、3~5年後にはこのような施工不良が起きることになります

ツヤなし塗料

ツヤがあると透湿性が悪くなります。

そのため、中塗りや上塗りはツヤなし塗料が良い。

遮熱塗料

遮熱塗料の特徴
  • 太陽光を反射し、熱が壁に吸収されないようにする
  • 熱を反射して遮断する

太陽光の中で熱に変換されやすいエネルギーは、赤外線。

遮熱塗料は、この温度上昇の要因となる赤外線を反射し熱が壁に吸収されないようにします。

熱が壁に吸収されないようにすることで、サイディングボードに熱が溜まることはありません。

なので、遮熱塗料を塗ることによって、塗膜が膨れにくい環境にすることができます

編集者の家は弾性(ソフト)スタッコの上から、アンダーサーフDS+遮熱塗料で熱膨れ対策

熱膨れが発生してるスタッコ仕上げの外壁には

  • 専用の下塗り塗料を使い、透湿性を高め熱膨れを抑える
  • サイデェング外壁に熱が溜まらないよう遮熱塗料を使う

この方法が最も理想的な対策。

サイディングボードに熱を吸収させないようにするため、遮熱塗料のほか、断熱塗料も使えます。

快適性を高める「遮熱」「断熱」塗料は、熱膨れを抑えるという違った使い道があったんですね

アンダーサーフDS+遮熱塗料を提案してくれ内容を別のページ「超低汚染リファイン塗料の見積価格と㎡単価。遮熱性で熱膨れ対策?」でまとめているので興味がある方は参考にしてください。

知り合いの塗装会社さんの中には、熱膨れを起こしてる外壁にパーフェクトトップやパーフェクトセラミックトップGを使ったことがあり、5~6年経過している今、不具合はないようです。

遮熱塗料・断熱塗料

断熱塗料
ガイナ
(日進産業)
遮熱塗料
リファインシリーズ
(アステックペイント)

透湿性が高い上塗り塗料

パーフェクトトップ
パーフェクトセラミックトップG
(日本ペイント)
ファイン4Fセラミック
(日本ペイント)
ビーズコートシリーズ
(スズカファイン)
インディフレッシュセラ
(日本ペイント)
アートフレッシュ
(エスケー化研)

一つの基準として

外壁塗装で使われる塗料は、数百種類もあり、その中から自宅にあった塗料を選ぶのは、とても大変・・。

外壁の素材
外壁塗膜の劣化状態
劣化を対策できる塗料

など総合的な判断が必要です。

診断を行うことで、見積書だけでなく調査報告書もお渡ししますので、外壁の劣化具合(診断結果)や予算に合った塗料を正確に知ることができます。

「現状の外壁の劣化状態」や「外壁塗装の費用」「予算にあった塗料」を知りたい方は、一つの確かな基準として診断をしてみてはいかがでしょうか。

診断についてはコチラ⇒

まとめ

熱膨れが発生しているスタッコ仕上げの外壁には

下塗り塗料
アンダーサーフDS
中塗り・上塗り塗料
遮熱塗料・断熱塗料
もしくは
透湿性のある塗料

下塗りと中・上塗りのダブルで対策することによって、熱膨れを対策することが可能です。

我が家に熱膨れが発生してると知った時には、ショックで焦りましたが、きちんと対策案を考えてくれる塗装会社のおかげで色々と学ぶことができました。

もし、同様の悩みをかかえている方は、ぜひ上記を参考にしてください。