外壁の劣化って、家の長持ちと関係があるのかな~?
すごく関係あります。
外壁の劣化を放置すると雨水が侵入しやすくなります。
雨水が住宅内部に侵入すると、家を支える柱や梁の耐力を根こそぎ奪っていくので、長持ちしにくい家になってしまいます。
そもそも、なんで外壁は劣化するのだろう?
対策ってどのようなことをするのかも知りたい!
という方のために
- 外壁の劣化の原因
- 劣化症状と対策
について詳しくまとめています。
「外壁の劣化が気になる」という方はぜひ、参考にしてください。
外壁が劣化してしまう原因は何?
外壁が劣化する主な原因は
・紫外線や熱
・雨や風・地震
・経年劣化
により異なってきます。
紫外線や熱
紫外線が当たりやすい南側は、北側に比べると劣化の進行が早いのが特徴的です。
南側のほうが劣化進行が早いのは、北側よりもずっと紫外線や熱を受けるからなんです。
紫外線や熱を受けると塗膜が分解していき、
次第に外壁は色褪せて、ひび割れ、チョーキングといった劣化症状が出やすくなります。
南側は、紫外線や熱による劣化が見られますが、北側は、湿気がたまりやすくなることから結露やカビが発生しやすくなります。
雨や風・地震
塗膜で保護しているとはいえ、酸性の雨によって少しずつ影響を受けてしまいます。
その上、台風による強風や地震による自然災害は、塗膜に亀裂をはしらせるなどのダメージを与えます。
経年劣化
塗料は、消耗品で
年月が経つことによって、防水性や塗膜の持つ性質は失われていきます。
そして、耐用年数を過ぎると、ひび割れやチョーキングといった症状が現れやすくなります。
「自然の影響を受けての劣化」と「塗膜そのものの劣化」。 大きく分けるとこの2つが原因なんですね。
そうなんです。 次に、劣化すると、どのような症状が現れるのか?
どのように対策すればよいのか?
についてお伝えしていきます!
外壁劣化の5つの症状と対策について
劣化の症状は主に以下の5つあります。
- 変色、退色
- チョーキング
- ひび割れ
- 塗膜が剥がれる
- コケ、藻
- コーキング
この症状が出たからと言ってすぐに対処しないといけないわけはありません。
そのことも含めて掘り下げていきます!
外壁の劣化症状①:色褪せ(変色・退色)
外壁の色褪せ(色・退色)は劣化の初期症状です。
紫外線の影響を受けておこる症状で、この状態を放置しておくとチョーキングという現象に繋がってきます。
そのため、外壁塗装を行い、新しい膜(塗膜)を作ってあげることで症状を抑えることができます。
すぐに対処しないといけないわけではありませんが、変色又は退色してる状態のままだと、やっぱり見栄えは悪いです。
外壁の色褪せを目立ちにくくするためには、色褪せが分かりにくい色で塗装するのが最も効果的です。
たとえば、ベージュです。「外壁塗装後に色褪せしにくい色は?【塗り替え前に知るべき5つの事】」では、色褪せが目立ちにくい色の他に色褪せにくい色なども詳しく解説しています。
外壁の色決めのヒントにもなりますのでぜひ役立ててください。
外壁の劣化症状②:壁を触ると手に白い粉がつく
この現象をチョーキング現象(白亜化現象)と言います。
塗料が紫外線によって結合力を失い、塗料の成分に含まれる顔料が粉状になります。
外壁が粉っぽくなるのは、塗膜の保護機能が失われ、雨水から家を守る力がほとんどないことを意味しています。
外壁が粉っぽくなったからと水をかけて、粉を洗い流しても解決策にはなりません。 乾けば、また粉っぽくなってしまいます。
チョーキング現象が現れると、外壁材が水を吸うようになってきます。
「雨水で水を吸い、乾く」を繰り替えしていくと、次第にひび割れが起きる原因になります。
また、水を吸った後で乾ききらない状態が長く続くと、カビやコケが発生しやすくなります。
チョーキングが出たからと言って、「今すぐに!」と慌てる必要はありません。 チョーキングについて、もっと詳しく知りたい方は「外壁のチョーキングとは?白い粉を落としても大丈夫?」をぜひご覧ください
外壁の劣化症状③:ひび割れ
外壁のひび割れのことを「クラック」とも言います。
小さいひび割れのことを「ヘアークラック」と言ったりします。
ひび割れでも、大・小によって劣化の進行度は違いますし対処法も異なります。
小さいひび割れ
髪の毛の細さほど(0.3mm以下)の小さなひび割れ(ヘアークラック)は、外壁材のひび割れではなく、経年劣化による塗膜のひび割れの可能性が高いです。
塗膜の柔軟性がなくなったことが原因によるもので
「今すぐに!」と慌てることはありませんが、外壁塗装をする目安になります。
大きなひび割れ
幅が広く(0.3mm以上)、深さ5mm以上のひび割れは、地震など外的圧力によって発生する外壁材のひび割れの可能性が高いです。
モルタル壁の場合は、構造木材の乾燥収縮によって、大きなひび割れが発生することがあります。
外壁材のひび割れは、放置しておくとひび割れが広がり、深くなってしまいます。
雨漏れすることもあるので早急な対処が必要です。
早期対処をすることで価格も安く済みますが ひび割れの緊急度をもっと詳しく知りたい方は「外壁のひび割れ【緊急度チェック】補修方法など建築士が体験談を含め徹底解説」のページで解説していますので、ぜひ参考にしてください。
放置する時間が長くなるほど、大がかりな補修となり、費用もその分かかることになります。
外壁の劣化症状④:塗装が剥がれてる
外壁塗装がボロボロと剥がれたり、水ぶくれのように、ぷくっと膨れ上がったりします。
紫外線などの刺激によって、壁面との密着性が低下すると、このような症状が現れてしまうんですね。
塗装業者の下地処理の不備による場合もありますが、ほとんどの場合が塗膜の耐久性が失われた経年劣化によるものです。
塗装が剥がれたり、膨れ(浮き)たりすると、雨水から外壁を守ることができないので家そのものにダメージが及んでしまいます。
早めに塗装業者さんに現場を見てもらったほうがいいでしょう。
外壁の劣化症状⑤:藻やコケ
塗膜が劣化して防水性が低下していくと、雨水が浸み込みコケや藻が発生しやすくなります。
日当たりが悪い北側は、水分が乾燥しにくく藻やコケが発生しやすくなります。
コケに関しては「屋根に生えるコケ。放置はNGってどういうこと?」で詳しくまとめていますので、外壁や屋根にびっしりとコケがが生えている方は参考にしてください。
外壁の劣化症状⑥:コーキング
コーキングは、家の隙間から雨漏りを防いだり、壁材同士がぶつかって割れるのを防いだりする役割があるんですね。
このコーキングも紫外線や熱によって劣化していきます。
劣化が進行するとコーキング自体が固まり、ひび割れて最終的にポロポロと剥がれ落ちていきます。
コーキングが劣化していくと、ひび割れなどの隙間から雨水が外壁内に侵入しやすくなるので
「今すぐに!」
と急ぐことはありませんが、早めに対処することをおすすめします。
外壁内に水が侵入しやすくなるにつれ、建物構造の劣化にもつながります。
いかがでしょうか? 上記の劣化症状の中で早急に対策が必要になるのが、
この2つです。 劣化症状によって外壁塗装の必要性を確かめるための一つの方法として下記のページも参考にしてみてください。 |
外壁劣化の対策
ここまで、外壁の劣化について詳しくお伝えしてきました。
次に対策についてお伝えしていきます!
コーキングの打ち替え
ひび割れなどの劣化が生じたコーキングは、全て撤去して新しくコーキングを打ち替えます。
既存のコーキングの上から増し打ちする方法もありますが、耐久力は長く持ちません。
コーキングの増し打ちを提案してくる業者がいれば要注意です。
高圧洗浄・バイオ洗浄
外壁に藻やコケが発生している時の対処として、高圧洗浄で対策できます。
高圧洗浄というのは、水を吹き付ける力で汚れを落とす洗浄方法で
汚れが酷い時には、バイオ洗浄というのもあるんです。
藻やコケは外壁の塗膜に防水性がなくなると発生する症状です。
そのため、早めに外壁塗装を検討されたほうが良いですが、とりあえずの対処として高圧洗浄・バイオ洗浄は、対策として使える方法です。
外壁塗装でメンテナンス
外壁劣化の根本的な対策は、あらたに塗膜を形成してあげることです。
塗料には耐用年数があり、寿命というと分かりやすいかと思います。
塗料の耐用年数が長ければ長いほど、劣化の進行を遅らせ、次に外壁塗装するまでの期間を伸ばすことができます。
外壁塗装って、塗料を外壁に塗って終わりなんですか?
外壁塗装は、塗料を塗って終わりではありません。
下地の処理を行ってから塗装します。
高圧洗浄・バイオ洗浄
高圧洗浄・バイオ洗浄は、外壁の洗浄方法です。
しっかりした塗装会社さんでしたら、下地処理の大切さをよく理解されているでしょうから安心です。
外壁に付着している汚れ落としは、とても大切。
汚れが付いてると、外壁材に塗料が付着しにくくなるからです。
お化粧でいうと、洗顔のような役割だね。
上手な例えですね! この下地処理が不十分ですと、いくら高級な塗料を塗っても、塗装が剥がれるなど劣化が早くなります。
下塗り
下塗り材には、シーラー、プライマー、フィラー、サーフェーサーといった種類があり
モルタル、サイディング、コンクリートなどの外壁材に応じて下塗り材も変えて必要があります。
下塗り材を間違えてしまうと、外壁との密着性が悪くなり劣化症状が出やすくなります。
お化粧で言うと、下地クリームといったとですね!
そうですね。 美観や保護というより、最終のお化粧の密着性を良くするためのものだね。
上塗り
以上のような下地処理を行うことで、上塗り用の塗料のパワーを発揮できます。
外壁塗装は一般的に3回塗りが基本です。
前の塗料が乾いていないのに、次の塗料を塗ると水分が膨張して塗膜を押し上げたり、剥がれの原因になります。
ということは、十分に乾燥されてから塗らないといけないんだね。
外壁塗装は、現場の気温や湿度にも大きく影響してきます。
塗料に関する知識や経験も大切ですが、環境条件も考慮できる塗装業者さんが理想的です。
まとめ
外壁劣化の症状を正確に把握することは非常に難しいです。
症状で気になることがあれば、一度診断してもらうほうが無難です。
上記でもお伝えしていますが、外壁塗装をしないまま放置するとお家の寿命にも関わってきます。
放置した場合、どうなるのか?について「外壁塗装をしないとどうなるの?手遅れになる前に要チェック」詳しくまとめています。
時系列の劣化具合が分かりますので、外壁塗装するべきかの判断基準にもなります。