色褪せって、家自体が劣化してるように見える・・。 色褪せない色で外壁塗装したいけど、そんな色ってある?
外壁塗装した後、いつまでもきれな状態を保ってほしいもの。
編集者自身、自宅の外壁塗装をしたのですが
- 色褪せしにくい色は?
- 色褪せしても分かりにくい色は?
など色々と調べたりしました。
ここでは、色褪せの原因をお伝えした後に5つのポイントに分けて対策案を詳しくまとめています。
- 色褪せしにくい色で外壁を塗装したい
- 色褪せしにくくするための対策を知りたい
などについて色々と調べている人には、役立つ内容となっていますのでぜひ、今後の塗装計画に役立ててください。
約30年、建築設計者の立場でお家を見てきた編集者が外壁の色褪せについて掘り下げていきます。
外壁塗装後に色褪せる主な2つの原因
そもそも、色褪せがおきるのはどうして?
外壁を塗装した後、何年もきれいなままで保ってほしいものですが、年月と共に色は次第に褪せていきます。
その原因は
- 色素の結合が切れてしまう
- 赤外線により化学変化が起こる
1.紫外線により顔料の色素の結合が切れてしまう
色褪せの大きな原因は、紫外線。
塗料の色のもとは、原子同士の結合で構成された顔料によるもの。
太陽光に含まれている紫外線は、原子同士の結びつきを破壊してしまいます。
そうすると、色が出なくなって色が褪せていきます。
そして、ここが肝心なのですが色には
- 紫外線を吸収しやすい色
- 紫外線を吸収しにくい色
があり、紫外線を吸収しにくい色は、原子同士の結びつきを破壊されにくいことから色褪せしにくい色ということになります。
(色褪せしにくい色については後述します)
2.赤外線により化学変化が起こる
塗膜劣化の原因は紫外線の他に、熱を含む赤外線があります。
熱を吸収しやすい色は、壁面の温度を上げることになります。
そして、壁面の温度が上がると化学反応によって色褪せしやすくなります。
なので色褪せ対策を考えると
- 熱を吸収しにくい色
- 熱を吸収しやすい色
にも注意する必要があります。
以上が色褪せる主な原因になります。
続いて、5つのポイントに分けて色褪せについてまとめていきます。
対策を知ることができますので、将来に備えることができますよ。
1.外壁塗装後、色褪せしにくい色とは?
外壁塗装をした後、長くきれいな状態のままであってほしいものです。
色褪せしにくい色は以下の3色です。
白色の外壁
色褪せしにくい色の中で最も人気なのは、白色。
- 爽やか
- 清潔感
- すがすがしい
といった印象を与える白色は、太陽光(紫外線)を吸収しにくく、色素の結合や化学変化が起きにくいため、色褪せが起こりにくいとされています。
また、色褪せしても色があせたということ自体、分かりづらい色です。
このように言われると、「それなら白色」と迷うことなく選びそうになりますが、デメリットもあります。
それは、汚れやすいということ。
最も汚れが目立つ色なので、このようなデメリットを理解した上で選びましょう。
汚れが目立つ色に関しては「外壁を汚れが目立たない色で塗装したいならこの3色」に詳しくまとめています。
黒色の外壁
- 高級感
- 威厳
といった印象を与える黒色は、太陽光(紫外線)に分解されにくいため色褪せしにくい色です。
ただ、艶ありの場合、艶がなくなってくると一気に色が褪せたように見えることがあるので、個人的には艶なしをおすすめすることが多いです。
黒色は、光(紫外線)に分解されにくいという性質を持ってますが、赤外線(熱)を吸収しやすく、温度の上昇は他の色よりも高くなってしまいます。
壁面の温度上昇が高くなると、化学変化により色褪せや塗膜の劣化も促進します。
黒色も白色と同様で、汚れが目立ちやすい色です。
青色の外壁
青色も人気色で、よく見かける色です。
原色系の色ですが紫外線や太陽光を反射しやすく影響を受けにくいので、色が褪せにくい。
道路標識の色が青色なのは、色褪せしにくいといった理由があるからなんですって。 白・黒・青色は白褪せしにくい反面、汚れが目立つ色ということは覚えておきましょう。
2.外壁塗装後、耐用年数を超えると色褪せが目立つ色は?
外壁塗装をした後、色褪せが目立つ色は
- 青色
- 黒色
白・黒・青は、紫外線の影響を受けにくいことから、色褪せしにくい色。
なのですが、これは耐用年数の範囲内での話で、塗料は必ず劣化していき、色褪せていきます。
耐用年数が超えてくると、黒色・青色は、色褪せが目立ってきます。
(黒色や青色を外壁に塗る場合の対策については後述します。)
それじゃ~、耐用年数を超えても色褪せが分かりにくい色ってあるの?
3.外壁塗装後、耐用年数を超えても色褪せが目立たない4色とは?
色褪せない色を探してる人にピッタリです。
色褪せが本当に分かりにくいベスト4色を以下に紹介します。
NO.1:グレーの外壁
濃いグレーよりも、淡いグレーのほうが色褪せしても分かりにくいです。
グレーは、汚れが目立ちにくい色でもあり、退色しても目立ちにくい。
私の家(築約28年)は、ブルーグレーなのですが、色褪せてるのがほとんど分かりません。
NO.2:アイボリー系(クリーム)の外壁
濃いめのクリーム色よりも薄めがおすすめ。
外壁塗装後、耐用年数を超えても色褪せが目立ちにくい上に、汚れも目立ちにくいのです。
NO.3:黄土色や裏葉色の外壁
少し渋めで黄色っぽい色や緑っぽい色が入った色も色褪せが目立ちにくい色です。
汚れが目立ちにくい色ですし、緑っぽい色であればコケなども目立ちにくくなります。
NO.4:ベージュ(モカ)の外壁
アイボリー系よりも少し暗い色のベージュ系(モカ)の色も色褪せが目立ちにくい色。
そして、汚れも目立ちにくい色です。
グレーやアイボリー、ベージュは人気色。 その理由は、汚れが目立ちにくい・色褪せが分かりにくいといった要素が大きく関わっているんだね。 外壁の人気色については「家の外壁で人気の色トップ5。塗装で失敗する前に要確認」
で詳しくまとめられてます!
ここまで知ると、逆に色褪せしやすい(紫外線を吸収しやすい)色を知りたくなる。
4.外壁塗装後、色褪せしやすい外壁色は?
外壁塗装後に色褪せしやすい色は
- 赤色
- 黄色
- 紫色
の3色で色褪せしやすいので塗り替え頻度が早い色とも言えます。
彩度が高い暖色系の色(赤・黄色・紫色)は、色褪せが最も早く、近年、住宅で取り入れらてる緑色も色褪せしやすい色と言われています。
そして、紫色。
紫は、微妙な色でして
- 赤に近い紫:色褪せが早い
- 青に近い紫:色褪せが遅い
かで色褪せの進行速度が変わり、境界線が曖昧なので、一概に紫は色褪せしやすいとも言いにくい。
ちなみに、赤・黄色・オレンジの色で濃いめは、色褪せしやすく、薄くなるにしたがい色褪せしにくくなります。
暖色系の中でも赤色を選ぶ方は、あまりいらっしゃらないかと思いますが、黄色や緑色がこのみな方は要注意です。
色褪せしやすい色で外壁を塗装したい場合、何かしら対策はあるの?
【5】色褪せしやすい色の塗料で外壁塗装するなら
色褪せしやすい色は避けるに越したことはない。
それは分かっているけど・・。
好みの色が、色褪せしやすい色の場合、諦めるしかないのだろうか。
以下に対策をまとめています。
耐久性の高い塗料を選ぶ
耐用年数が短い塗料を選ぶと、紫外線の影響を受けやすく、早い段階から色褪せが目立つことになります。
耐用年数が8年程度のウレタンよりも、15年以上のフッ素や無機塗料のほうが色褪せが起きにくくなります。
遮熱塗料で赤外線対策
- 太陽光(赤外線)を反射し、熱が壁に吸収されないようにする
- 熱(赤外線)を反射して遮断する
太陽光の中の主な熱エネルギーは、赤外線。
遮熱塗料は、この温度上昇の原因となる赤外線を反射して、熱が壁に吸収されないようにしてくれます。
赤外線が強い夏に効果を発揮し、快適な室内環境を作るのに役立ちます。
熱を吸収しやすい黒系色には、遮熱塗料で赤外線対策することができます。
シリコン塗料よりラジカル塗料
予算70~80万円の場合、シリコン塗料よりもラジカル塗料がおすすめ。
ラジカル塗料は、劣化因子であるラジカルを制御してくれるので、塗膜劣化を防ぎ色褪せしにくくなります。
「フッ素や無機塗料では、予算オーバー。」
という方に特にラジカル塗料がおすすめです。
ラジカル塗料については
- パーフェクトトップ(日本ペイント)
- エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
- アレスダイナミックトップ(関西ペイント)
- リファイン1000si-ir
リファイン1000si-irは、ラジカル制御+遮熱の性能があり、ここ最近、注目されてる塗料ですがパーフェクトトップやプレミアムシリコンよりも値段が高い。(詳しくは「超低汚染性リファイン1000si-irの特徴は?」でまとめています。)
まとめ:外壁塗装後、色褪せしやすい色・しにくい色
色褪せについて、特に押さえておきたいポイントを3つ以下にまとめました。
色褪せしやすい外壁色トップ3
1.赤
2.黄色
3.緑
色褪せしにくい外壁色トップ3
1.白
2.黒
3.青
色褪せても目立たない外壁色トップ4
1.グレー系
2.クリーム色
3.黄土色
4.アイボリー系
黒色は、太陽光には強いけど、熱(赤外線)を吸収しやすい。
(壁温度が上昇すると劣化の原因になる。)
色褪せしやすい色で塗装する場合は、耐用年数が長い塗料を使い、色褪せしにくくするのが最も現実的な対策です。
熱を吸収しやすい黒色は、遮熱塗料で色褪せや塗膜劣化の対策ができます。