アートフレッシュってどんな塗料?
塗装会社に勧められたけど、我が家の外壁に塗装しても大丈夫かな。
初めて聞く塗料名。
本当に我が家の外壁に塗装しても良いのか不安になりますよね。
それに、見積書の価格が高すぎないのか確かめたい。という人も多いかと思います。
このページでは
- アートフレッシュの評判や特徴
- 施工単価や見積価格
- メリット・デメリット
など私個人の意見も含めて詳しく解説しています。
約30年、建築設計者の立場で外壁塗装を見てきた、私がお客様目線で解説しているので参考になことが多いかと思います。
ぜひ、今後の塗装計画に役立ててください。
アートフレッシュ(エスケー化研)の良い評判
- ツヤ感がなく、砂のような風合いが良い。
- 味のある落ち着いた仕上がりがとても良い。
- 塗膜が膨れやすい外壁にはアートフレッシュが良い
- 和風の外壁にとてもマッチする。
ツヤなしで、現状の外壁が以下のような場合、塗装後の評判が良いです。
私の家も最近、外壁塗装をしまして、外壁の模様がスタッコ仕上げだったので、アートフレッシュは、候補の一つでした。
アートフレシュの悪い評判
- ツヤ感がない塗料として、塗装会社からアートフレッシュを提案されましたが、色が少なく好みの色がない。
- つや感がほしい人には向かない
アートフレッシュの特徴(エスケー化研より抜粋)
メーカー名 | エスケー化研 |
商品名 | アートフレッシュ |
グレード | セラミックシリコン樹脂 |
設計単価 | 2,980円/m2(下塗材込) |
施工(塗装)方法 | ローラー |
塗り重ね乾燥時間(気温23℃) | 2時間以上 (気候や外気温度などによって異なります) |
希釈剤 | 清水 |
希釈率 | 5~10% |
適用下塗材 | 水性ミラクシーラーエコ |
アートフレッシュの耐用年数
耐用年数は10~12年。
シリコン樹脂系の中では平均的と言えますが、アートフレッシュは、光安定剤が塗膜の劣化因子であるラジカルをキャッチして進行を抑制します。
なので、シリコン塗料よりも劣化しにくく耐久性は優れていると言えます。
そして、低汚染性。
一般的に艶無し塗料は、表面がざらついている等、汚れやすいです。
外壁表面に汚れがあると、常時、水分が付着していることになり、塗膜が劣化いしやすくなります。
また、夏場では汚れに熱が溜まりやすく、この熱は塗膜劣化の原因にもなります。
緻密な構造のセラミックシリコン樹脂の塗膜表面は、塗膜に汚れが付着しにくいため、塗膜劣化を防いでくれます。
アートフレッシュの施工(㎡)単価と価格
アートフレッシュの施工(㎡)単価は、2,400円~2,700円/㎡。
エスケー化研が公表しているアートフレッシュの設計単価は、2,980円/㎡です。
塗装会社が作成する見積書には、施工(㎡)単価で見積されています。
2階建て約34坪の戸建て住宅にアートフレッシュを塗装した場合の見積り価格相場は、769,800円です。
以下の表は、内訳金額です。
(地域・塗装会社によって価格の上下はあります)
仮設足場 | 157,000円 |
養生シート | 25,000円 |
高圧洗浄 | 13,000円 |
下地処理 | 51,000円 |
付帯物塗装 | 147,000円 |
外壁塗装 ■下塗り 水性ミラクシーラーエコ ローラー塗り ■中塗り アートフレッシュ ローラー塗り■上塗り アートフレッシュ ローラー塗り |
施工(㎡)単価 2,600円 408,200円 |
見積りの価格相場 | 801,200円 |
アートフレッシュの塗装施工例
既存の外壁パーターンはウエーブです。
質感を高め、既存のパターンを損なわずに仕上げることができます。
以下は、他の外壁パターン例と工程についてです。
- 左側:現状の外壁
- 中間:水性ミラクシーラーエコ(下塗り)
- 右側:アートフレッシュ(上塗り)
■くしびき仕上げの外壁
■スタッコ仕上げの外壁
■トラバーチン仕上げの外壁
■リシン吹き付け仕上げの外壁
アートフレッシュの適用下地
- 各種砂壁状、土壁調、スタッコ調、砂岩調などの既存塗膜(活膜)
- ベルアート、ベルアートSi、ベルアートF、弾性ベルアート、ソフトリシン、ソフトスタッコ、セラミソフトリシン、セラミソフトスタッコなど
アートフレシュのメリット
- 汚れに強い低汚染性塗料
- 超耐久性により耐用年数は10~12年
- 下地のパターンを活かした質感維持
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
汚れに強い低汚染性塗料
セラミックシリコン樹脂のアートフレッシュは、汚れが付着しにくい低汚染性塗料です。
一般的にツヤなしは、汚れが付着しやすいと言われているのに対し、アートフレシュが低汚染性なのは、セラミックシリコン樹脂だからです。
シリコン系樹脂に超耐久性コーティング材として、とても注目されているセラミック成分を複合化したものです。
緻密な構造の塗膜表面は、汚れが付着しにくいだけでなく、雨水で汚れを洗い流してくれるといった性能も併せ持っています。
超耐久性により耐用年数は10~12年
シリコン樹脂系でありながら耐用年数が10~12年と長い理由は、以下の3つにあります。
- 超耐久性コーティング材のセラミック成分を含んだシリコン系樹脂塗料
- 光安定剤が塗膜の劣化因子であるラジカルを捕まえる
- セラミックシリコン樹脂と光安定剤とのシナジー効果
シリコン樹脂系でかつ、艶無し塗料の中で耐用年数が10年を超えるのは、アートフレッシュを含め数えるほどしかありません。
下地のパターンを活かした質感維持
一般的な塗料を塗ると、現状の外壁のパターン(模様)が損なわれやすい。
一方、アートフレッシュであれば、外壁のパターン(模様)を活かした状態で塗り替えることができます。
アートフレシュのデメリット
- ツヤありに比べて耐用年数が短い
- アートフレッシュの色見本にある標準色が少ない
- ムラが出ることがある
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
ツヤありに比べて耐用年数が短い
艶には、保護機能成分があり、艶ありのほうが塗膜の耐久性は良くなります。
耐用年数でいうと、ツヤありのほうが約2年ほど長くなります。
ムラが出ることがある
アートフレッシュでムラが出るというのは、あまり聞いたことがありません。
ただ、塗装会社の腕にもよりまして、下塗りがいい加減だと、上塗りでムラがでることがあります。
この事に関しては、塗料のせいではなく塗装屋さんの腕のせいと言えます。
艶なしで言えば、アートフレッシュよりもジョリパットフレッシュのほうがムラが出やすいと聞きます。
ジョリパットフレッシュのほうが粘度があり塗装が難しいからです。
アートフレッシュに関するQ&A
以下にアートフレシュについてのよくある質問と回答をまとめています。
アートフレッシュの色見本にある標準色が少ない?
他の塗料では、標準色で40色以上あるものが多いのに比べて、アートフレッシュの場合は20色です。
実際に
- 標準色が少ない
- 好みの色がない
というのは、お客様から聞くことがあります。
アートフレッシュはひび割れ(クラック)しやすい外壁に向いてる?
アートフレッシュは微弾性塗料なので、外壁にひび割れが発生しても塗膜が伸びて追従し、雨水の侵入を防いでくれます。
アートフレッシュの透湿性は?
透湿性とは?
塗膜内部の水蒸気を逃がす性質があります。
透湿性がない塗料であれば、夏場の太陽熱によって水蒸気が塗膜内部で気化し、塗膜が膨れてやがては破裂してしまいます。
私の家の外壁には、熱膨れという症状が出ていました。
アートフレッシュでしたら透湿性が高いので膨れを抑えられますが、他の透湿性が低い塗料で塗り替えた場合、2~3年後には塗膜が剥がれるといった施工不良で悩んでいたでしょう。(このことについては「【実録】スタッコ仕上げの外壁に熱膨れ。塗り替えに使う塗料は?」で詳しくまとめていますので膨れ・剥がれが気になる方はぜひ参考にしてください。)
低汚染性と撥水性は異なる?
■低汚染性
- 汚れが付きにくい
- 汚れが外壁に付いても雨で流れやすい
■撥水性
- 水を弾く
撥水性は水を弾く性能のことで、汚れを洗い流すといった性能はありません。
まとめ:アートフレッシュ(エスケー化研)がおすすめな外壁
アートフレッシュを選ぶ人の特徴は、現状の外壁が以下のようなパターンの場合です。
- ツヤ感がなく、砂のような風合い
- 和風の外壁
外壁の質感を維持したい方に特におすすめです。
また、透湿性が高いことから、膨れやすい外壁塗膜にもおすすめです。
耐用年数は10~12年。シリコン樹脂塗料の中では平均です。
ただ、劣化因子(ラジカル)をキャッチするという性能から、シリコン樹脂系塗料よりも耐久性は高いと言えます。
ネックなのは、標準色が少ないことですね。
調合して色を作ることもできますが、㎡単価は高くなってしまいます。