屋根のカバー工法とは?費用相場やメリット・デメリットを徹底解説
屋根のカバー工法ってどういう工事?
屋根のメンテンナンスには「塗装」「カバー工法」「葺き替え」があります。
カバー工法は、屋根塗装が難しい場合に行われることが多いメンテンナンス方法です。
このページでは、
- 屋根のカバー工法とは?
- 各メーカー費用相場
- メリット・デメリット
- 私の家でカバー工法を選択した理由
などについて詳しくまとめています。
これから屋根カバー工法を計画している方にピッタリの内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
屋根のカバー工法(重ね葺き)とは?
屋根のカバー工法とは、現状の屋根の上に新しい屋根を設ける工法です。
2重の屋根になるということです。
既存の屋根の上に防水シートを敷き、その上から新しい屋根材を設置していきます。
一般的に「屋根カバー工法」と言われていますが「重ね葺き」であったり「カバールーフ工法」と呼ばれたりします。
屋根カバー工法はスレート屋根にするのが一般的
屋根カバー工法は、スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)の上であれば施工することができます。
瓦屋根の上には、施工することができません。
屋根カバー工法の㎡単価と費用相場
以下に、実際に見積りした各メーカー別の㎡単価と費用相場をまとめています。
屋根面積は約100㎡としていますが、各社によって10㎡程度の開きがありました。
名称 | MFシルキーG2 |
価格 | ㎡単価 :7,900円 工事費用:1,269,330円 (税抜き) |
特徴 | ガルバリウム鋼板 + 断熱材 |
名称 | レジェルーフ |
価格 | ㎡単価 :10,900円 工事費用:1,222,500円 (税抜き) |
特徴 | ガルバリウム鋼板 + 断熱材 |
名称 | スーパーガルテクト |
価格 | ㎡単価 :9,500円 工事費用:1,500,000円 (税抜き) |
特徴 | ガルバリウム鋼板 + 断熱材 |
名称 | ディプロマット |
価格 | ㎡単価 :9,000円 工事費用:1,392,300円 (税抜き) |
特徴 | ジンカリウム鋼板 + 自然石粒仕上げ |
㎡単価は、9,000円前後が相場です。
ただ、材料の価格が高くなってきているので、㎡単価が高くなる可能性は大きいです。
屋根カバー工法のメリット
屋根カバー工法のメリット
- 屋根の断熱性・防音性・防水性が高くなる
- 既存屋根の解体・撤去費用を抑えられる
- 工期が短くなる
について下記に詳しく解説しています。
屋根の断熱性・防音性・防水性が高くなる
屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新な屋根を設ける二十構造になるので、断熱性や遮音性が向上します。
よく、ガルバリウム鋼板であれば、雨音が響くのでは?という質問を受けますが、ほとんど雨音は聞こえません。
また、カバー工法用のガルバリウム鋼板には断熱材が設置されてることもあり、断熱性は向上します。
既存屋根の解体・撤去費用を抑えられる
既存屋根を解体・撤去する葺き替えとは異なりカバー工法は、既存屋根を残したまま、新しい屋根を設置します。
そのため、既存屋根を撤去する費用を抑えることができます。
工期が短くなる
古い屋根を撤去する葺き替えとは違い、カバー工法は屋根を残すので工期が短くなります。
私の家の場合は、カバー工法の工事だけですと約4日で終わりました。
足場の組み立て・解体を入れると6日ほどかかります。
屋根カバー工法のデメリット
屋根カバー工法のデメリット
- 屋根を支える下地が傷んでいる場合には施工できない
- 屋根の加重が重くなる
について下記に詳しく解説しています。
屋根を支える下地が傷んでいる場合には施工できない
屋根を支える下地(野地板・垂木)などが傷んでいる場合には、カバー工法は向きません。
傷んだ下地がもろくなり、屋根を支えることができなくなってしまう可能性があるからです。
屋根カバー工法をした後では、屋根下地の状態を確認するのは困難です。
そのため、カバー工法をする前にしっかりと屋根裏をチェックしておく必要があります。
屋根の加重が重くなる
カバー工法は新たな屋根を設置するため、屋根加重は重くなってしまいます。
屋根荷重が重くなるほど、柱・梁への負担は大きくなり耐震性は低くなります。
私の家は屋根塗装が難しかったのでカバー工法を採用
築28年の私の家は、屋根の傷みが酷く反り・ひび割れが出ていました。
私の家の屋根材は傷みが酷く、塗装をしても屋根材そのものの痛みが回復するわけではありません。
また、塗装することで滑りやすく、風が強くなると屋根裏に水が廻りやすくなり雨漏れにつながりやすくなります。
そのため、屋根塗装を諦めカバー工法を選ぶことにしました。
このことについては「屋根塗装からカバー工法に変えた理由」で詳しくまとめていますので参考にしてください。
屋根塗装よりもカバー工法を選んだほうがいい場合
- 屋根材が反る・ひび割れなど劣化が酷い
- 屋根材が剥がれている
- 雨漏れしている
このようなケースの場合は、屋根塗装ではなく「カバー工法」「葺き替え」という選択肢となります。
私の家の屋根は、反る・ひび割れといった劣化症状が出ており、劣化が酷いためカバー工法を選択しました。
築28年。一度も塗装メンテナンスをしたことがない代償は大きいようです。
屋根材の劣化症状を素人目から判断するのは、とても難しい。
屋根塗装をするかカバー工法をするか。悩んだときは、プロに聞いてみるのが最も現実的です。
屋根カバー工法よりも葺き替えのほうが良い場合
屋根塗装では、メンテナンスができない場合「カバー工法」か「葺き替え」のどちらかになるのですが、屋根の状態によっては葺き替えしかない場合があります。
屋根の状態が以下の3つの場合は、葺き替えになります。
屋根下地材が雨漏りなどで腐食している
屋根下地材が傷んでいる場合、下地の補修からしなければいけません。
カバー工法は、既存の屋根の上に新たな屋根を設置する工事で下地を補修するような工事はできません。
葺き替えであれば、野地板や垂木など屋根下地を補修することができるため屋根材だけでなくお家の耐久性を高めることができます。
現状が瓦屋根
カバー工法は、スレート屋根のみに対応した施工方法です。
瓦屋根の場合、カバー工法ができないため、葺き替えのみとなります。
既にカバー工法をした屋根
一度カバー工法した屋根に新たにカバー工法をすることはできません。
3重の屋根カバー工法は重量的に現実的でないからです。
そのため、一度、カバー工法をしている屋根をメンテナンスする場合、葺き替えとなります。
おすすめのカバー工法用屋根材
カバー工法用の屋根材を紹介しておきます。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミの超耐久性と亜鉛鉄板の防食機能を合わせ持っており、耐用年数は、25年以上と言われています。
軽量なので、カバー工法に向いている素材です。
断熱性が低いというデメリットがありますが、各メーカーでは、断熱性と組み合わせて対策を講じています。
メンテンナンスは約25年一回、必要です。
ジンカリウム石粒吹付屋根材
ジンカリウム鋼板屋根=自然石粒付き鋼板の屋根
石粒でコーティングしたジンカリウム鋼板の屋根は、高耐久で知られている屋根材です。
紫外線やサビにも強く、耐用年数は30年以上。50年以上持つものもあります。
耐震性・断熱性・防音性に優れ、メンテナンスフリーです。
デメリットはガルバリウム鋼板よりも費用が高いこと。
私の家の屋根は、ディプロマットというジンカリウム石粒吹付屋根材を使用しています。
まとめ:屋根カバー工法は葺き替え工期が短く工事価格も安い
屋根カバー工法は、既存の屋根に新たな屋根を設置する工法。
そのため、既存屋根を撤去する葺き替え工事に比べる、工事費用は安く工期も短縮することができます。