無機塗料最強説。耐用年数や価格を含め実際のところは?
ダンゴ-2

このページでは

  • 無機塗料の特徴
  • 10年後の評判をyoutube動画で確認
  • 耐用年数と価格
  • メリット・デメリット

についてお伝えしています!

外壁塗料の中で一番劣化に強いと言われている無機塗料。

実際のところは、どうなんでしょう?

外壁・屋根塗装に使われる無機塗料の特徴

外壁塗装に使われる無機塗料の特徴

無機塗料が優れているポイント

  • 耐候性、耐久性
  • 汚れが付きにくい
  • カビ・苔が発生しにくい
  • 不燃性

フッ素塗料が一番最強と思っている人も多いと思いますが、その上をいくのが無機塗料。

無機塗料と聞いて、「無機?」「無機があるなら有機はあるの?」
と考える方は多いと思います。

塗料について踏み込む前に、「無機塗料」「有機塗料」の違いについて触れておきます。

このことを知っておくことで、なぜ無機塗料が最強なのかが分かってきます。

無機塗料とは

ガラス、石など無機物が主成分でできた塗料。

劣化の原因となる樹脂成分があまり含まれていないため、有機塗料よりも耐久性が高い高性能塗料として位置づけられています。

有機塗料とは

アクリルシリコンフッ素など樹脂成分が入っている塗料で、樹脂によって塗料の性能やグレードは違ってきます。

「樹脂が紫外線によって分解される」⇒「劣化症状が現れやすくなる」
これが有機塗料の特徴です。

ガラスとプラスチックで考えると分かりやすいかと思います。

  • ガラス(無機物):紫外線に当てても劣化はしない
  • プラスチック(有機物):紫外線に当てると劣化してカサカサになっていく

無機有機ハイブリッド塗料と言われることも

無機塗料と言えど、無機物だけでは、塗料としての粘着性を持たせることができないので、多少の有機物が配合されています。

例えば

  • 無機+シリコン
  • 無機+フッ素

一般的に無機塗料と言われることのほうが多いですが、無機ハイブリッド塗料と呼ばれることもあります。

メーカーさんのカタログでは「無機ハイブリッド塗料」と記載されてるのをよこう見かけます。

呼び名は違うだけで
劣化の原因である樹脂成分がほとんど入っていないため、耐用年数は有機塗料よりも長い。
という性質は同じです。

注意!

無機塗料だからと全ての塗料が良質とは限りません。

特に
「無機塗料は30年は持ちます」
といってくる訪問販売の営業マンには要注意です。

現在、販売されている無機塗料の中で30年以上はもつと保証されてるものはありません。
(他のフッ素塗料なども同様)

無機塗料で塗装した後、10年後の評判を動画で確認

KFケミカルの無機塗料で10年前に塗装された建物の現状を紹介してくださっている以下の動画が非常に分かりやすいです。

セミフロンスーパーマイルドII」というフッ素樹脂配合の無機塗料を使っているとのことです。

劣化具合が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

10年後もとてもきれいでしたね。

各塗料別に経過後の動画を紹介していますので、興味のある方はぜひ下記の塗料もご覧ください。

ラジカル塗料で塗装して5年後

シリコン塗料で塗装して10年後

フッ素塗料で塗装して10年後

 

無機塗料の費用相場と耐用年数

 

塗料 耐用年数(年) 施工(㎡)単価
アクリル塗料  5~7 1,400円~
ウレタン塗料  7~10 1,700円~
シリコン塗料 10~15 2,200円~
フッ素塗料 15~20 3,800円~
無機塗料 20~25 4,500円~

無機塗料は、一般的に使われているシリコン塗料に比べると約2倍近く高くなります。

その分、耐用年数が長く総合的なコストパフォーマンスから見ると、魅力的な塗料と言えます。

上記でもお伝えしていますが、無機塗料は、有機塗料との組み合わせによってできていて、組み合わせる合成樹脂によって、耐用年数は変わってきます。

塗料 耐用年数
無機アクリルシリコン塗料 15~18
無機シリコン塗料 18~20
無機フッ素塗料 20~25

無機塗料のメリット

無機塗料のメリットについて詳しく解説していきます。

耐候性が高いため耐用年数が長い

紫外線によって劣化する樹脂成分がほとんど含まれていないため、耐候性は高く耐用年数は商品によって様々ですが20~25年と言われています。

また、雨や紫外線に対して耐性が高いため、見た目も綺麗な状態が長続き。

カビや苔が生えにくい

無機塗料には、カビや苔が栄養素としている有機物があまり含まれていないため、カビや苔が発生しにくい。

そのため、通気性が悪くカビや苔に悩んでいる方にはおすすめの塗料と言えます。

外壁に汚れがつきにくい

無機塗料には静電気が発生しにくいため、ホコリなどの汚れが付着しにくく、親水性に優れていることもあり、雨で汚れが洗い流されます。
(ちりや埃は、静電気でつきやすい)

ちなみに、ちりや埃はカビや苔の栄養分にもなるので、カビの繁殖を防ぐ助けにもなるんです。

低汚染塗料について

汚れが付きにくい性能がある塗料は、低汚染塗料と呼ばれたりします。

パーフェクトセラミックトップGは低汚染塗料でもあります。

低汚染塗料の性能などについて詳しく知りたい場合は「低汚染塗料は汚れを洗い流す?一般的な塗料と比較」をご覧ください。

不燃性

無機塗料は鉱物やガラス等の無機物を主成分としているので燃えにくい。
(全く燃えないというわけではありません)

無機塗料のデメリット

無機塗料のデメリットについて解説していきます。

塗料の価格が高い

上記でも触れていますが、一般的に普及しているシリコン塗料の約2倍です。

耐用年数が長くトータル的なコストパフォーマンスを求めるなら、無機塗料は魅力的ですが、1回の外壁塗装の費用を抑えたい人にとっては、手を出しにくい塗料と言えます。

外壁にヒビが入りやすい

無機物が主成分なので、塗装後は硬く外壁にヒビが入りやすい。

モルタルなど動く外壁に対しては弾性タイプの塗料を使う必要があります。

施工(外壁塗装)が難しい

塗料が硬い=塗装しにくい。
そのため職人さんの技術力が求められます。

外壁を塗装するにあたり、塗料選びは、とても大切ですが、施工する会社の実績も把握しながら選ばないと20年持つはずの塗料が5年で剥がれてしまう可能性もあります。

ツヤ消し塗料がない

無機塗料は、ツヤありが基本です。
ツヤなしを選ぶとなると3分までの商品が多いです。

そのためツヤのない仕上がりを求めるなら、おすすめできる塗料ではありません。

5~10年であれば再塗装が難しい

「外壁の色、もうすこし明るい色にしたい」
となった時、塗装してから5~10年であれば、再塗装が難しい場合があります。

汚れが付着しにくいというメリットが、こういう場合にデメリットになることもあるんですね。

もし、5~10年以内に外壁の色を変えたい場合は、外壁に塗膜がくっつくかパッチテストなど剥がれの検査をしてから施工するのがおすすめです。

代表的な無機塗料

外壁塗装で使われる主な無機塗料を紹介します。

パーフェクトトップセラミックトップG(日本ペイント)

パーフェクトシリーズ史上最強の塗料として大手塗料メーカー日本ペイントから販売されているパーフェクトセラミックトップG。

フッ素塗料を超える高耐候性の塗料。

私が外壁塗装について相談する塗装会社さんは、無機塗料の中であれば、この塗料を勧めると言っています。

パーフェクトセラミックトップGについては、「ニッペパーフェクトセラミックトップGの特徴や耐用年数・価格などをチェック」で実際の見積り価格などを含めて詳しく解説しています。

アプラウドシェラスターNEO(日本ペイント)

大手塗料メーカーの日本塗料から販売されている水性2液型の無機塗料。
フッ素塗料を超える超耐候性・低汚染性だけでなく、有機塗料の弾性塗膜性能を有することで従来の無機塗料にはない高弾性仕様となっています。

オプションとして「クリスタコート」というコーティング塗料を重ね塗りすることでさらに低汚染性を高めることができます。

エスケープレミアム無機(エスケー化研)

エスケー化研が販売している水性の無機塗料。

超耐候性・低汚染性を併せ持ち
無機成分の優れた剛性に加えて有機樹脂の柔軟性を併せ持った塗膜を形成。

エスケープレミアム無機については「エスケー化研プレミアム無機の特徴は?耐用年数や見積価格も詳しく解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

アレスダイナミックMUKI(関西ペイント)

関西ペイントが販売しているフッ素樹脂と無機成分を合わせた無機塗料。

超耐候性、低汚染性に加えて、フッ素樹脂の弾性下地にも追従する柔軟性も併せ持つ。

セミフロンスーパーマイルドII(KFケミカル)

KFケミカルが販売しているフッ素樹脂配合の無機塗料

日本塗料、エスケー化研、関西ペイントなどメーカーの知名度では負けていますが、KFケミカルは無機塗料、フッ素塗料のパイオニアです。

KFケミカルの材料はとても優れてます。

セミフロンスーパーマイルドⅡについては「セミフロンスーパーマイルド2の特徴。耐用年数や見積価格なども深堀」で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

私は屋根に無機塗料を使う予定でした

私は最近、外壁塗装と屋根のカバー工法を終わらせました。

私の家は約30年外壁塗装・屋根塗装をしなかった

当初は、外壁をフッ素塗料かラジカル制御塗料。

屋根を無機塗料にしようと考えていました。

屋根をグレードの高い塗料にしようと考えたのは、外壁よりも屋根のほうが過酷な環境だからです。

結果的に屋根の劣化具合が酷いため、塗装ではなくカバー工法にしました。

このことについては「無機塗料での屋根塗装からカバー工法に変えた理由」で詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

無機塗料を使うか迷ったら、1つの目安として

外壁塗装で使われる塗料は、他にも数百種類もあり、その中から自宅にあった塗料を選ぶのは、とても大変・・。

予算や対応年数を含めて
・外壁の素材
・建物の立地条件
・劣化状況
・日当たり
など総合的な判断が必要です。

ヌリカエを使えば、17の選択式の質問に答えるだけで、我が家の予算に合った塗料を教えてくれます。

また、助成金を受けられるかの確認もできるので、時間と手間の削減にもつながります。

あくまで見積サービスとなっていいますので、価格相場や塗料の比較として使ってみると良いですよ。

公式ページはコチラ⇒