見積書を塗装業者さんに依頼したら
推奨されてるのとは違う水性カチオンシーラーという下塗り材が明記されてるけど、大丈夫なんだろうか?
下塗り材は、「縁の下の力持ち」。
上塗り材の性能を最大限に発揮させるためにも、下塗りは非常に大切な工程です。
ここで、間違えてしまうと耐用年数にも影響してきます!
約30年、建築設計者の立場で外壁塗装を見てきた編集者が下塗り材(水性カチオンシーラー)について掘り下げていきます。
塗装費用を安くするために安い水性カチオンシーラーを
- パーフェクトトップ
- プレミアムシリコン
などで見積を取った時、推奨下塗り材とは違う水性カチオンシーラーが明記されていることがあるけど大丈夫なんだろうか?
見積書を確認してこのように思った方はいらっしゃるかと思います。
水性カチオンシーラーが悪い下塗り材というわけではありませんが、上塗り材を活かすためには、
- 上塗り材との相性
- 外壁の素材や劣化具合
などから下塗り材を選ぶ必要があります。
劣化が進み外壁の状態が良くない場合ですと、上位ランクの下塗り材を使わないと中塗り、上塗りと進めても劣化を速めてしまうことになります。
このページには
ニッペ水性カチオンシーラーの特徴や、不向きな下地材について明記しています。
不向きな下地材に塗装してしまうと、数年で劣化症状が現れてくるので、取り扱いには要注意です!
傷んでいて吸い込みが多い外壁に水性カチオンシーラーを塗った場合
- 外壁の劣化が度合いが酷く、吸い込みが多い
- 窯業系サイディング
に水性カチオンシーラーを塗った場合、いくらパーフェクトトップなど上塗り材を丁寧に塗っても早期にハガレていく可能性が大きいです。
水性カチオンシーラーが外壁材に吸い込まれて、本来の下塗り材としての機能(「外壁材」と「中・上塗り塗料」を接着させる)が発揮されないからです。
・外壁材
・外壁の劣化度合い
によって、適した下塗り材があるということです!
必ずしも推奨下塗り材でないといけない?
上塗り材を活かすために、必ず推奨下塗り材を使わないといけないかというと、個人的な意見になりますが、そうとは言い切れません。
ただ、下地に適した下塗り材でないと上塗り塗料が縮みや剥離、ひび割れといったいった異常が起きやすくなります。
塗った時は、きれいな状態なんですが、数年後に劣化具合が表面に現れてきます。
なので、推奨下塗り材を使うのがベストとしたほうが無難です。
どうして、推奨下塗り材ではなくて、水性カチオンシーラーを見積書に記載したんでしょう?
単純に、安い下塗り塗料だからというのが一般的です。
20年ほど前は、高いシーラー(下塗り材)を使っても意味がないと言っていた人も、最近では考え方を見直しているようです。
近年の研究や、塗装後の劣化度合いから下塗り材は、塗膜を長持ちさせるためにとても重要だと認識したからなのでしょう。
塗膜を長く持たせるためためには
下塗り材
上塗り材
のチームワークがとても大切!
よく使われる上塗り塗料の下塗り材を紹介
以下に、よく使われる塗料の下塗り材を紹介しておきます。
見積書チェックなどの時に参考にしてください。
パーフェクトトップの下塗り材
ラジカル系塗料の代表的な塗料【パーフェクトトップ】
下塗り材一覧
■ パーフェクトフィラー モルタル・コンクリート外壁に使われる下塗り材 |
■ パーフェクトサーフ 窯業系サイディングボード・ALC外壁に使われる下塗り材 |
■ パーフェクトプライマー 鉄部・木部・金属系サイディングボード・FRP・亜鉛メッキなどの部材に使われる下塗り材 |
上記の下塗り材だけでは、上塗り塗料が密着しにくい場合があります。
そのような時には、下塗り塗料を塗った後、さらにファインパーフェクトシーラーを間に挟んで上塗り(パーフェクトトップ)を塗ることで密着性を高めることができます。
プレミアムシリコン塗料の下塗り材
ラジカル系塗料の代表的な塗料【プレミアムシリコン】
下塗り材一覧
・水性SDサーフエポプレミアム ・マイルドSDサーフエポプレミアム ・エスケーハイブリットシーラーEPO サイディング外壁に使われる下塗り材 |
エスケー弾性プレミアムフィラー モルタル外壁に使われる下塗り材 |
水性SDサーフエポプレミアムの特徴
サイデイング外壁の小さいひび割れを調整し保護してくれます。
プレミアムシリコンの色をきれいに出す役割もあります。
エスケーハイブリットシーラーEPOの特徴
一般的に
・光触媒塗料
・無機塗料
の上から塗料を塗ることが難しいとされていますが、エスケーハイブリットシーラーEPOを使うことによって、プレミアムシリコンを上塗りすることが可能になります。
エスケー弾性プレミアムフィラーの特徴
フィラーは、下地の表面を整えて上塗り材を塗りやすくしてくれます。
その上でエスケー弾性プレミアムフィラーは、サーフェーサーの開発技術によって保護性能やひび割れへの追従性を高めたものです。
ひび割れしやすいモルタル外壁で、この下塗り材が適用されるのは、このためなんですね。
編集者の家の下塗り塗料は特殊
編集者の家は築28年。
熱膨れという劣化症状が出ており、ベストな対策案を提案してもらうため10社の塗装会社に見積依頼をしました。
その結果、アンダーサーフDSが弾性スタッコの熱膨れを抑える一番の対策と知りました。
このことについては「アンダーサーフDS(下塗り塗料)で外壁塗膜の熱膨れ対策?」で詳しくまとめています。
もし、この下塗り塗料でなかった場合、熱膨れがひどくなり塗膜が風船のように膨らんで剥がれるという施工不良で悩んでいた可能性が大きいです。
ちなみに、この下塗り塗料を提案したのは、10社中1社のみ。
このことから、外壁塗装の奥の深さを思い知らされました。
・お家の劣化症状を知る
・その劣化症状を対策できる塗料を知る
そのために複数の塗装会社に見積依頼をして意見を聞くことは、とても大切です。
一つの目安として
外壁塗装で使われる塗料は、数百種類もあり、その中から自宅にあった塗料を選ぶのは、とても大変・・。
外壁の素材
外壁塗膜の劣化状態
劣化を対策できる塗料
など総合的な判断が必要です。
ヌリカエを使えば、17の選択式の質問に答えることで、外壁の劣化具合(診断結果)や予算に合った塗料の目安を知ることができます。
あくまで見積サービスとなっていいますので、現状の外壁の劣化状態や、外壁塗装の相場、塗料の比較として使ってみると良いですよ。
最高工事価格より約328万円も安くで契約した体験談
編集者の家は築約30年。
雨漏れの危険性もあるため
・外壁塗装
・屋根カバー工法
をすることになったのですが、最初に見積依頼した会社から提示された価格は、約520万円。
予算200万円と言ったのに、この価格・・?
途方に暮れる想いでしたが、とても優れた塗装会社に巡り会い、約328万円も安くで契約することができました。
どのような事をして、どのような事に注意したか。
建築設計者ではありますが、お客様と同じ目線に立って具体的にまとめました。
机上の空論ではなく体験談です。
外壁や屋根のリフォームは、失敗が許されない大切な工事。
これから、外壁(屋根)塗装やカバー工法を計画しており「失敗したくない
!」と少しでも思っている方は、以下の記事に一度目を通してみてください。