ナノコンポジットWの評判や耐用年数、施工単価(見積価格)などを徹底解説
ダンゴ-2

賞を獲得してるほど優れてるナノコンポジットWってどういう塗料?

ナノコンポジットW。
初めて見る方は塗料名なのか、ちょっと悩んでしまったのではないでしょうか。

2004年から販売されてるので、実績がある塗料です。

複数の塗装会社に聞いたところ、悪い評判を聞いたことがないと言う答えが返ってきました。

賞を獲得していることからも、どのような塗料なのか気になりますよね。

このページでは

  • ナノコンポジットWの評判
  • 耐用年数や施工単価、見積価格
  • メリット・デメリット
  • 私の家の外壁塗装で、この塗料を選ばなかった理由

などについて詳しく解説しています。

約30年、リフォームの設計・現場管理者の立場からだけでなく、お客様目線での意見も含めているので、ナノコンポジットWで外壁塗装をしようか悩んでいる方にとって、とても参考になる記事になっています。

ナノコンポジットWの評判

  • ツヤ感がないマットな仕上がりがとても良い
  • 艶無しの中で汚れに強い塗料として評判
  • 緑が多い(湿気が多い)地域で艶無し塗料ならナノコンポジットをよく使う
  • 低価格での光触媒効果もあってナノコンポジットWは悪い噂は聞きません。
  • 塗装して8年目だけど、藻や汚れが付着していない
  • 旧塗膜の状況によっては、メーカー専用の下塗を二度も入れなければいけないのでそれなりに大変

ナノコンポジットは、最近評判が良い塗料としてよく聞きます。

ただ、下地の状況が悪い場合には、施工単価が高くなることがあります。

私の家も最近、外壁塗装をしまして、外壁の模様がスタッコ仕上げだったので、ナノコンポジットW、Fは、候補の一つでした。

外壁・屋根の現地調査で調べる事

ナノコンポジットWの特徴

メーカー 水谷ペイント
塗料名 ナノコンポジットW
グレード シリコン樹脂
希釈材
施工(塗装)方法 ローラー仕上げ
乾燥時間 2時間以上
(季節や外気温によって異なる)
適用下地 サイディング材
モルタル
コンクリート
下塗り材 ナノコンポジットシーラーⅡ

塗料メーカー水谷ペイントの特徴は樹脂の合成から塗料化までを一貫生産し高品質の塗料を提供していることです。

ナノコンポジットWは、初めてとなる最先端のナノテクノロジーを取り入れた画期的な塗料で、2004年に販売開始。

日本三大技術賞の一つと言われている「井上春成賞」を受賞。

塗料メーカーでこの賞を受賞してるのは水谷ペイントのみです。

また工業技術省も受賞している塗料です。

ナノコンポジットWの耐用年数

ナノコンポジットWの耐用年数は10~15年。

耐用年数15年は、ナノコンポジットFになります。

ナノコンポジットWは、耐用年数12程度と思ったほうがいいでしょう。

艶無し(シリコン樹脂系)塗料で耐用年数12年は、長いほうです。

ナノコンポジットW(W防藻+、F)の施工(㎡)単価と耐用年数

ナノコンポジットWの施工(㎡)単価は、2,400円~2,700円が相場です。

地域や、塗装会社によっては上下することがあります。

ナノコンポジットには「W」のバージョンアップ版として「W防藻+」と「F」があり、それぞれの㎡単価と耐用年数をまとめると以下のようになります。

ナノコンポジットW シリコン 10~15年 2,400~2,700円
ナノコンポジットW防藻+ シリコン 12~15年 2,600~2,900円
ナノコンポジッF フッ素 15年 3,200~3,800円

ナノコンポジットWの見積価格

2階建て戸建て住宅
1階:17坪
2階:17坪
約34坪の外壁にナノコンポジットWを塗装した場合の見積り価格相場は、878,200円です。

以下の表は、内訳金額です。

仮設足場 155,000円
養生シート 23,000円
高圧洗浄 13,000円
下地処理 56,000円
付帯物塗装 151,000円
下塗り
ナノコンポジットシーラーⅡ
中塗り
ナノコンポジットW
上塗り
ナノコンポジットW
施工(㎡)単価
2,600円
480,200円
合計見積相場 878,200円

ナノコンポジットWの色見本

ナノコンポジットWの色見本

ベージュ、アイボリー、ライトグレーなど淡い色が多いのが特徴的です。

ナノコンポジットWのメリット

  • 低汚染性なので汚れに強い
  • 色褪せしにくい
  • 防カビ・防藻性
  • 耐久性があり耐用年数が長い
  • ツヤなしが好みな方におすすめ

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

低汚染性なので汚れに強い

ナノコポジットは低汚染性なので汚れに強い

艶無し塗料は、一般的に汚れが付着しやすいと言われています。

その理由は、樹脂と樹脂の隙間に埃や排気ガスなどの油分が溜まりやすいからです。

ナノコンポジットWでは、超微粒子シリカが隙間をなくしているので、汚れが詰まりにくくなっています。

また、石やガラスなどに似た無機質な塗膜なので仮に、外壁に汚れが付着しても雨水で簡単に洗い流されます。

低汚染塗料とは

低汚染塗料とは

  • 汚れが付着しにくい
  • 汚れが付着しても洗い流される

といった性能がある塗料です。

低汚染塗料について詳しく知りたい方は「低汚染塗料は汚れを洗い流す?一般的な塗料と比較」をご覧ください。

色褪せしにくい

一般的な塗料であれば、紫外線や雨によって色褪せてきます。

ナノコンポジットWは、紫外線や雨に強いという特徴がある超微粒子シリカが塗膜に含まれているため色褪せを遅らせることができます。

防カビ・防藻性

ナノコンポジットWは、防カビ・防藻性に優れた性能(増殖を抑える静菌作用と殺菌作用)が含まれています。

そのため、きれいなままの外壁を長く保つことができます。

ちなみに、「ナノコンポジットW防藻+」は、ナノコンポジットWの性能を受け継ぎ防カビ・防藻性をさらに強化した塗料です。

川や森林が多い地域でよく使われています。

耐久性があり耐用年数が長い

ナノコンポジットWは、ラジカル制御型塗料です。

そのため、紫外線により塗膜が劣化しにくい塗料です。

ラジカル制御型塗料とは?

ラジカルとは、劣化因子のことです。

塗膜内部に含まれる酸化チタンに紫外線が当たると、ラジカル(劣化因子)が塗膜を破壊させ劣化を促進させます。

ラジカル制御型塗料とは、劣化因子(ラジカル)を封じ込めた塗料です。

  • 一般的なシリコン樹脂の耐用年数は10~13年。
  • ナノコンポジットWに耐用年数は10~15年。

経済産業省からもフッ素並みの耐久性があることが証明されています。

ツヤなしが好みな方におすすめ

現在の外壁が以下のような場合におすすめです。

  • 現在の外壁が
  • 砂のような風合い
  • 土壁調
  • スタッコ調
  • 砂岩調
  • ベルアート、ベルアートSi、ベルアートF、弾性ベルアート、ソフトリシン、ソフトスタッコ、セラミソフトリシン、セラミソフトスタッコ仕上げ

等の場合にはおすすめです。

ナノコポジットWの施工例・施工状況を動画で見る★★★

パターンが付いてる外壁にナノコポジットWを塗装しています。

ナノコポジットの施工状況だけでなく性能の説明も字幕で見ることができますので、理解がより深まります。

ナノコンポジットWのデメリット

  • ツヤありに比べてツヤなしは耐用年数が短い
  • 選べる色が少ない

それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。

ツヤありに比べてツヤなしは耐用年数が短い

艶なしは、艶ありに比べると2~3年ほど耐用年数が短くなります。

艶には、塗膜の保護機能成分があるからです。

この保護機能は消えると言われているので、いずれは艶なしの状態にはなります。

なので、少しでも、耐用年数を上げたいという方は、艶ありにしたほうが良いですが、上記で記載しているような土壁調や砂岩調などの外壁であれば、艶ありはおすすめしません。

艶が出ることで外観が安っぽく見えてしまうからです。

選べる色が少ない

淡い中間色の色が好みという人には向いていますが、濃い色(原色に近い色(青色など))が好みという方には、不向きな塗料と言えます。

なので、性能は気に入ったけど「色見本の中に好みの色がない」という方はいらっしゃいます。

ナノコンポジットFと比べると?

ナノコンポジットFの「F」はフッ素を表します。

ナノコンポジットWの上位版で耐久性・低汚染性の性能を引き延ばした塗料になります。

㎡単価は3,200円~3,800円で、ナノコンポジットWよりも高くなります。

耐用年数を15~17年にしたいという方におすすめです。

ナノコンポジットW防藻+と比べると?

ナノコンポジットWよりも防カビ・防藻性を高めた塗料です。

森林が多い、川付近の地域は、湿気が多いです。

そのため、カビや藻が繁殖しやすいので、そのような地域の場合はナノコンポジットwW防藻+が選ばれます。

お客様の中に森林が多いなかでナノコンポジットWw防藻+を使いました。

8年経っても、ほとんど藻が付いていない状態です。

㎡単価は2,600円~2,900円。ナノコンポジットWよりも少し高くなります。

私の家の外壁塗装でナノコンポジットWを選ばなかった理由

私の家の外壁塗装でナノコンポジットWを選ばなかった理由

上記でもお伝えしましたように、私の家の外壁はスッタコ仕上げです。

そのため、必然的に艶なし塗料を選ぶと決めていました。

候補としては

  • ナノコンポジットW(水谷ペイント)
  • アートフレッシュ(日本ペイント)
  • ビーズコートsi(スズカファイン)

の3つでした。(3つともツヤなし塗料です)

ただ、外壁には、熱膨れという厄介な劣化症状が出ていました。

この劣化症状を対策する条件として

  • 艶無し塗料
  • 透湿性に優れた塗料

が絶対条件で、ナノコポジットはクリアしています。

なので、ナノコポジットWで良かったのですが、

さらにその上をいく塗料を提案してくれた塗装会社さんがいました。

熱膨れ対策に効果のある下塗り塗料+遮熱塗料です。

詳しくは「超低汚染リファイン塗料の見積価格と㎡単価。遮熱性で熱膨れ対策?」でまとめていますので興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装は、奥が深く現状の劣化症状によっては、使うべき塗料を選ばなくてはいけません。

肝心なのは、外壁の劣化症状を塗装会社がしっかりと見抜き、対策できる塗料を提案してくれるかどうかです。

私の場合、10社中、4社が厄介な劣化症状を見抜きました。

そして、しっかりと対策できる塗料を提案してくれたのは、たったの1社のみでした。詳しくは(「施工不良で悩みたくない!外壁塗装前の現地調査の時に見ておきたいたった1つの事とは」)でまとめています。

ナノコポジットWは良い塗料ですが、お家の外壁(劣化症状)に合った塗料を選ぶことも大切です。