外壁に合った塗料があるというのは、なんとなく分かるけど・・。 後々、施工不良が出てくることもあるの?
編集者の自宅の
・外壁塗装
・屋根塗装(カバー工法)
を計画しており複数社に見積を依頼した結果、塗膜が膨れている事が判明。
どんなに優れた良い塗料を塗っても、現状の外壁に欠点がある場合、何も対策せずに上から塗装すると3~5年後には、施工不良が出てくることがあります。
以下、読み進めていくと、施工不良が起きる理由について詳しく知ることができます。
特に現状の外壁が弾性スタッコ(リシン)の人は、読み進めることを強くおすすめします。
建築設計者ではありますが、外壁塗装を考えている方の立場に立って詳しく解説しています。
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弾性スッタコの上に塗り替える時、塗料には要注意
スタッコは、モルタル外壁で良く使われる仕上げの一種。
最近は、ジョリパッドなどが出てきて人気が低迷しているように思いますが、どしっとした重量感があり、高級感を醸し出すのは、この仕上げならではでしょう。
このスタッコの上に塗り替える際、調べておきたい事があります。
それは
- サイディングボードの上に塗られているのか
- モルタル外壁の上に塗られているのか
外壁の下地によっては、選ぶべき塗料が変わってくるので要チェック。
編集者の家の外壁はサイディングボードの上に弾性スタッコ
サイディングボードの上に弾性スタッコ。
恐らくプロの方なら「本当に?」と驚くかと思います。
理由は、サイディングと弾性塗料は、相性が悪いからです。
編集者の家(外壁)は、サイディングボードの上に弾性スタッコが塗装されていたのですが現地調査の結果「熱膨れ」という劣化現象が出ていたことが判明。
どうして、熱膨れがおきるの?
サイディングボードは、断熱性が高く表面の温度が上昇しやすい。
そして、熱を溜めやすいという性質が、熱膨れという劣化現象を引き起こす原因となります。
弾性スタッコは、塗膜が柔らかく熱により軟化してあめ状になり、熱により発生した水蒸気ガスにより気泡が生じて膨らみます。
ただ、熱による軟化が少ない無機セメント系や、硬質の有機スタッコは、熱膨れが起こる可能性が少ない。
編集者の家は、確かに熱膨れが塗膜に現れていましたが、それほどひどいものではなかったのがせめてもの救いです。
この熱膨れが起きてる状態に透湿性があまりない塗料を塗ってしまうと、湿気や熱の逃げ場がなくなり、風船のように膨らんでいきます。
そして3~5年後には、塗膜が破裂して剥がれていく可能性が大。
そうならないよう、まずは外壁下地が
- モルタル
- サイデングボード
どちらかを確かめる必要があります。
もし、サイディングボードなら、この先、読み進めてください。
どちらか分からない場合、塗装会社に見てもらうことでハッキリします。
(図面があればより正確に把握できます。)
外壁塗装後、塗膜が膨らみ剥がれ落ちないよう、膨れを抑えるために効果的な塗料についてお伝えしていきます。
編集者の家も、専用の塗料を使い対策しました。
弾性スタッコの外壁を塗り替える際、使うべき塗料とは
透湿性のある塗料
一番に重要視したのが、透湿性。
塗膜内部の湿気や熱を外に出す性能の事
上記でも記載していますが、透湿性があまりない塗料を塗ってしまうと膨れる可能性が大です。
弾性スタッコの外壁にはアンダーサーフDSという下塗り塗料
外壁塗料ってどの塗料を選んでも大差ないと思っていませんか?
劣化症状によって使うべく塗料って変わってきます。
サイディグボードの上に弾性塗料を塗っている外壁。
この外壁を塗り替える時、下塗りは「アンダーサーフDS」。
これに限ります。
それほど、メジャーな塗料ではないので知らない塗装会社も多いです。
実際、13社に見積依頼をしてアンダーサーフDSを提案したのは、1社のみです。
最終的にこの塗装会社さんと契約することになったのですが、熱膨れに対する対策が大きく違いました。
透湿性のある中塗り・上塗り塗料は?
以下に透湿性のあるおすすめ塗料をピックアップしています。
- ジョリパットフレッシュ(アイカ工業)
- グラナダフレッシュ(F)
- アートフレッシュ(エスケー化研)
- ビーズコートフレッシュ(スズカファイン)
- インディフレッシュセラ(日本ペイント)
- インディアートフレッシュセラ(日本ペイント)
- パーフェクトトップ(日本ペイント)
色は極力、白色に近い色
外壁の表面温度が高温になるほど、弾性塗膜は膨れやすくなります。
そこで、熱を吸収しにくい白色系がおすすめです。
黒に近い濃い色は、熱を吸収しやすく外壁の表面温度を上げることになります。
遮熱塗料で熱対策
遮熱塗料は、熱を反射してくれます。
- 太陽光を反射し、熱が壁に吸収されないようにする
- 熱を反射して遮断する
太陽光の中で熱に変換されやすいエネルギーは、赤外線。
遮熱塗料は、この温度上昇の要因となる赤外線を反射し熱が壁に吸収されないようにします。
遮熱塗料を塗ることによって、塗膜が膨れにくい環境にすることができます。
弾性スタッコの塗り替えにはアンダーサーフDSと遮熱塗料
下塗りと中塗り・上塗りのW対策で、塗膜が膨れにくい環境にすることができます。
編集者の家は、アンダーサーフDS+遮熱塗料で対策することにしました。
透湿性が高い
- ビーズコートフレッシュ(スズカファイン)
- インディフレッシュセラ(日本ペイント)
- パーフェクトトップ(日本ペイント)
- パーフェクトセラミックトップG(日本ペイント)
を勧めてくれた塗装会社さんも良かったのですが、外壁塗装費や遮熱性・塗装会社さんの経験値から、「アンダーサーフDS+遮熱塗料(リファインシリーズ(アステックペイント))」を提案してくれた塗装会社さんに決めました。
遮熱塗料は、夏場の快適性を高めるだけでなく「熱膨れ」という劣化現象にも効果的。
遮熱塗料に興味がある方は、見積価格や遮熱塗料を選んだ理由についてまとめた「超低汚染リファイン塗料の見積価格と㎡単価。遮熱性で熱膨れ対策?」が参考になるかと思います。
一つの目安として
外壁塗装で使われる塗料は、数百種類もあり、その中から自宅にあった塗料を選ぶのは、とても大変・・。
外壁の素材
外壁塗膜の劣化状態
劣化を対策できる塗料
など総合的な判断が必要です。
ヌリカエを使えば、17の選択式の質問に答えることで、外壁の劣化具合(診断結果)や予算に合った塗料の目安を知ることができます。
あくまで見積サービスとなっていいますので、現状の外壁の劣化状態や、外壁塗装の相場、塗料の比較として使ってみると良いですよ。
まとめ
弾性スタッコの塗り替え前には、外壁下地が
・モルタル
・サイデングボード
のどちらかを調べることが大切。
サイデングボードであれば、将来、熱膨れを起こす可能性が高いので
- 下塗り塗料:アンダーサーフDS
- 中・上塗り塗料:透湿性がある塗料
OR
遮熱塗料
(予算に余裕があるなら断熱塗料もおすすめ)
外壁塗装は、最初の現地調査がとても重要になってきます。
調査結果によって使うべき塗料などを判断するからです。
ここで誤った判断をしてしまうと、施工不良にも繋がる恐れがあると言っても過言ではありません。
このことについては「外壁塗膜(弾性塗料)の熱膨れを完璧に対策したのは10社中1社。現地調査の難しさと大切さ」で詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。